小平の下川良太主将は感慨深げにつぶやいた。二〇〇五年と〇九年夏に西大会ベスト4まで進んだ都立の伝統校だが、昨秋と今春の都大会は初戦敗退。公式戦で1勝もできないまま臨んだ今大会だった。
春の大会後「チーム一丸」を掲げた。学年別だったキャッチボールなどを合同で行い、下級生にもどんどん意見を言ってもらった。一方で、直してほし いことは一対一で向き合って伝えるなど、主将として細やかな配慮を心掛けた。「技術が足りない分、コミュニケーションが必要と思った」。少しずつチーム ワークが育ち、練習試合でも粘り強さが出てきた。
六月ごろから調子を上げてきた福井 丈史、吹春哲兵両投手の力投と、ここぞの場面 で単打をつないでいく打線。西大会ではベスト8以上でないと出られ ない神宮球場までたどり着いた。この日も再三、守備で連係プレーを決め、中盤 は点を与えなかった。味方の攻撃では、学年 問わず声がよく出た。
「神宮でも1勝したかった」と悔しさを口にする下川主将だが「ついてきてくれた仲間に、ただただ感謝です」と話す。 (林朋実)