大なり小なり、人それぞれキッカケとなるものがありますわね。

私の場合、ワールドカップを契機とした大型テレビとソファーの購入でしょうか。

寝に帰るだけの我が家が、その日から映画館に化してくれました。

まぁ最新のテレビは綺麗でございます。

革張りのソファーに寄り掛かりながら、その映像美と臨場感を感じております。

豆電球も、ほど良い間接照明に思えてきましたし、

2人掛けのそれも、もう一つの凹みにクッションを置いてしまえば何も感じません。

なんとも健全で優雅な夜長でございます。

そんな私を更に楽しませてくれたのが、そうこれでございます。

優れものなのか大きなお世話なのか、最新のレコーダーは勝手に記録してくれます。

そしてそこに残っていたのが、今や私の大のお気に入りとなったヒューマンドラマ。

えぇそうです。主婦がハマるやつでございます。

ドタバタ脚本にドタバタ演出、加えてドロドロの愛憎劇。

これぞ真骨頂の韓国ドラマです。

正直ここまで来ると名作としか思えません。

また美男美女をそろえた登場人物が、実に素晴らしい。

無駄に寄りの多いカメラ操作に表情の作りが負けてないのです。

泣いたり笑ったりへそ曲げたり怒ったり、まぁ迷演技。

屈折した私の心を、これでもかってくらい癒してくれます。

未だに題目がなんて言うんだか覚えられませんが、農場を舞台とした大家族っていうのもいい。

現代風にアレンジした韓国版北の国からだと勝手に思ってます。

最近では韓国語のリズムでさえ心地良くなってきました。

U-10の選手たちも、韓国ドラマを目にする度に思うそうです。

あっこれパリス見てんじゃね!? みなさまも一度ご賞味あれ。


ところで私はサッカーの遠征で一度韓国へ行った時がございます。

色々と楽しまさせて頂きました。

観光客のいない地方の店通りを「サムギョプサルが食べたいのでござる」の韓国語だけを頼りに、

夜に2人焼肉屋とおぼしき店へ行った際のことです。

サムギョプサルガモッコシッポヨ!

これが合ってるかどうか分かりませんが、何度言っても伝わらない。

結局何かが出されましたが、それが何かも分からず、網の上で焼くこと数分。

すると店主が「なにしちゃってんのよ!あんたら!」ってハサミを持って私たちのテーブルへ。

そこから他のお客さんそっちのけで私の隣の椅子に座り、切ったり焼いたり巻いたり。

これ食べろと言われて口に運び、これを飲めと言われて口に流し、閉店まで相手してくれました。

噛み合わない会話の中で唯一分かったこと。

焦げた所は絶対に食べるな!という店主のこだわりと御叱り。

隣の席で食べてたカップルとの出会いも面白かった。

あなたが食べてるのは何?と聞いてみたのをキッカケに意気投合。

年下だったのを良いことに、君たち今日はデートかと男の子に聞いてあげ、

そうです。と答えた彼に、お祝にと、これを食べてこれを飲めと店主のやり方でおすそわけ。

ちゃんと食べてくれたので、ひとまずそれで私たちは安心したものです。

そこからは英語の話せる彼女と彼氏そっちのけで盛り上がってしまいました。

最後に写真を一緒に撮ろうと提案して、彼氏にカメラを持たせたのはちょっとやり過ぎたのでしょう。

店主にカメラを渡し、私と彼女の間にちゃんと身体をねじ入れてきました。

サッカーでの交流も楽しかったが、こうした偶然の交流も非常に楽しかった。

異文化に触れるというものは良いものです。

今こうしてドラマを見ていると、その国の歴史まで見えてくるようで何とも興味深い。

また行ってみたいと思う今日この頃です。




by paris