前回、「手当たり次第の飲んべぇ:東北編」を書いたときに、福島県のことを実は残しておいた。福島もまた地酒の宝庫である。

 公教育計画学会のスタディツアーで、南相馬を訪れたことがある。震災後何年たっていたのか、もう記憶にないが、参加者になかに放射線量の簡易測定器を持参した人がいたり、避難地区解除がなされず人通りがまったくなく、崩壊した家屋がそのまま残っている地区があったりしたので、それほど経過していない時期であったことは確かである。

 いろいろツアーをした後宿泊したホテルで、もちろん酒を酌み交わしながらの大激論もあったったが、その時飲んだ日本酒の銘柄は覚えていない。北に位置する相馬の酒「夢そうま」はまだその時はなかったはずである。ネットで調べたら、今年、南相馬では「御本陣」という地酒を開発したとのこと。飲んでみたいものだ。で、その時飲んだのは二本松市の」奥の松」だったかも知れない。残念ながら、同じ浜通りの「いわき市」でじっくり飲んだことはない。

 南相馬に行った時は、新幹線福島駅からレンタカーで向かった。中通りの福島市といえば飯坂温泉。数回行ったことがあり、もちろん、地酒はつきもの。「金水晶」がおいしかった。中通りの大都市である郡山でも数回飲んだことがある。駅前においしい鮮魚を出してくれる居酒屋があったが、名前は忘れてしまった。また知人の結婚式に出席した時に飲んだのは「さかみずき」だった。

 忘れてならないのは山通りの会津である。ここも地酒の宝庫。「飛露喜」はもはや全国版。近所の居酒屋で、つい先ごろも味わうことができた。「奈良萬」、「会津中将」「会津娘」など神田の居酒屋で味わえたが、残念ながらそのお店がなくなった。久しく会津を訪れていないので、ぜひ、今度は会津の居酒屋で一杯したいもの。