11月3日にホームで行われた2024年明治安田J2リーグ第37節ブラウブリッツ秋田戦ですが、試合結果は1対2でヴァンフォーレは敗れてしまいました。ヴァンフォーレの得点は後半に挙げたアダイウトン選手のゴールでした。
☆先発は5人変更&待望守護神約8ヶ月ぶり復帰
前節山口に敗れて連敗中のヴァンフォーレ。低調なチーム状態から脱するため、大塚監督は先発メンバー5人の変更を決断。退場処分となったマンシャ選手と林田選手の代わりには孫選手と井上選手を起用。出場停止の佐藤選手に代わって木村選手が第33節山形戦以来4試合ぶりに先発復帰し、累積警告による出場停止から戻ってきた荒木選手が左ウイングバックに入ります。そして前節ベンチ入りを果たしたGK河田選手が3月9日の第4節山形戦以来実に約8ヶ月ぶりにスタメンに戻ってきました。河田選手は今シーズン始めに左太ももを負傷し戦線離脱すると、リハビリ中にも同箇所を再び痛めてさらに離脱期間が長引くなど苦労のシーズンを過ごしていただけに、今回の先発復帰はサポーターにとって待ち望んでいた守護神の登場となりましたね。守備の中心選手に成長した林田選手の不在をベテランGK河田選手の存在感によって埋められるかが注目されていた試合だったと思います。
☆いきなりの失点
試合のスコアはいきなり動きます。前半6分、右サイドから仕掛けた秋田は相手のプレッシャーをかわしながらエリア手前の位置からアーリークロスを供給。ゴール前で梶谷選手がヘディングで反らしたところに背後から小松選手が詰めてゴールに押し込み、秋田が先制点を決めることに成功します。このシーンではヴァンフォーレの守備陣が少なかったわけではなく人数は揃っていました。しかしバイタルエリア付近でパスをまわす秋田の選手たちには付いていたものの、踏み込んだプレスがかけられなかったところが痛かったですね。そしてクロスボールを上げられてヘディングされた後にもその反応が鈍く背後に詰めていた相手選手の方が先に動いていました。ヴァンフォーレは前節からGKや3バック&ボランチなど守備の選手が大幅に変わっていたこともあり、そして試合開始間もなかったことによってディフェンスへの集中力が最大値ではなかったと言わざるを得ません。与えたくなかった先制点を相手に決められての苦しいスタートとなります。
☆ドンピシャヘディング弾で同点
前半は1点のビハインドで折り返したヴァンフォーレ。後半に入り巻き返しを図るため攻勢を強めます。後半11分、最終ラインの関口選手から出された縦パスに木村選手が走り込み反応。サイドに流れた木村選手が切り返して素早く左足でクロスボールを上げると、タイミング良くゴール前に入ってきたアダイウトン選手が強烈なヘディングシュートをゴールに叩き込み、同点に追いつく得点を決めます。もちろんヘディングシュートは見事でまさにアダイウトン選手らしい豪快なゴールだったと言えますが、それ以上に木村選手の動きが秀逸だったと個人的には思いますね。普段はボランチの位置でプレーする木村選手が右サイドのスペースに流れることで相手は彼にマークがつきにくくなり対応が遅れています。そしてパスを受けた後に切り返して素早くゴール前にクロスボールを入れたのも効果的でしたね。それによってアダイウトン選手はそのクロスに合わせやすい状態になってました。クロスの出し手と受け手の呼吸がピタリと合った素晴らしいゴールだったと思います。
☆圧力かけるもミスから痛恨の失点
後半11分に同点に追いついたヴァンフォーレ。相手の勢いが目立っていた前半と比べてボールを保持する時間が増えてきた後半はゴールに迫る回数も多くなります。相手に当たってコースが変わった中山選手のミドルシュートは相手GKが足で防ぎ得点ならず。そしてサイドチェンジから宮崎選手が右サイドでボールを受けて最後は内藤選手がシュートを放ちますが、相手守備陣のブロックに遭ってこれまたゴールならず。内藤選手や宮崎選手&三沢選手やウタカ選手を投入してさらに攻勢を強めますが、なかなか勝ち越し点が奪えずにもがき苦しみます。そんな中で迎えた後半42分、自陣で孫選手のビルドアップのパスが相手にカットされると秋田はカウンター攻撃を発動。慌ててゴール前を固めるヴァンフォーレ守備陣を尻目に右サイドの大石選手は手前にいた諸岡選手にパスを選択。シュート性のクロスにゴール前で合わせた河村選手に決められて勝ち越されます。このシーンではビルドアップの段階だったので最終ラインと中盤から前線の選手の位置が離れた状態だったことが前提としてあり、その状態でボールを奪われたことで他のポジションから守備のフォローに行けなかったのが痛かったですね。そして空いていたスペースを瞬時に見つけた相手選手の好判断も良かったと認めざるを得ません。ミスをしてはいけない状況でミスをしたら失点に直接結びつくと孫選手はこのシーンで学ぶことができたと思います。
☆敗因は?
この試合ヴァンフォーレが敗れてしまった要因として、プレー以前に集中力を欠く場面が多かったことを挙げます。前半早々の失点はメンバーが変わった影響もあるとは思いますが、守備のプレーの強度が足りずに本来圧力をかけたい場面でかけられなかったことがフィニッシュまで繋がりました。また後半42分の決勝点はビルドアップ時に奪われて速攻を完結されています。この2つの失点は選手の意識を変えることで防げると思うので、これが当たり前にならないように最終節では選手たちが常に集中している環境を作り出したいですね。そして相手に先制点を奪われるとこちらが追いつき&勝ち越すためには相当なパワーが必要になります。後半にアダイウトン選手のゴールで追いつけましたが、勝ち越し点を決められず終盤に突き離されたのは巻き返しの力を使い過ぎてスタミナが切れたことも少なからず関係していたと思うので、チームの底力に頼る展開ではなく計画的な試合運びで理想的なペースを維持できるようにチームでその意識付けをしてほしいと思います。
…この敗戦により今シーズンのヴァンフォーレの成績は、11勝9分け17敗の勝ち点42となっています。順位はすぐ下の位置にいた大分に抜かれて16位に転落。J2残留はすでに決定していますが、最終節の結果によっては残留ラインギリギリの17位まで下がる恐れが出てきています。シーズン最終盤となって3連敗を喫するなどものすごく不安になる展開となっていますが、今シーズンのラストゲームに大勢のサポーターが集まる前でこの低調なチーム状態を脱する光明が見えるような気迫あふれる試合を最後に見せてほしいと思います。あわよくば勝って順位を14位まで上がりたいですね。
【ヴァンフォーレ甲府×ブラウブリッツ秋田|ハイライト】2024明治安田J2リーグ第37節|2024シーズン|Jリーグ