10月27日にアウェーで行われた2024年明治安田J2リーグ第36節レノファ山口戦ですが、試合結果は0対2でヴァンフォーレは敗れてしまいました。
☆先発変更は2人
前節アウェーで千葉に敗れたヴァンフォーレ。1点先制したあとに終盤の時間帯で2点奪われて逆転負けという展開は悔しさが強く残る結果となり、大塚監督もその感情を露わにしていました。今度は不甲斐ない試合をしないと心に決めて臨んだこの山口戦では、累積警告による出場停止となった荒木選手に代わり小林選手が左ウイングバックのポジションに入り、前節負傷交代したヘナト アウグスト選手に代わりエドゥアルド マンシャ選手が起用されます。小林選手は途中出場した8月10日の第26節藤枝戦以来10試合ぶりの試合出場。またマンシャ選手も同じ藤枝戦から試合出場が遠ざかっていた状態だったので、この2人は久しぶりに出番を与えられたことになります。どちらかといえば戦術的な変更ではなくこれまで出ていた選手の穴埋めで起用されたこの2人がどれだけチームに貢献するかも今回の見ものだったと思います。
☆攻勢を仕掛けるヴァンフォーレ
勝利がほしいヴァンフォーレは試合の立ち上がりから攻守に積極的に仕掛けていきます。前半16分中山選手が遠目の位置からミドルシュートを放ちますが、その鋭い弾道のシュートはゴール左に外れていきます。また前半38分には左サイドからの小林選手のクロスボールをゴール前で三平選手がタイミング良くヘディングで合わせていきますが、そのヘディングもゴール左に外れていき得点ならず。立ち上がりからしばらくはヴァンフォーレが攻勢を仕掛ける時間が続いていただけに、やはりここでゴールを決めたかったというのが本音だったと思います。前半の終わり際は山口もペースを取り戻していたので、両者つば競り合いが続くなかでの前半終了となります。
☆ロングフィードで失点&退場
試合のスコアが動いたのは後半開始早々のことでした。後半3分、山口は最終ラインから前方にロングフィードを供給すると若月選手とマンシャ選手がそのロングボールに追いかける状態となります。マンシャ選手は後ろに下がりながら体を入れてアタッカーの自由を奪おうとしますが、若月選手はうまく体を入れ替えてそのプレスをすり抜けて突破。GK渋谷選手が慌てて飛び出して対応しますが、ボールに触る前にシュートを打たれてゴールに流し込まれます。与えたくなかった先制点を相手に奪われてしまったヴァンフォーレ。このシーンでは後半の立ち上がりの時間帯ということもあり、守備陣がまだ完全に試合に入れていなかった状態にあったと思います。その集中力が欠如したところを蜂の一刺しのようにロングフィード一本でシンプルかつスピーディーにやられてしまったのが良くなかったポイントですね。失点に関わってしまったマンシャ選手はその9分後、同じように最終ラインの裏のスペースを狙われた際に並走していた相手選手をエリア付近で倒したとして主審からレッドカードを提示され退場処分となってしまいます。よく見るとマンシャ選手はボールにアプローチに行っていて強く体が当たったわけでもなくファール自体はそれほど酷いものではありませんでしたが、決定的な得点機会の阻止と判断されての退場になりましたね。マンシャ選手は9分前の失点シーンが頭をよぎったのか、今度こそ相手を止めてやるんだという気持ちが強くなっていたと思います。また前半にもクリアが中途半端になったりキープ後の処理にもたつき自陣深い位置でボールを奪われるなど不安定な守備をみせていたので、やはり10試合出場していなかった試合勘の無さがプレーにも響いていたように感じましたね。前節までに途中出場が少しでもあったらまた違ったクオリティになっていた可能性があるので、少しかわいそうな気もしました。
☆10人で意地を見せる
マンシャ選手が退場処分を受けて10人での戦いを強いられることになったヴァンフォーレ。このような状況になっても勝利を信じるゴール裏サポーターのチャントはこれまでよりもさらに大きなものになり、そのパワーを後押しに選手たちは攻勢を仕掛ける圧力を強めていきます。後半23分には佐藤選手に代えて孫選手、中山選手に代えて木村選手を投入し落ちてきた運動量を再び活性化させると、小林選手のクロスボールからゴール前のこぼれ球に木村選手が反応し左足でシュートを放ちますが、そのシュートはゴール右にわずかに外れていきます。そして右サイドからもクロスボールを供給し鳥海選手がヘディングを試みるもののそれもゴールならず。相手の11人に対してこちらは10人で精一杯の圧力をかけますが、追いつくことができずに終盤の時間帯に突入します。
☆疑惑の判定で2人目の退場&万事休す
10人で前がかりに攻勢を仕掛けるヴァンフォーレ。しかし1点差で迎えた後半アディショナルタイム2分、大きく蹴り出した相手のクリアボールを戻りながら処理しようとした林田選手が相手と交錯。もつれて回転して倒れた際に上げた足を相手の顔に故意に当てたとして主審がレッドカードを提示。林田選手は一発退場となってしまいます。判定に猛抗議をするヴァンフォーレの選手とスタッフ。このシーンはリプレイで見てみても林田選手は故意に相手を蹴ろうとはしておらず、回転した際の不可抗力で相手に触ってしまったという印象でした。主審はロングボールに追いかけながら見ていたためこのシーンは良く見えていなかったと思いますが、副審がファールを主張し主審がプレーを止めてレッドカードを出した経緯があります。主審の判定ももちろんですが、タッチラインの直線上にいた副審が良く見ていたらファールにはなっていたかもしれませんがレッドカードの判定には決してならなかったと思います。疑惑の判定により2人目の退場者を出してしまったヴァンフォーレ。反撃する力も完全になくなり、山口に追加点を奪われて万事休す。0対2での敗戦を喫しました。
☆敗因は?
この試合ヴァンフォーレが敗れた大きな要因として、後半の立ち上がりに失点してしまったことを挙げたいと思います。サッカーには得点が決まりやすい時間帯があると言われており、選手が集中し始める前の試合開始直後や後半始め、そして終わろうとする前半終了間際や試合終了間際の時間帯は特にスコアが動きやすいとされています。今回も後半3分に失点しており、ハーフタイムを終えて後半に向けて選手たちが試合に集中する前の一瞬の隙を山口に突かれた結果となりました。特にマンシャ選手は試合に出続けていた存在ではなく10試合ぶりの試合出場だったので、あまり試合勘がなくすぐさま集中できる状態ではなかったかもしれません。それも含めて悪い要素が一気に集約されてしまった失点だったように思います。そして退場も痛かったですね。林田選手の退場は判定的に納得できるものではありませんでしたが、彼の退場は直接勝敗に響くものではなかったと思います。それよりもマンシャ選手の退場はその直前にアダイウトン選手と三平選手を下げる決断をしており、突然1人減ることで守備を構成し直す必要があり、その分チームの攻撃プランが大きく狂う結果になったことは否めません。それでも立て直して10人でも相手を押し込む展開に少しでも持っていけましたが、11人の状態でその後も攻勢を仕掛けることができていたら同点に追いつけた可能性もあったと思います。なので退場という判定にはただただ悔しさが残りますね。
…この敗戦によりヴァンフォーレの今シーズンの成績は11勝9分け16敗の勝ち点42で順位は15位と前節と変わりませんが、勝ち点が伸ばせなかったために16位大分がジワリと近づく結果となりました。J3降格の心配はすでにありませんが、残り2試合の結果によっては16位や17位になる可能性も残されているので、早くこの連敗の不調から立ち直って少しでも上の順位が目指せるように選手たちにはさらなる努力をしてほしいと思います。
【レノファ山口FC×ヴァンフォーレ甲府|ハイライト】2024明治安田J2リーグ第36節|2024シーズン|Jリーグ