早いもので、もう2018年6月。
 もうすぐ1年の半分が終わる。
 

 年末になると注目されはじめる「アイドル楽曲大賞」だが、既に半年過ぎた時点で素晴らしいアイドル楽曲がたくさん公開されていて、「年末はきっと楽曲大賞を選ぶのがつらいだろうな~」という嬉しい状況だ。
 気は早いながらも、2018年上期時点で、俺なりの「アイドル楽曲大賞2018」候補曲を選んでみた。
 ちなみに2018年の楽曲と言いつつも、「アイドル楽曲大賞」のノミネート対象にならい、2017年12月以降にリリースされた楽曲を対象に選曲した。


nuance(ヌュアンス) / ミライサーカス

 


 今年のお正月に、突然わたしの目の前に現れた横浜発の4人組アイドル「ヌュアンス」。
 言葉は悪いが、まさか、横浜ローカルアイドルに、ここまでハマるとは思わなかった。
 今年の1月以降、ヌュアンス現場に足を運ぶようになり、ずぶずぶとヌュアンス沼にハマり、わたしの今年のブログ記事のほとんどはヌュアンスが占めることになってしまった。

 「わたしはミライサーカスのライオンです」というセリフから始まるこの楽曲。
 その後、歌うメンバーとサーカス従業員である動物を変えながら続くセリフパート。
 Bメロ転調で徐々に盛り上がっていく高揚感。

 そこからサビのメロディーに突入しての解放感。

 「ミライサーカス」を連呼するサビの中毒性は、一度聴いたら耳に残って離れない。
 

 「人工知能」「ホログラム」「レプリケータ」などといった最先端キーワードとテクノサウンドで近未来感を演出しながらも、「サーカス」という単語から近代ヨーロッパの仄暗い怪しさやファンタジー世界観をも感じさせる独創的な楽曲。

 音楽はまったくのド素人だけれども、一つ一つの楽器(音色)の周波数帯がキレイに分離されていて、どれも埋もれることなく耳に届いてくるのが飽きのこない理由のような気がする。複雑なのにシンプル。シンプルなのに多様。


 一方でダンスに目を向けても、その独自性には目を見張る。
 楽曲の最初と最後で、メンバーが白い椅子に乗って踊るという、今までありそうでなかった演出。
 高低差を使った空間の広がりは、まるで天井の高いサーカステントの空間の広がりを感じさせるかのようだ。
 アイドルによるテクノサウンドは、どんなに趣向を変えてもPerfume「ポリリズム」の二番煎じと言われてしまうが、私にとっての「ミライサーカス」は「ポリリズム」に匹敵するほどのオリジナリティー溢れる楽曲。

 一度聴いたら人を虜にしてしまうその様は、まさにサーカスそのもの。
 2017年12月にリリースされた曲だが、わたしが選ぶ楽曲大賞2018の1位は、間違いなくこの曲になるに違いない。

 

 楽曲だけでなく、振り付けも観たい方は、こちらのライブ動画から (22:58頃~)。

 

 

 ちなみに、6月27日(水)には、2組のバンドセットを入れたO-WESTでのワンマンライブが開催される。まだ世間に認知されていない今このタイミングだからこそ、絶対見ておくべきライブ。ワンマンライブチケットは、こちらのeplusサイトから。

 


AH(嗚呼) / とっておきの裏切り

 

 

 関西を中心に活動している2人組アイドル。
 このアイドルさんも今年になって初めて知る。
 旅館の女将をしつつ自身で作詞作曲して、さらに自ら歌い踊ってしまう万能アイドル「りりかる*ことぱぉ」と、介護施設の管理者をしつつ振付を担当する「Suzu」という異色の経歴の持ち主。

 これだけでも十分にインパクトがあるが、「とっておきの裏切り」を聴いたときもまたインパクト十分だった。
 もうこれはアイドルではないよ。
 メロウな和音を奏でるキーボードと切ないギターの音色が、刹那的で退廃的な都会感を醸し出す。意味深な歌詞もよい。
 というか、こんな曲を作詞・作曲してしまう「りりかる*ことぱぉ」さんの才能がすごすぎる。
 声質も、毒気を抜いた椎名林檎さんのようで、甘すぎず辛すぎずな好きな声。
 素直に「この曲売れてほしい」と思わせるカッコよさ満載な一曲。

 

 そして最近では、ことぱぉさんの旅館に「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」の撮影で出川哲朗が訪れるという奇跡のような偶然も引き当て、運も味方につけた今まさに登り調子のユニット。目が離せない。

 

 

 

RYUTist / 青空シグナル
 

 

 RYUTistさんが元Cymbalsの沖井礼二さんを迎えて楽曲を出すと訊いた時は、「まあ、どうせたいしたことないでしょ」とタカをくくっていた。

 しかし、実際に曲を聴いてみたら、あまりの良さにジャンピング土下座だった。

 もう大変失礼致しました。

 良曲ありがとうございます。素晴らしいです。
 

 疾走感のあるサビも大好きなのだが、むぅたんの透明感溢れる声で歌われるAメロが素敵だ。思春期特有の焦燥感や不安感を感じさせるメロディーが心を揺さぶる。

 何度聞いても飽きがこない。

 そしてリピートが止まらない。

 ikkubaruが作編曲を担当したカップリング曲「無重力ファンタジア」も秀逸。これぞ、ザ・シティーポップ。囁くような歌声が心地よい。夏の終わりの夕暮れ時に聴きたい一曲。
 ちなみに、青空シグナルMVのともちぃは可愛いすぎて心をぶち抜かれるので閲覧注意。


東京女子流 / kissはあげない
 

 

 1月1日に新クリエイティブを発表した東京女子流。
 この曲は「ラストロマンス」に続く第2弾として発表。
 作曲はなんと、フィロソフィーのダンスの作編曲者である宮野弦士氏。


 動画で初めて聴いたときは「なんかぱっとしないな~」「インパクト弱いんじゃねぇ」「サビ始まりにしたほうが良かったかもね」などと素人のくせにいっぱしの口を聞いていたのだが、6月5日のTパレ主催ライブでの女子流さんのパフォーマンスを生で観て評価一変。

 少女の持つ清純さと、背伸びをして大人になろうとする妖艶さの混ざり合った、まさに今の女子流でなければ表現できない曲。
 

 今まで、あまり気にならなかったのに、急に好きが止まらなくなる気持ち。
 今まで友達と思っていたのに、幼馴染に急に異性を感じてしまった瞬間のような気持ち。

 (なんだそれ、わかりにくい)

 そんな不思議な魅力を持つ曲だ。

 

 いやはやファンクに限らず、様々なジャンルの曲を提供できる宮野氏はすごいなと。
 「お姫様」と「毒」、「隠」と「陽」などいったキーワードで独自の世界観を出そうとしている女子流。その魅力は、やはりライブを見ないと伝わらない。
 女子流さんは再び武道館を目指しているようだけど、もういいんじゃないかな。ユニットとして存在できなくなるのは困るけど、今のままライブを中心に長く続けていく方向性で進められないかな。 


脇田もなり / TAKE IT LUCKY!!!!

 

 

 これまでも数々のスマッシュヒットを出してきた脇田もなりさんだが、今年もまたポップで軽快な曲をリリース。
 脇田もなりさんの魅力はなんといっても、雑味のないストレートな歌声。その伸びのある声が、夏の日差しのようなキラキラ感をこの曲に与えていることは間違いない。
 アイドル楽曲の中に含めてよいのかどうかわからないが、元アイドルであることは確かなのでアイドル楽曲ということで。
 元Especiaメンバーでは、冨永遥香さんも「HALLCA」名義で楽曲を5/31にリリース。

 こちらも注目だ。


SOLEIL / 魔法を信じる?

 

 

 1960年代をターゲットに、オジサマたちが(恐らく)自分たちの趣味趣向(?)だけで作ったと思われるバンド「SOLEIL」。
 わたしはまだ40代だが、50代~60代のオジサマたちにはドンピシャな楽曲だろう。
 1960年代グループサウンドに、14歳の少女のちょっと舌足らずなボーカル。

 こだわりのモノラルサウンド。
 これはずるい。
 何かの研究結果で、思春期(14歳頃だったか?)に聴いた音楽が、その人の好きな音楽性を一生、決めてしまうときいたことがある。これからの超高齢化社会、60年代・70年代・80年代と、青春時代を過ごしたそれぞれの世代に合わせた楽曲やアイドルが、どんどん作られていく気がするし、ぜひそうなってほしい。
 SOLEILは、そんな60年代趣向アイドルのトップランナー。
 オジサマたちが飽きずに楽曲を作り続けてくれることに期待。


フィロソフィーのダンス / ラブ・バリエーション

 ラブ・バリエーション(short version) - Soundcloud


 宮野弦士氏の作編曲を中心に、一貫して良質ファンクな楽曲を提供し続けているフィロのス。
 6月の単独東名阪ツアーも、あっという間にチケットはソールドアウト。

 楽曲派アイドルとして、今、もっとも注目度が高い4人組だ。
 ダンス・ファウンダーがあまりにも良曲過ぎたので、どうしてもそれ以降にリリースされた曲が薄れてみえてしまうが、それでもなお、毎月出す曲がすべて毎回良曲というのは、本当にすごいこと。
 ラブ・バリエーションは、おとはすのBメロにはいる直前の「Don’t stop our Love」というコーラス(?)部分が特に好き。こういうメロディーはアイドル楽曲では、なかなかお目見えしないと思う。

 まだまだ年末に向けて新曲を提供し続けるであろうフィロのスさんの楽曲群から目が離せない。


WHY@DOLL / Show Me Your Smile

 

 

 T-Palette Records移籍後、3作目のシングル。
 これまでのシングル曲とは曲調を一変。ビッグバンドにのせたポップな楽曲。

 思わず体が横に揺れてしまう。
 この楽曲の上品さは、ほわどるさんの上品さがなければ成り立たない。

 Awesome City Club作詞作曲による新曲の「Sweet Viinegar」もよい。


sora tob sakana / Lightpool

 

 

 メジャーデビュー後、初リリースのミニアルバム収録曲。
 照井順政氏による変則的、前衛的な楽曲の魅力が、今回も爆発している。
 以前はどうしても「子供が大人に歌わされている感」が強くて(すみません悪意はないです)、受けいれられなかったのだが、メンバーの成長につれて、最近ようやく音楽にメンバーが追い付いてきた感じ。
 透明感のある歌声はそのままに、自信や力強さも兼ね備えてきたオサカナさん。
 7月には、TVアニメ「ハイスコアガール」のOP曲を担当することが決まっており、今後、アニメファンも味方につけて、より大きなグループへと成長するに違いない。


 次点として入れたいのは、次の2曲。
 
tipToe. / クリームソーダのゆううつ

 

 

 今年の2月にアイドルネッサンスが電撃解散したあと、白い服の似合う透明感のあるアイドルをみんな探し求めていたのだと思う。

 その受け皿になったのは主に「AIS」なのだと思うが、「tipToe.」もアイドルネッサンスのもつ儚さや透明感を持ったアイドルグループのひとつ。
 もう少しよい楽曲に恵まれれば、今の立ち位置から頭ひとつ抜け出せるのかも。

木村豆腐店 / 君は麻婆

 

 

 企画もののMVらしいが悪くない。こういうのキライじゃないよ。

 


 2018年下半期は、いよいよNegiccoさんの4thアルバムも発売される。アイカツ楽曲制作陣が携わったリード曲「キミはドリーム」も既に話題となっている。

 ヌュアンスさんのシングルやミニアルバムも発売が予定されているし、女子流さんもまだまだ続けて新曲を出してくるだろう。

 2018年残り半分も、素晴らしい楽曲に出会えそう。

 アイドルばんざい \( 'ω')/