F1モナコGPでF1マシンが、市街地を猛スピードで走り抜けるように、血液は体中を猛スピードで回っている。我々の体には、たとえ出血したとしても、あまりたいしたことなければ自動的に止まるシステムが標準的に“インストール”されている。従って、擦りむいて出血しても、しばらくすると血が固まり(血栓)、大量出血しないでOK牧場となる。
 トイレが詰ると「すっぽん」でシュポシュポすれば解決することが多いが、血栓が撤去されず血管内で詰まると大きな問題に発展してしまう。

エコノミークラス症候群のメカニズムembolus
長時間飛行機などの座席で同じ姿勢で座ったりして足を動かさないでいると、血液がドロロンえん魔くんとなって(粘性が上がって)しまい、足の血管に血の塊(血栓)ができて流れが悪くなり、その血栓が肺に飛ぶと呼吸困難に陥ってしまう。
医学的には静脈血栓塞栓症(≒深部静脈血栓症+肺血栓塞栓症)と呼ばれる病態である。

血液の流れを山手線に例えるとエコノミークラス症候群をイメージしやすくなる。心臓である東京駅を出発した血液は、新宿駅、上野駅を経由して東京駅に戻ってくる。足の血管に相当する新宿駅周辺で血栓が突然出来ると、その血栓が肺である上野駅にビュンに詰りを呼吸困難に陥る、違うかっ。

で、どうすればいいのか? ICHIRO
専門家の意見をまとめると、やはり「じっとしない」ことと「水分補給」がポイントとなる。
具体的には落ち着きがない人だと思われようが、機内では1~2時間毎にトイレへ行く。あるいは軽く屈伸運動をすることは最高だろう。屈伸運動が少し恥ずかしいという人は、「打席に入る前のイチローのモノマネしていい?」といってから屈伸するとユーモアセンスも評価され一石二鳥である。
また、アルコールやコーヒーなどの利尿作用がない水やイオン飲料、ジュースなどを補給(2ml×体重[kg]×フライト時間[h])することが推奨(日本宇宙航空環境医学会)されている。

その他機内では、長州小力のタイツやチビTのようなタイトな服装を避けることが推奨されており、ズボンのウエスト部分を極端に下げてパンツ丸出しにするルーズなスタイルの方がベターかもしれない。
「飛行機に搭乗する前に軽めに飲食をとると、エコノミークラス症候群を予防できるかもしれない」とオハイオ州立大学医療センターの研究チームが、米心臓病協会(AHA)で発表したとか…
個人的には貧乏ゆすりがエコノミークラス症候群の予防に効果的ではないかと考えている。また、機内食のメニューにオプションで納豆を検討してみてもいいのではないか?

宮城内陸地震で被災した避難所に、全国から納豆が届けられていたそうだ。航空機内と同様に長時間同じ姿勢でいることによって発生する血栓を予防してほしいと過去の震災を乗り越えた兵庫、新潟県などの納豆メーカーが「納豆でエコノミークラス症候群を予防して」と企画したとか…心打たれる話である。

市販の納豆商品名と納豆キナーゼ活性(NL活性/g)
水戸のおかめちゃん納豆 23.8
極小粒納豆 10.1
健康納豆 20.6
ひきわり 23.2
東京納豆パール 24.4
有機小粒100 21.3
ひるぜん納豆 19.9
元気印健康納豆 21.7
昆布ミネラル納豆 27.4
最上うまい納豆カップ3 20.9
ゴールド納豆 20.1
お城納豆とろ味 22.9
味小鉢極めつけカップ 19.9
お城納豆マミ 19.9
お城納豆ひきわり 24.9
最上納豆ゴールドA 20.4
有機仙台納豆 18.3
おてごろさん 17.8
だいちの小粒 20.9
わら 7.7
(New Food Industry 2006 Vol.48 No.7)

ワンコやニャンコにも納豆を食べさせたらどうだろうか?
血栓を作製した犬(ビーグル)に納豆キナーゼを投与した実験でも血栓が溶けることが確認されている。肥大型心筋症、蛋白漏出性腸症、免疫介在性溶血性貧血、脳梗塞、認知症など特に血栓の影響が懸念されているペットの病気の予防に毎日の納豆が効果的かもしれない…

<参考サイト>
航空医学研究センター
静脈血栓塞栓症の予防ガイドライン
JAL:深部静脈血栓症の予防対策
日本食品機能研究会

<参考文献>
Sumi H, Hamada H, Tsushima H, Mihara H, Muraki H.Experientia. 1987 Oct 15;43(10):1110-1. A novel fibrinolytic enzyme (nattokinase) in the vegetable cheese Natto; a typical and popular soybean food in the Japanese diet. Department of Physiology, Miyazaki Medical College, Japan.

Sumi H, Hamada H, Nakanishi K, Hiratani H.Acta Haematol. 1990;84(3):139-43. Enhancement of the fibrinolytic activity in plasma by oral administration of nattokinase. Department of Physiology, Miyazaki Medical College, Japan.
jhh