昨日、佐賀県鳥栖市の「共に学び成長する子ども条例」を高く評価しながら紹介したが、火曜日に読んだ「日刊ゲンダイ」の記事に愕然とした。

 それは評論家の斎藤貴男氏の書いた記事で、内容はまさに鳥栖市で起きたいじめ事件に関する佐賀地裁判決に関するものだった。斎藤氏は担当しているコラム欄「二極化・格差社会の真相」(1月15日)で、「市の責任を不問にした佐賀地裁のいじめ事件判決」と題して、2019年12月20の佐賀地裁判決を厳しく批判している。

 いじめが発覚したのは2012年10月のこと。当時中学一年生男子が同級生から集団的な暴力を受けていた。その内容がすさまじい。「殴る蹴る、首絞め、眼前のノコギリ、エアガン乱射、上半身を教室のベランダから乗り出させる、掃除用具入れに閉じ込める、給食を売アバウ、「死ね」「おまえの親や妹も殺す」の怒声を浴びせる・・・・、脅し取られた金は100万円超」と紹介されている。

 判決では加害者についてはいじめや恐喝を認めたが、それを放置した学校や市については責任をみとめず、賠償請求を棄却したという。

 ことのいきさつは「佐賀県鳥栖市立中で6年前、当時1年の男性(19)が同級生十数人から約7カ月にわたり殴る蹴る、エアガンで撃たれるなどの暴行を受け多額の金を恐喝された。市教委は「犯罪に等しい」といじめを認め陳謝したが、男性が学校の責任を問う訴訟を起こすと一転。校長(当時)が「エアガンの威力は小さい」とする報告書を出すなど責任回避の姿勢を強め、今も重度の心的外傷後ストレス障害(PTSD)に苦しむ男性は更に傷つけられている。」(

https://mainichi.jp/articles/20180817/ddp/041/040/012000c

2018年8月17日 毎日新聞西部朝刊)というもの。

 つまり、当初は市や学校は謝罪をしていたが、裁判になったとたんに責任回避の対応をし、それを裁判所が追認したということである。

 斎藤氏はこれに対し「恐ろしすぎる判決に震えが止まらない。遠野ゆき裁判長は原告側が提出した証拠の一切を、検証もせず、「信用性がない」と決めつけた。」と指摘する。

 問題は判決を出した佐賀地裁であるが、もっと問題とすべきは裁判に臨んだ市の対応である。こんな鳥栖市で「共に学び成長する子ども条例」が意味をなすのであろうか、と心配になる。 

 

鳥栖駅・駅弁(昔、食べた記憶がなんとなくある)

https://next.jorudan.co.jp/ekiben/details/4293/より借用

辛子めんたい弁当1