$はぐれ獣医 純情派~異論!ワン論!Objection!~-titanファイテン製品によく記載されている「アクアチタン」を直訳すると「水溶性チタン」。つまり金属のチタンを水に溶かしたものということである。小生が「チタン」で知っていることは「軽い」ということだけである。大学生の頃は車を違法改造して暴走行為を繰り返していたが、運転代行などのバイト代を貯めて、スチールやステンレスより軽いチタンマフラーを購入して満足していたことを思い出す。

ファイテン製品の特殊な加工技術はトップシークレットになっており、コカ・コーラの成分を社員も誰も知らないのと同じで企業秘密となっているとか、そうでないとか…。

企業秘密にする理由は、
①インチキ商品だから真相が明らかになるとヤバイ
②特殊技術の漏洩防止

のどちらかだろう。

ファイテン側が主張するファイテン製品が“効果”を発揮するメカニズムは「チタンが乱れた生体電気を整えることによって、治癒力を高める」だとか・・・
個人的には「生体電気」と聞いた瞬間にインチキ商品の匂いがプンプンしてくる。
しかし、よく考えてみると、動物病院の手術室でも、麻酔をかけた動物の体のいたるところにセンサーをくっつけて、モニター画面に表示される心電図の波形を観察している。不整脈が出ると、確かに波形に異常が出ることを考えると、「生体電気は整っていた方が良い」というのもわかるような気もする。つまり、チタンネックレスが生体電気を整えるメカニズムは、医療系ドラマで心肺停止の患者を蘇生せるときに、「チャージします、離れて!」「ドッカン」なんてシーンに使うカウンターショックバリの効果があるってことだろうか? ファイテンに騙されているだけなのか?

ファイテンはジャーリーグベースボール機構(MLB機構)とMLBオーセンティックコレクションライセンス契約をしている。
難しい言葉が多くて理解し辛いが、まず「オーセンティック」とは“本物の・正真の”という意味である。例えば、「オーセンティックな暴走族」と言えば、気合の入った“本物の暴走族”ということになる。オーセンティックコレクションライセンスとは、メジャーリーグの選手がグラウンドで使用する各野球用品(グローブやスパイクなど)の中で、クオリティーがベストな商品(1商品1社のみ)に認定されるライセンスである。ちなみに現在認定されている企業は世界に10社だけで、唯一の日本企業がファイテンだとか…。つまり、簡単に説明すると、「ファイテンのネックレスはメジャーリーグの公式グッズとして認められた。」ということである。MLBはマーケティング戦略の一環としてファイテンにライセンスを与えたのか?やっぱりファイテンに騙されているだけなのか?

$はぐれ獣医 純情派~異論!ワン論!Objection!~-korea2WBCで苦しめられた韓国の主砲である金泰均(キム・テギュン)も確かファイテンネックレスをしていた。新型インフルエンザではないが、少なくとも野球界では“ファイテン・パンデミック”状態になりつつある。

ギャルがここまで読むと、「ってか、ファイテンって、よくわかんないけどぉ~、超やばくな~い?」となるだろう・・・
ただ、「なんとなく」ではなく「客観的な臨床指標に基づいた科学的根拠」が知りたい。

そろそろ命題でもある「ファイテン製品にエビデンスはあるのか?」をはっきりさせるため検索してみると、2009年8月にある論文が1報だけ報告されていた。
実証されたことは、「マウスにチタンを使うと、疲労回復が早まり、リラックス効果がある。」ということである。
つまり、命題の答えはズバリ、「マウスでのエビデンスはあるが、人(や犬・猫)でのエビデンスはない。」が正解である。

人でのエビデンスはないが、ファイテン製品は、主な症状である「使った人の高い満足」という“症状”が非常に強い“感染力”を持って人から人へ“口こみ”という感染方法で伝播しているのかもしれない…。

[参考文献]
Aoi W et al.2009.Life Sci. Aug 26;85(9-10):408-11. Relaxant effect of microtitan via regulation of autonomic nerve activity in mice.
[参考図書]
ファイテンの謎(魔法の首輪研究会)$はぐれ獣医 純情派~異論!ワン論!Objection!~-saa