「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」という法理が2023年6月16日に公布され、

今年の元旦されてされていたことを知った。

それは世田谷区長・保阪展人著『国より先に、やりました。「5%改革」で暮らしがよくなる』

(東京新聞、2024年)を読んだからである。

本書を手にした時、最初に読んだのが「第4章 教育」である。以前、拙ブログでとりあげた

世田谷区の非常にユニークな「教育大綱」を制定した世田谷区。その経緯を知りたいと思ったからである。

同区の教育全体については、インクルーシブ教育への取組みを含め、いずれ全体として感想を述べたいが

本書は区長の保阪さんの区政を通じたさまざまの課題に対する姿勢や方法が分かりやすく書いたものである。

 

この本書の冒頭には「5%改革」という具体的取りくみ事例が登場するが、その一つとして同区が2020年に

「認知症とともに生きる希望条例」があった。この条例がもとになって、上述の基本法が制定されたことを

知ったのだ。

 

https://www.city.setagaya.lg.jp/mokuji/fukushi/006/003/d00187370_d/fil/jourei-panfu.pdf

 

 

 

 

 

同条例制定に際して重視されたのは、徹底した「当事者主義」であった。そして条例制定のポイントになったのは

「認知症になったからということで『もう人生おしまいだ」」とか「何もできなくなる」というのは偏見であり

差別だということ。したがって、同条例には「希望」という言葉が入り、「早期予防が大事」は規定されなかった

という。

 

また本書では「下北沢再開発」問題について、賛成者、反対者のふくめた、徹底した話し合いをすすめ、

非常に注目できる再開発が進められたことも記してある。本書を読んで、ネットで調べてみたら、

下北沢の大きく変貌した姿をみることができた。ぜひ、行ってみたいと思った。

 

 

わが世代には内申書裁判原告としても知られる保阪さんの確かな歩みを知ることができた。