昨日の朝、NHKのこころの時代アーカイブ『今、あの日々を思う』」に出ていた画家、堀文子さんの言葉である。

これは2015年10月11日に放送されたものの再放送で、この初回も私はみた。

 

アーカイブ 「今、あの日々を思う」 - こころの時代〜宗教・人生〜 - NHK

 

堀さんの数々の名言のなかで、もっとも印象に残ったのがこの言葉であった。

 

 

この言葉をかみしめながら、今回の旅で読んだ『「社会(コンヴィヴィアリテ)」のない国、日本』(菊谷和宏、講談社、2015年3月10日)で取り上げられている永井荷風の『ふらんす物語』を読みたいと思った。

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いま、取り寄せ中だが、奇しくも堀さんの初回放送と本書の出版の年が一緒の2015年であることに気づいた。2015年といえば第二次安倍内閣の時に安保法が制定された年である。

 

本書では冤罪事件であったドレフュス事件に敢然と挑戦したエミール・ゾラのようにはなれなかった永井荷風の生き方と日本の国家・社会が論じられている。

 

本書には大逆事件にかかわった山縣有朋が国家権力の体現者として出てくるのだが、

なんと今回の旅ではたまたま「山縣有朋記念館」を訪れたのだ。この訪問記については後日にするが、「今日正午ラヂオの放送、日米戦争突然停止せし由を公表したりと言ふ」と「断腸亭日乗」という日誌に書いた荷風のその想いをしりたいのだ。