まだ読了はしていない、苅谷俊介さん著『土と役者と考古学』。苅谷さんの恩師、賀川光夫先生が誹謗中傷された問題について書かれた「あとがきにかえて」をが気になったので、途中だったが、目を通した。

 苅谷さんの賀川先生に対する真摯な思いと週刊誌に対する憤りが伝わる文章を読んだあと、一番最後の頁にこんなことが書いてある。

 

「確かに私は、演技に考古学にしろ、現場で身体に叩き込む方法をとってきた。私に言えることは、身体で覚えたものは理論より堅牢強固にして、自信となって身につくということだ。

 そんな道を歩み続けている私も、朱夏の年齢を一歩越えはじめた。そろそろ来し方を振り返ってみるのもいいのではないかと、・・・・」

 

 実は「朱夏」という言葉が分からなかったのだ。調べてみると、中国の陰陽五行説に由来するもので、季節を色であらわしたものであることが分かった。

 よく知られている「青春」につづく、人生の盛りを意味するものが「朱夏」であり、30代前半から50代前半があてはまる。苅谷さんのこの著作はたしか57歳の時であり、朱夏までの彼の人生が描かれている。
<朱夏の花々>

 その次が「白秋」で65歳くらいまで。そして「玄冬」となる。

 

 「玄冬」になってはじめて「朱夏」の意を知った。まだまだ知らないこと、不思議に思うことは多々ある。人生、問いの連続だと・・・

 

 今ちょうど、教員採用試験学習会で頑張り、みごと東京都の採用試験に合格した岩間

曉選手(専修大学4年)が箱根駅伝で8区を激走中。青春のまっただなかである。彼のエネルギーをもらって、これからも続く「玄冬」の時を頑張っていきだい。