ずるい。

大人はずるい。

子供の選択を奪う大人はずるい。

子供の夢を自分の価値観で奪い取ってしまう大人はもっとずるい。

なんで子供がこんなにも悲しむんだ。

なんで子供がこんなにも悩まなくちゃならないんだ。

大人じゃないか。あなた大人じゃないか。

子供のために生きてる大人じゃないのか。

子供が必死に訴えてるその言葉に、あなたはずるい言い方で説き伏せる。

子供が必死に伝えようとするその躓きに、あなたは用意した返しを振りかざす。

すみません。

なんで子供が謝るんだ。

必死に考えたその答えに、なんで苦しめられなきゃならないんだ。

そんなことさせるのずるいよ。

子供はどうすりゃいいんだよ。

大人にとってはちっぽけなことでも、その子どもにとっては何よりも大切なことだってあるんだよ。

我慢しなさい。

そんな言葉、ずるい、ずる過ぎる。

みんなそうしてきたんだ。

そんな言葉、ずるい、ずる過ぎる。

責任と自覚。でももうその子は十分に持ってるよ。

だから必死に考えて悩んで、苦渋の決断を伝えたんじゃない。

我慢しなさい。みんなそうしてきたんだ。

分からないよ。ずる過ぎて子供には分からないよ。

やらせません。みんなそうさせてきたんだ。

そうやって大人の言葉で隠さないでよ。

奪うな。

子供を奪うな。

子供の大切なものを奪うな。

子供の今を奪うな。

あなたは後悔しないように進みなさいと言う。

あなたは自信を持って進みなさいと言う。

それで子供が悲しむのなら、私はその子を助ける。

そしてあなたに言う。

私もあなたも子供のために生きてるんです。

あなたの後悔とあの子の後悔。

あなたの自信とあの子の自信。

見つめ直してください。

あの子はあなたのことを今でも尊敬しているのです。