種を蒔くと芽が出て花が咲きますよね。
自分たちで蒔いた種ならば、尚のこと美しく感じるのかもしれません。
指導の現場でもこうした花を目にすることがあります。
それはそれは綺麗です。
うっとりし過ぎて見続けてしまうこともあります。
でもね、花は長く生きないでしょ。咲いたら次に枯れるんです。
枯れた後に残るのは、過去にあったあの残像だけです。
指導の現場でもよくあるんです。
あれ?この前はもっと綺麗な花だったよね?って。
満開の桜のように、魅了される時間はあっという間です。
風が吹けば花びらは散りますし、雨が降れば早々に役目を終えることもあります。
ですから指導者が行うべきは、常に種を蒔き続けることなんですね。
咲いた花に酔って見とれていると、次の花はいつまで経ってもやってきません。
咲かせた花はとても綺麗で見るものを魅了させます。
まるで永遠の未来を映し出してくれたかのような気にもさせます。
満足気に大輪の花を見上げ、そして散り進んでいく花びらにいつしか気付きを忘れていくのです。
そのうち根に栄養を与え、雨風を防ぐための帆を立て始めるのでしょう。
想像してください。
そうして耐え凌いだ僅かながらの花たちは、その手を離れた瞬間どうなっていくのでしょう。
悲しい未来かもしれません。
だからこそ指導者は大輪の花を見上げるのではなく、地面を見つめることが必要でしょう。
咲いた後に次の花。そのまた次に違う花。小さな花に大きな花。赤に黄色。
こうして次に咲く花を想像しながら種を蒔き続けなくてはなりません。
地面を見つめることは残念なことではありません。
その見つめる地面にも、大小の色取り取りの花びらが見られるようになるのです。
それはそれは綺麗です。
by paris