2023年12月2日午後15時00分、亀の井ホテル長瀞寄居 205号室。
『新渡戸の夢』の製作の大詰め。ニコニコ
2日前から、野澤監督と編集の平井さんは、亀の井ホテルにこもり編集作業。

野澤監督から、亀の井ホテル205号室に来るように指示されていた。

2週間前、かんせいだいほんとひらがなで書かれファイルの台本を読んでいた。

しかし、数日前にすべて内容を忘れるようにとの強い指示。ウインク

忘れるのは特技。黒帯レベルだ。口笛

 

前日は禁酒をし体調を整えた。朝食はしっかり食べ、昼食は抜く。

炭水化物は、血糖値を急激に上昇させる。この急激な上昇は、脳に過剰なエネルギー供給をもたらす。一時的に活力を感じさせる。その後、急激な血糖値の下降が起こり、これが眠気を引き起こすのだ。ラーメン、餃子を食べて、映画館に入ると、次回作の紹介で眠りについてしまう。

 

それは、試写で居眠りは流石に避けねば。

完成品でないとは言え、私が試写中に寝たらどういう事になるだろうか。


心の調子も重要だ。最近、少々腹の立つこともあったが、ひとまず忘れる。新渡戸が好きだったリンカーンの言葉『何人にも悪意を抱かず、すべての人に慈愛をもって』を口ずさむ。

もっと、早くに、新渡戸稲造を知っていたら人生がもっと楽しくなっていただろう。看板持ち

そして、久しぶりの車の運転。3年前に退職金で買った中古車だ。途中、車を洗車、ガソリンを入れる。車も体調を整えないとね。

 

関越自動車道を走らせる。

ようやくここまで来た。

去年の11月~12月にクラウドファンディングに挑戦。172人、400万円以上の支援があった。これは凄い事だ。

この一年、頭をよぎるコトがあった。
映画が、万が一完成しなかったら、

チーン、返金だ。
 

新渡戸の言葉『急ぐべからず。休むべからず』といつも口ずさんでいた。


いつも関越自動車は、100キロで走っていた。

今日は、時速80キロでの安全運転。
遠くに秩父連山が見える。

花園ICをでて秩父方面へ、15分程度走り亀の井ホテルへ到着。
ホテルのカウンターで、監督の指示通りホテルの会員になる。会員になると会員価格で泊まれるらしい。


「お連れのお客様が来ました。205号室に案内しますよ。」
監督は浴衣すがた。編集の平井さんは、テレビ画面を見ながらPCをカタカタ、カタカタ。ベッドが2つ。敷布団がひとつ。
 

『露天風呂に行ってきまーす』ニコニコ
風呂はとろみのある天然温泉。

露天風呂からは、青い空に秩父の山並み。

肌もつるつる、スベスベになった。心も体もリフレッシュ。

昼も抜いた。露天風呂をでると秩父連山からの冷たい風で、体も引き締まる。
 

寒!

そして、205号室。
「さあ、はじめるぞ」
野澤監督は、テレビの前になみ平を座らせる。テレビには、はがれそうな「亀山モデル」のシール。別に気にならない。亀の井ホテルの亀山モデルか。

監督は缶ビールを持ってくる。
 

テレビには、『新渡戸の夢』の文字。

画面の右上は、時間カウンターが回っている。

ストリーに入り込んでいく。大空から自分を見るような気持ちで、映像に入り込みつつも、少し、客観的に観る。う、う、涙がでる。う。
その瞬間、左後ろに視線を感じる。チラってみると、寝転んでいる浴衣の監督が見ている。そんな箇所がいくつもあった。ニヤニヤ

 

映画館で一人この映画を観ながら泣きたい。
あっという間の90分。その後は、また編集が続き、修正が加えられる。

文字で読む情報と映像で見る情報とでは、全く違うことを実感。
文字はより論理的。映像は、たった一枚の写真。ほんの一言で、涙が出る時がある。
「理屈じゃなかとよ」、九州生まれの亡き母の声。
ビールを飲みながらも、編集は続く。監督は、寝てるのかと思えば、突然、修正の声をあげる。
眠りながら考えているのだろう。編集の平井さんもすごい。カタカタ・カタカタ。夕食後も続いた。カタカタ、カタカタ。私は、作品の素晴らしさに感動し、ワイン、酒を飲み続ける。

これに、KIRIさんの音楽が入り、ナレーターのSさんが入れば、号泣するだろう。
新渡戸も言っている。

「学問より実行」、この映画が完成すれば、その言葉をつぶやくだろう。
「そろそろ、仕事をしてもいいですか?」の平井さんの声。

「は!、おやすみなさい」ふとん1ふとん1
爆睡。朝を迎えた。3人バラバラに風呂、朝食バイキングへ。
 

そして9時からの編集後の試写のスタート。
監督は、右斜め後ろから、私の泣く瞬間だけに興味があるようだ。
う、う、う。新たな個所で涙が込み上げた。ウインク


12時、ホテルを後にして、帰りはゆっくりと川越街道だ。
『新渡戸の夢』はもう少しだ。

良い作品に良いプロモーションをかければ、多くの人に映画が届くだろう。

 

本日は、KIRIさんの登板予定を変え、なみ平が。KIRIさん良い音楽作ってください。

 

じゃ、またね。