暑くなった午後、授業に向かうため駅に向かっていた。

駅近くになって、欧米系の若い女性2人とすれ違った。

と、何か言われたような気がしたので、振り返った。

 

「こんにちは」

一人がにっこりとした笑顔で挨拶してきた。

 

「いつか会ったことがあるのかなあ?でも、

見覚えないなあ」と戸惑っていると・・・

 

「その帽子いいですね。どこで買ったんですか?」と言われた。

 

とっさのことで、予想外のことだったので、慌てて

「ち、ちかくの、あの、デパート」

(心の中では、間違った、伊藤ヨーカ堂だった)との思いがよぎったが、

そのままに。

 

「そこにはお勧めがありますか?」

「えー、もちろん、ありますよ。」

 

場所を教えてくれ、と言われるのかなとも思ったが、

それっきりで、かの女たちは「さようなら」と去っていった。

 

狐につつまれる、とはこのことか!

白昼の一瞬のできごと。

 

私が頭にかぶっていた帽子はこれ。いうまでもなく頭の防暑対策である。