今年もアイドル楽曲大賞2022に投票した。

 

■メジャー楽曲部門

3.0 キリグニア / CYNHN
3.0 夢の中に連れてって / 東京女子流

1.5 ウォータープルーフ・ナイト / フィロソフィーのダンス

1.5 マッシュ・ド・アート / わーすた

1.0 Spinning World / Perfume


■インディーズ楽曲部門

3.0 微熱ソーダ / みいらみさと
2.0 Y / 内山結愛

2.0 セピア色メモリー / YORUWAKOREKARA

1.5 Electric Love / jubilee jubilee
1.5 Future Lights / 透明写真

次点 04 / WT☆Egret

次点 waving  / Ringwanderung
 

■アルバム部門

3.0  ノクターナル / 東京女子流

1.5  甘い海 / みいらみさと

1.5 04 / WT☆Egret

 

■推し箱部門

透明写真

 

上期分の楽曲大賞は「アイドル楽曲大賞2022(上半期)を選んでみた」のブログで書いたので、下半期で良かった楽曲をまとめた。

◆2022年(下半期)インディーズアイドル楽曲編

 

微熱ソーダ / みいらみさと

 

3人組アイドルグループ「ゑんら」のメンバーみいらみさとさんが7月にソロアルバム「甘い海」をリリース。このソロアルバムの出来が素晴らしい。

なんといってもお気に入りは3曲目に収録されている「微熱ソーダ」。

だいたいソーダとかクリームソーダとかがタイトルに入っている楽曲は間違いなく可愛いポップ曲と相場がきまっている(ざっくり)。

そして微熱という温度感がなんともいい。情熱とか燃えるような想いとかそういうのは令和時代には暑苦しすぎる。

微熱...いいよね。そう、ぬるめの燗くらいがちょうどいいのだ(それは八代亜紀。そして古すぎる)。

みいらさんのほどよく力を抜いた声もこの曲にあっているし、アレンジも懲りすぎず平凡すぎず自然体なところが好きすぎる。

何回聴いても聞き飽きない魅力にあふれた一押し楽曲。

アルバム4曲目の「スペキュラティブ」も好き。

いずれもアーバンギャルドのおおくぼけいが作詞作曲。こんな繊細な楽曲を作れる方だったんだ。初めて知った。

 

Electric Love / jubilee jubilee

 

昨年発売のEP「虹色ガーランド」でその魅力にすっかりはまってしまったjubilee jubileeさん。タイトルから予想できる通りのエレクトロポップスを8月にリリース。

Aメロ~Bメロはゆったりとした進行なのだが、Bメロ終わりの「全部全部まとめて届いて」で2人の声が重なってからのサビへのつながりがたまらんとです。

歌詞もアレンジもがあまりにもベタなんだが(失礼!)、あいかちゃん・うめかちゃんの可愛さで違和感なく受け入れられるので全然オッケー。

Perfume「ポリリズム」で初めてテクノポップなる音楽に遭遇してはや15年。カワイイとカッコイイの共存は正義だとあらためて再認識。

 

Future Lights / 透明写真

紹介できる公式動画も音源もないのだが、11月19日発売のミニアルバム「Future Lights」はいい!どれもキャッチーだし踊れるし楽しい気分になる!

楽曲はいいし、メンバーもカワユいし、ダンスも特徴的でかっこいいし、いいとこずくめなんだが、もう少し売り方を工夫してもらえると、より多くの人に届くんだがな~(悲しい)。

 

waving  / Ringwanderung

 

昨年発売のアルバム「synchronism」が超絶すばらしすぎて、昨年のアイドル楽曲大賞のアルバム部門では自分は1位に投票したリンワンさん。

今年もめっちゃいい曲を出してくれて嬉しすぎる。

決して派手さはないんだが、なんかもう聴いていて楽しくならないっすか?いやぜったい楽しくなるやつだよね。サビの振り付けもヲタクにも分かりやすくていい。

そしてリンワンさんの魅力といえば5人のメンバーの声質の違い。このwavingもその声質の違いの魅力を1曲の中にぎゅっと詰め込んだ濃密な楽曲。1粒で5度おいしい。

 

アイドルライフスターターパック / iLiFE!

 

コロナ渦で声を出すことが悪とされる世の中になって2年。

青春時代のキラキラした期間をコロナ渦で過ごすことになってしまった若者は本当に気の毒としかいいようがないし、その状況を積極的に解決しようとしない大人達には苛立ちしか感じないのだが、この曲はそんな閉塞感を打破する魅力にあふれた一曲。

声出しすることを前提に作られた楽曲だから、きっと批判もでるだろう。

けど意味なく騒いだり大声を出したり時代の流れに反抗したりするのは、いつの時代でも若者の特権。

将来に希望を見つけられずに自ら終わりを選択してしまったり、解決方法が見つけられずに意味なく他人を傷つけたりするのに比べれば、ライブハウスで大声を出し共に踊るなんて、なんて健全なのだろう。

(この曲の感想で何を語っているんだ俺...)

それにしても、あいすちゃん可愛すぎてツラい。

 

passion / 宇佐蔵べに

 

あヴぁんだんど、APOKALIPPPSなどのアイドルメンバーとして活動しつつプロデュースも手掛けるなど多彩な活動をしている宇佐蔵べにさんが、ソロとして初となるシングル「passion」をリリース。

自身で作詞を担当し、作編曲はやはりソロで活動を続けていた加納エミリさんが手掛けている。

加納エミリ推しの自分としては、他のアイドルさんへの楽曲提供でもよいので、加納さんのちょっとノスタルジックな気分にさせてくれる楽曲が聴けるのは嬉しい限り。

この「passion」もあくまでポップでありつつも、どこか哀愁をまとわせたメロディーが切ない。

アイドル楽曲大賞のノミネート外となってしまったが11月23日発売のミニアルバム「NEW」も素晴らしい出来栄え。「open mind」や「keep on」もいいし、加納エミリさんが歌唱参加しているRemix版「passion」もいい。


半熟 / 馬武萌水

 

関西を中心に活動するセルフプロデュースアイドル馬武萌水さん。

正直、ツイッターのフォロワー数も2,000人ちょっとだし、この曲以外のYoutube再生回数は1,000回超えてないのばかりだし、まあいわゆる典型的な地下アイドルさんなわけだが、このYoutube動画再生回数だけはなぜか10,000回を突破している。

聴けば納得、これが非常によい。

なんということはない日常を切り取った歌詞ながら、閉塞感やモヤモヤ感といった感情を切ないメロディーにのせてうまく表現。これはたくさんの人に聴いてほしい。

この感じの楽曲でもう一曲欲しいところ。

 

間に合わない / 鳥 very bird

 

関西を中心に活動する2人組アイドルユニット「鳥 very bird」が、初EPである「焼き鳥」を2月にリリース。その5曲目の「間に合わない」がとてもよい。

思わず手をたたきたくなってしまう軽快なリズム感が耳に心地いい。ちょっと舌足らずなボーカルとバックコーラスの対比も絶妙。

プロデュースはアイドルグループ「くぴぽ」を手掛ける「まきちゃん」こと服部真希。ユニット名にしてもEPタイトルにしてもヒヨコをモチーフにしたような黄色い衣装にしても、ネタでやっているとしか思えない感じなのだが、それをことごとく裏切る楽曲の良さがすばらしい。ギャップ萌え。

 

uragaeshi / ILIE

 

アイドルグループLADYBABYの元メンバー金子理江ことILIEさんが、7月に1stアルバム「uragaeshi」をリリース。「uragaeshi」はその表題曲だ。

ekomsのサクライケンタ氏が全面プロデュースし全曲の作詞作曲編曲を担当しているのだが、ブクガ推しだった自分からすると正直複雑な気持ちだ。

なぜならこの曲は本来ブクガが歌っているはずの曲。思い出すなと言われても、どうしてもブクガの影を追ってしまうのだ。

ただサクライ氏がILIEさんに過去これまでに提供していた楽曲を聴くと「あえてブクガに寄せない」ような楽曲づくりをしているように思えていて(あくまで個人の主観だが)、やはりブクガとは違う路線でいくんだろうな~と漠然と思っていたのだが、この「uragaeshi」ではいわゆるサクライ節をこれでもかというほど詰め込んだ、100%ブクガ成分でできた楽曲になっている。

きっとサクライ氏はこういう曲を作りたくてうずうずしてたんではないだろうか(あくまで個人の主観)。やっぱりこういう曲を作っているサクライ氏が一番生き生きとしている気がするので、もうブクガのことは気にせずに作りたい曲を自由に作ってほしいなと。

ただ残念ながらILIEとしての活動は今年の11月をもって活動休止。

次にサクライ氏が書く変態曲(失礼!)を歌ってくれるアイドルさんに期待。


ペーパームーン / REBEL REBEL

 

Electro Funky Soundをコンセプトに2020年に結成されたREBEL REBELさん。これまでまったく知らなかったのだが、自分はこの曲を初めて聴いて刺さった。

フラットなボーカルにのっかる透明感のある楽曲アレンジがとてもいい。

 

See you ... / MAGICAL SPEC

 

※See you ...は、3分20秒頃から。

2021年に結成された福岡発のアイドルグループMAGICAL SPECが、今年4月に2枚のミニアルバム「Specialnova」「kimberlite」を同時リリース。これがなかなかの出色の出来栄え。九州にまた楽曲派アイドルが爆誕してしまった。

自分のお気に入りは「kimberlite」に収録の「See you ...」。

気になって調べてみたら、GALETTeや九州女子翼でおなじみ筑田浩志氏の作詞・作曲・編曲。それはよいはずだわ~と納得。

 

愛の衛星 / yumegiwa last girl

 

ユレルランドスケープやBuddha TOKYOなどのアイドルグループを有する音楽レーベル「最南端トラックス」所属の6人組アイドルグループ。

最南端トラックスさんは音楽性に一癖も二癖もあるアイドルグループを作るよね。

この「愛の衛星」もアイドル曲としてはあまりにもアダルトでメロウ。雑多な世間から意識を隔絶し自分の世界に浸りたい夜に聴きたい一曲。


NONSENSE WARP / ダダダムズ

 

2022年1月にTRASH-UP!! RECORDSへの所属とダダダムズへの改名を行った新しいアイドルグループ。ギュウ農フェスでたまたま聴いたこの曲がとても良かったので、後から調べてみたら「NONSENSE WARP」と判明。

曲前半のラップパートからの開放感あるサビのメロディーラインが気持ちいい。

 

WAVY BABY / ジョナゴールド

 

RINGOMUSUME卒業後、シングル曲をばんばん出しまくり精力的なソロ活動を続けている通称Jことジョナゴールドさん。

自分のお好みはこの「WAVY BABY」。

シティーポップなアレンジに軽快なリズム。そこにのるJさんのきれいな高音。

RINGOMUSUME時代から歌姫として活躍しているだけに、純粋に曲の魅力に没入できる安心感がある。今後はアイドルとしてではなくアーティストとして世間一般にも受け入れられると嬉しいなと。

 

Sweetest Revolution / CIRGO GRINCO

 

フィロソフィーのダンスで新しい女性アイドルの形を作り出した加茂Pが、今年の4月に新たな女性アイドルグループ「CIRGO GRINCO」を立ち上げ。

加茂Pが「様々なジャンルやシーンをシームレスに横断出来る音楽性を持つガールズ・グループを作りたい」とコメントしている通り、全世代に届く音楽性が魅力的。

音楽性は一切追求しない代わりにカワイイ娘を並べて大きな集客力を得る地上アイドルと、音楽性を追求する代わりに閉鎖的なムラの中だけでしか楽しめない地下アイドル。そこにはあまりにも超えられない壁が存在してしまっているが、いつかその壁を加茂Pがガツンと壊してくれるのを期待したい。

 

曖昧、愛 / 翡翠キセキ

 

2022年7月にメンバーがごっそりと入れ替わり5人組アイドルグループとして心機一転スタートした翡翠キセキさん。この曲で初めて知ったのだが、古き良きハロプロ楽曲を令和に持ってきたような懐かしさ。ライブで体感したら楽しそう。

 

ホントの自分 / KOMAGOME

 

吉本興業に所属する2人組アイドルユニット。2010年から「こまごめピペット」として活動を開始し、今年の4月に「KOMAGOME」にユニット名を変更。

お笑いなのかアイドルなのかよく分からないのだが、見ての通りダンススキルが超絶すごい。こんなユニットがあったなんて今まで知らなかった。

今年に入ってからはダンスチューン「ホントの自分」や一度聴き始めたらとまらない中毒曲「やっぱそれなー」を続けてリリース。勢いがとまらない。

 

TUNED! / さよならステイチューン

 

ディアステージ所属の5人組アイドル。まったく存在知らなかったんだが、楽曲派ヲタクな方が作成されていたSpotifyリストに入っているのを聴いて、なんかいい曲だな~と思って確認してみたら宮野弦士氏の作曲。相変わらずいい曲作るよな~。

 

Look at me / 疾走クレヨン

 

Task have funの妹グループとして今年6月に結成されたばかりの6人組アイドルグループ「疾走クレヨン」。その初楽曲がこの「Look at me」。

新しいのになぜか80年代っぽさを感じる楽曲がオジサンに刺さる。

この曲なんかどこかで聴いたことあるような気がするな~と気になっていたのだが、Youtubeのコメント欄に「Take On Me / a-ha」と書かれていて納得。

思春期に聴いていた曲がその人の一生の曲の好みを決めるとか言われるけど、この曲を聴いて改めてそう思う。こういうの好きっす。この路線でいってほしいな。

 

◆2022年(下半期)メジャーアイドル楽曲編

 

キリグニア / CYNHN
 

今年5月に新メンバー広瀬みのりさんを加え5人体制となったCYNHNの10枚目のシングル曲。

ここ数年はアイドル楽曲大賞の常連として毎年ランキング上位にシングル曲を送り込んできているCYNHNさん。

ただ自分にはあまり曲が刺さらず、「歌うまいし可愛いんだけどな~なんか刺さらんな~」といった感じでこれまでなんとなく傍観していたのだが、ようやく10枚目のシングル曲で自分に刺さる曲が来た。はい、これはいい。

歌い上げるようなパートもあり、繊細で聴かせるパートもあり、CYNHNメンバーの個性的な声の魅力を十二分に堪能できる。またもう一回と聴きたくなる一曲。

今年のアイドル楽曲大賞の最有力曲。

夢の中に連れてって / 東京女子流

 

 

東京女子流さんが今年の8月に6枚目のアルバム「ノクターナル」を発売。なんと約7年ぶりとなるオリジナルアルバムになるというから驚きだ。

そしてこの「ノクターナル」の完成度がハンパなく高い。

昨年のアイドル楽曲大賞で8位に入った「ストロベリーフロート」を含む全13曲を収録。どの曲もどの曲もイイ!。これは名盤っす。

2曲目の「Viva La 恋心」は都会的で洗練された聴かせる名曲。アイドル楽曲大賞で上位にくるのはこの曲で間違いない。

5曲目の「コーナーカット・メモリーズ」は楽しさ満載なダンサブルナンバー。

つづく6曲目の「夢の中に連れてって」は初めて聴いた時にはぜんぜん刺さらなかったのにこうしてアルバムの真ん中にはいると、洗練されたメロディーに真夜中の静謐な空気感を感じられて素敵すぎる。自分はこの曲を楽曲大賞に投票。

そして10曲目の「フライデーナイト」も再びバリバリなダンスナンバー。無条件に踊りたくなるやつ。

みんなが求めていた強い女子流さん、ここに降臨だ。

 

マッシュ・ド・アート / わーすた

 

わーすたももう8年目とかなんですね。もちろんグループ名だけは知っていたのだが、自分は「リア充してそう」という感じのメジャー系のアイドルグループに興味がないので、これまでも完全スルーしていたのだが、この曲はいい。

作曲者の田中秀和氏は、ゲーム「アイドルマスターシンデレラガールズ」やアニメ「アイカツ!」などの楽曲を手掛けるイマドキの作曲家。

ハイレベルなものを常に要求するアニヲタを満足させ続けるのはほんとうに大変なはずなので、そういう世界で生き残ってこれた田中氏の楽曲は洗練されていてかつ個性的で耳に残る。この曲も今すぐにでも音楽リズムゲームに仕立て上げられそうなキャチーでポップ感満載な楽しい楽曲だ。

ただ残念ながら、田中秀和氏が今年の10月に強制わいせつ未遂で逮捕されるという衝撃のニュースが...。惜しい、惜しすぎる。

二次元アイドルから三次元アイドルへの逆輸入(?)な楽曲提供がとても刺激的だっただけに、こんなことで水を差されてしまったのが悔しい。

 

Spinning World / Perfume

 

自分を女性アイドルヲタクへの道にいざなったのは間違いなくPerfumeさんなのだが、一般大衆化してしまったPerfumeにときめかなくなってしまってずいぶんと年月が経ってしまった。

でもやっぱり中田ヤスタカ氏が作る音は、他と比べるとやっぱり一味違う。

なんていうんだろう。一音一音がシンプルでクリアで、それらが重なりあっても決して交じり合わないんだよな。相変わらずいい音作るよ、ヤスタカは。

ひさびさに自分の中のPerfumeらしさ全開の良曲。こういう音を求めてたんすよ。

 

◆2022年(下半期)なんか気になった楽曲編

アイドルさんではないが今年気になった楽曲を紹介。

 

ソーダポップ / トナリノサティ

 

嘴音杏さんの囁くようなボーカルに、婦人俱楽部などにも楽曲参加している荒井亮介さんのフルートがとにかく癒される。

歌詞のかわゆさ、メロディーの軽快さ、すべてが心地よい。

音のマイナスイオンを浴びたい方にお勧め。

 

QUESTION / シロクロミーアキャット

 

AYAKAとSUGIYAMAの2⼈組POPSユニット。クールなアレンジに絡みつくようなAYAKAさんの粘っこいボーカルがカッコいい。聴くだけで自分自身が映画の主人公になったような錯覚に陥る。自己肯定感を保ち続けたい方にお勧め。

 

都会の森 / CHiLi GiRL

 

三味線奏者でありシンガーソングライターの川嶋志乃舞さんのソロプロジェクトCHiLi Girlが、今年6月にアルバム「MEBAE」をリリース。その1曲目がこの「都会の森」。

爽やかなシティポップサウンドに、スパイスのように散りばめられる三味線の乾いた音がとても楽しい。伸びやかな川嶋さんのボーカルも魅力的。

まさに森の中にいるような心地よさを感じられる一曲。

 

以上。