9月15日にアウェーで行われた2024年明治安田生命J2リーグ第31節横浜FC戦ですが、試合結果は0対1でヴァンフォーレは敗れてしまいました。
☆ルヴァンカップ第2戦から先発2人変更
先週はルヴァンカップの舞台を戦っていたヴァンフォーレ。準々決勝第2戦川崎フロンターレ戦から先発を2人変更し、荒木選手に代わり村上選手を3試合ぶりに起用。そして1トップとして三平選手に代わりマクーラ選手は第27節清水戦以来の出番となります。村上選手はこれまで右のウイングバックを務めてきましたが、左の位置での試合出場は初めて。そしてマクーラ選手はヴァンフォーレ加入後初の先発起用となったので、本人は相当気合いが入っていたことでしょう。この2人の起用がチームにどのような相乗効果をもたらすのか首位横浜FC相手に通用するのか注目されていたと思います。
☆攻撃の軸はアダイウトン
ヴァンフォーレは相手にボールを持たれる苦しい展開のなかでも、前線の選手たちにシンプルにロングフィードを出していく堅守速攻スタイルをみせていきます。そのカウンターサッカーの中心となっていたのがシャドーに位置するアダイウトン選手。前線のスペースに走り込んでチャンスメークしたり少し下がり目の位置でパスをもらってから前方に向かってドリブル突破を試みたりと、自身の特長でもある高い攻撃性を発揮します。この試合では横浜FCのガブリエウ選手がマンマーク気味についていたので彼とのマッチアップが注目されていましたが、フィジカルが強いもの同士の迫力のあるバトルが繰り広げられていました。やはりここのバトルで勝利し突破できたらその先に大きな決定的なチャンスが広がっていくのですが、今回アダイウトン選手はガブリエウ選手にうまく封じ込まれていた印象がありましたね。そしてアダイウトン選手側に集中して相手の守備網が張り巡らされている状態だったので比較的手薄となる逆サイドの鳥海選手や飯田選手が攻撃面で存在感を示したかったのですが、横浜FCの組織的な守備の牙城を崩せませんでした。前半のシュート数はわずか1本と攻撃の有効打がほとんど出せなかったのは痛かったですね。
☆相手にボールを持たれる苦しい展開に
試合中横浜FCがボールを保持する機会が多く、パスを繋いでジリジリと攻めていくポゼッションスタイルのサッカーを展開。それに対抗するようにヴァンフォーレは守備を固めながら隙を見計らってカウンター攻撃を狙っていくスタイルで応戦。攻勢を仕掛ける横浜FCに対して守勢にまわるヴァンフォーレの試合の構図が出来上がっていました。それがベースとしてあったなかで、ヴァンフォーレはマクーラ選手のポストプレーからアダイウトン選手や鳥海選手が素早く仕掛けていく攻撃を狙っていたと思いますがマクーラ選手にうまく合わず、また攻撃の軸になっていたポイントを相手に封じ込まれてしまったのでせっかく攻守が切り替わってもロングボールを相手にすぐに回収されて再び守勢にまわる展開になってしまいましたね。またセカンドボールが拾えなかったのもボディブローのようにジワジワと効いてきたポイントで、相手のユーリ・ララ選手と井上選手のボランチの強度が目立っていたのも特徴的でした。ヴァンフォーレは林田選手やヘナトアウグスト選手らが絡む粘り強いディフェンスはできていたものの、自陣や後方でパスをまわす機会が多く素早く攻撃に切り替えられなかったことが苦しい展開になった要因だったように思います。
☆終盤に被弾
懸命に守りながらスコアレスで進んでいたこの試合のヴァンフォーレ。しかし終盤の時間帯でその均衡が破られる機会が訪れます。後半38分、セットプレーのチャンスを獲得した横浜FCは福森選手の左足で蹴ったCKのボールをゴール前でカプリーニ選手がヘディング。このシュートはファーサイドに流れていきますが、そこに詰めていたガブリエウ選手が頭で押し込み得点。懸命に耐えていたヴァンフォーレでしたが、与えたくなかった先制点を終盤の時間帯に奪われてしまいます。このシーンは福森選手の精度の高い左足のキックがゴール中央に飛んでいき、競り負けて先にカプリーニ選手にボールに触られたことが良くなかったですね。CKのボールを一度フリックするとその時点で守備陣が反応することが難しくなります。押し込んだガブリエウ選手の反応も素晴らしかったのですが、その前のゴール前に飛んできた時点でなんとかボールに触ってクリアしたかったですね。この1点が重くのしかかり、最後まで巻き返しを図れずに試合終了。0対1で敗れてしまいました。
☆敗因は?
この試合ヴァンフォーレが敗れた個人的に考える敗因としてスタートのメンバー編成に問題があったように思います。先ほども言ったようにヴァンフォーレはこの試合を臨むにあたって2つの新しい試みに挑戦しようとしていました。それは村上選手の左ウイングバック抜擢とマクーラ選手の先発起用。村上選手は同サイドに位置する攻撃性の高いアダイウトン選手との兼ね合いもあり、自分が積極的に仕掛けていくというよりはポジションのバランスを考えて彼をフォローするプレーに徹していた感がありましたが、マクーラ選手に関してはチームで連動して動くことが少なく常にトップに張ってポジショニングをとっていたために孤立気味に。横浜FCのンドカ・ボニフェイス選手を中心とするチャレンジ&カバーの複数人での守備にも苦しめられました。試合中はマクーラ選手が孤立しアダイウトン選手がガブリエウ選手に封じ込まれたことで全く攻撃の起点が作れず。前でボールをキープできないため、鳥海選手も前方に上がっていくことができずに良い攻撃の循環ができませんでしたね。そしてその影響はMFからDFのポジションまでまわっていき、好機に前に出せない選手は縦パスを諦めて横パスやバックパスを選択することが多くなり自陣でのパス回しが格段に増えていったのは、チームのリズムを崩す元凶となりました。それとこれまでのリーグ戦でのメンバーをルヴァンカップ要員にまわし、中3日間隔で鹿児島→川崎(アウェー)→川崎(ホーム)の3試合を戦っているので、たとえ通常の1週間の試合間隔に戻っても連続起用による蓄積疲労などのコンディション面の不安があったと思います。個人的にはルヴァンカップのどちらか1試合でもメンバーを大幅に入れ替える策を取っていたら選手たちはよりリフレッシュした気持ちで今回の試合に臨めたと思います。大一番に新しい起用法をせざるを得なかった大塚監督の選手起用におけるマネジメント力が今回は不発だったと言えるでしょうね。
またセカンドボールが拾えなかったことも試合をうまく運べなかった要因だと思います。ヴァンフォーレは3-4-2-1を基本のフォーメーションとして戦っていますが、ディフェンスラインを高めに保ちながら前に奪いに行くスタイルを採用。下位チームが相手なら3枚の前線でのチェイスを軸にした組織的なプレスが効果的に働いて連動してボールを引っ掛けることが見込めますが、ここ最近の鹿島や川崎&今回の横浜FCのような強豪クラブが相手だとプレッシャーを受けても自信を持ってパスを回し巧みに前からの組織的プレスをかい潜れる術を備えているので、その後に浅いディフェンスラインの裏を突かれやすくなります。そのような状態が続くと最終ラインは怖くて下がってしまうため前に行けない状態に。そうなると陣形が間延びして中盤にスペースが空くのでセカンドボールを拾えなくなります。中盤のこぼれ球に反応しにくくなったことが攻守の切り替えが機能せずに防戦一方になった要因の一つだと思うので、これからは前線でのプレスのさらなる強化と恐怖に打ち勝ってなるべく前に向かっていくディフェンスを継続しコンパクトな陣形を攻守においてキープできるようにしたいですね。
…この敗戦により今シーズンのヴァンフォーレの成績は、10勝8分け12敗の勝ち点38で順位は13位となっています。他と試合数が1試合少ないので、9月25日に行われる第30節熊本戦で勝利できれば今の位置からさらに勝ち点3が加算され、プレーオフ入りを狙う7クラブの集団の尻尾を掴むことができます。残り8戦でJ1昇格プレーオフに参加できる6位山口との勝ち点差は ‘9’ と依然厳しい状況は変わりませんが、残りの試合一戦一戦勝利していく気持ちを保ってそれを成し遂げた上で最後は神様を信じたいですね。希望を捨てずに頑張りましょう!
【横浜FC×ヴァンフォーレ甲府|ハイライト】2024明治安田J2リーグ第31節|2024シーズン|Jリーグ