5月25日にアウェーで行われた2025年明治安田J2リーグ第17節モンテディオ山形戦ですが、試合結果は4対0でヴァンフォーレが勝利しました!ヴァンフォーレの得点は後半に挙げた田中選手&孫選手&大島選手&マンシャ選手のゴールでした。

 

☆先発変更は1人
1対0で勝利した前節の今治戦からヴァンフォーレは先発を1人変更。今治戦では前半のみの出場となった熊倉選手に代えて田中選手を2試合ぶりに先発起用。あとは順調に勝ち点を獲得している最近のチーム状態をあまり崩さないためにも継続路線でこの一戦に臨みます。個人的にこの試合で注目していた選手は孫選手と田中選手。孫選手は3バックの中央でディフェンスし失点数を減らしている働きをしているのはもちろんのこと、今シーズンはセットプレーの得点源としてチームトップの3ゴールを記録しており抜群の存在感を発揮。今回も攻守におけるゴール前の高さで山形に脅威を与えられる存在として期待されていましたね。そして田中選手は桐光学園高校時代の先輩でもある鳥海選手と公式戦でスタートからシャドーのポジションでパートナーを組むのはこの日が初めて。彼とともに1.5列目の位置から息の合ったコンビネーションプレーで積極果敢に仕掛けていくことを求められていたと思います。ネーミアス選手を頂点としたこの1トップ2シャドーのトライアングルの関係性にも注目でしたね。


☆序盤は山形ペース
試合の立ち上がりはホームのサポーターの声援に後押しされた山形が積極的に仕掛ける展開となります。左ウイングバックの坂本選手のカットインからのシュートや右サイドのイサカ ゼイン選手の突破と右側に流れてくるディサロ選手との絡みから好機を作り出しますが、ヴァンフォーレの守備陣は懸命なディフェンスで防いでいると次第にボールを保持できるようになり試合のペースを持ち直します。それには山形の前線の選手があまりヴァンフォーレの最終ラインにプレッシャーをかけてこなかったことも影響していると思いますが、冷静なビルドアップから確実に中盤の選手へとボールを繋ぎ、中盤の選手はソアレス選手を中心にポストプレーのターゲットとなるネーミアス選手に当てたり宮崎選手や佐藤恵選手のウイングバックの攻め上がりを促してサイドからの仕掛けで状況の打開を試みていましたね。また見えていない場所でも最終ラインの選手やボランチの選手などサボらず精力的に相手へプレスをかけることができていたので相手に隙を作る機会は少なかったと思います。しっかりとした守備を行うことで試合のペースを掴んでいく最近の試合の流れがこの試合でもうまく発揮されていました。


☆前半途中からペースを引き寄せられた理由は?
山形ペースで進んでいた前半途中にヴァンフォーレがペースを引き寄せることができた要因として、田中選手の守備の働きが的確に効いていたと思います。というのも山形は攻撃時に2トップのディサロ選手が右側に流れて右ウイングバックのイサカ ゼイン選手と連携することでこちらの左サイドの佐藤恵選手のエリアを攻略しようと企てていました。試合の序盤はその流れが効果的に働いていましたが、前半途中からそこへパスを送る主な配給者となっていた熊本選手に田中選手がプレッシャーをかけ始めたことでホットラインの遮断に成功。たちまち山形のパスのリズムが悪くなりましたね。それは山形が3バックの右側のポジションを高く保ち、ビルドアップ時にはそこにいる熊本選手からの縦パスで右サイドの仕掛けを展開していた山形の組み立てが影響しており、ビルドアップ時の中心的な存在だった熊本選手をシャドーの田中選手が守備面でケアすることで相手は状況を打開する手立てを見失っていた感じがしました。パスの配給がストップし攻撃のリズムが停滞した山形は横パスやバックパスを選択する機会が格段に増え、全体で相手にプレッシャーをかけていたヴァンフォーレは徐々に押し上げていけたと思います。


☆セットプレーの強み
前半スコアレスの展開だったこの試合。しかしペースはヴァンフォーレに確実に傾いており、主導権を握りシュートも相手の4倍近く放つなど積極性をみせます。試合のスコアが動いたのは後半13分、CKのチャンスを獲得しヴァウ ソアレス選手が放ったキックは一旦は相手選手に弾かれるものの、高く上がったボールをマンシャ選手がヘディングで競り勝つとゴール前に詰めていた田中選手が押し込んでヴァンフォーレが待望の先制点を挙げることに成功します。続く4分後にもソアレス選手のロングスローをエリア内にいたマンシャ選手が頭で折り返し、奥側にポジショニングを取っていた孫選手が倒れ込みながら合わせて追加点を決めます。その勢いは留まらず、8分後には後方からのマンシャ選手のロングフィードに前線で抜け出した大島選手が相手GKとの1対1を冷静に右足で決めて3点目をゲット。そして後半アディショナルタイムには田中選手のFKをマンシャ選手がヘディングでゴールに突き刺しダメ押し点。後半に決めた4ゴールのうち3ゴールがセットプレーからの得点ということで、相手が混乱している状況で守備をテコ入れする前に12分間で3得点奪えたのも素晴らしかったですね。今シーズンチームが発揮しているセットプレーの強みを披露できたと思います。


☆マンシャ選手抜群の存在感
この試合セットプレーからのゴールラッシュに大きく貢献したのが29歳のブラジル人DFエドゥアルド マンシャ選手。マンシャ選手は187cmの長身を活かした競り合いの強さが最大の特長で、ただ単に屈強なフィジカルをぶつけていくだけではなくハイボールの落下点をいち早く見極めて的確なポジショニングが取れる優れた感覚を持ったCBでもあります。この試合の得点シーンでもその彼の特長が最大限発揮しており、先制点の場面では相手に囲まれながらも競り勝てたのはあらかじめ良いポジショニングを取っていたからで、チームの2点目もロングスローがエリア内に入ってくる直前で相手マーカーを剥がす動きを取っており、それがゆとりを持ってヘディングできた時間へと繋がっていると思います。4点目は相手の対応の甘さもみられましたが、ファーサイドに流れたことがマークを外すきっかけにもなりましたね。これまでは孫選手に注目が集まる機会が多かったセットプレーですが、マンシャ選手も彼に負けないくらいのターゲットとして存在感を発揮していたと思います。この試合の1得点3アシストはまさに圧巻のパフォーマンスでしたね。


☆勝因は?
この試合ヴァンフォーレが勝利できた要因として、相手の強みに繋がるポイントを前半のうちに見つけ出して圧力をかけられたことを挙げたいと思います。先ほども言いましたが、山形が攻めたかったイサカ ゼイン選手とディサロ選手が絡む右サイドを警戒し、そこに繋がるパスの配給先を機動力のある田中選手があらかじめプレッシャーをかけて潰せたことが大きかったですね。それにより山形のリズムが悪くなり全体のプレーが後ろ向きになったことで、ヴァンフォーレが得意とするディフェンススタイルが発揮でき攻守がスムーズに切り替えられたと思います。そしてセットプレーの強みを今回も活かせたこと。得点を決めた田中選手や孫選手はもちろん3アシストのマンシャ選手はとても目立ちましたが、セットプレーのCKのキッカーとなったソアレス選手のキックの正確性やロングスローの精度の高さも忘れてはいけないポイント。ソアレス選手は左足でゴールを襲う強烈なミドルシュートも放っており、試合中の様々な場面で光り輝く活躍をみせていましたね。その彼が動くスペースを守備面で埋めていたのは林田選手。目立つ選手だけではなく縁の下の力持ち的な存在が的確な連携力を発揮していたのも4対0快勝で終えることができた要因になったと思います。


…この勝利によりヴァンフォーレの今シーズンの成績は、6勝5分け6敗の勝ち点23となり順位は10位に浮上しています。しかし大分や今治など同日に天皇杯の日程をこなしていたクラブもあり、一応暫定という順位なことも忘れてはいけません。ここから上の順位は少し勝ち点が離れている位置にはいますが、一戦一戦着実に勝ち点を積み重ねていき少しずつでも近づいていけるように努力していきたいですね。

 

【モンテディオ山形×ヴァンフォーレ甲府|ハイライト】 2025明治安田J2リーグ第17節|2025シーズン|Jリーグ