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まねき猫ホスピタル院長 獣医師・石井万寿美 ペットのいる暮らし

小動物臨床をしている獣医師です。書くことが好きで本も書いています。自分の勉強したことを伝えて、少しでも世の中に還元できれば、こんな嬉しいことはありません。

 

大型犬の中には、1歳や2歳で骨肉腫などのがんになる子がいます。

 

一方で、中型犬はシニア期に入ってからがんになるケースが多いです。

 

なぜ大型犬は早期にがんになりやすいのかについて、ナショナル ジオグラフィックが解説しています。詳細は以下のリンクからご覧ください。

 

参考記事: なぜ大型犬は早死にで、がんになりやすいのか — 動物全般と逆 | ナショナル ジオグラフィック日本版サイト (nikkeibp.co.jp)

 

記事によると、成長速度が原因だとされています。チワワとグレート・デーンの生まれたときの大きさは2倍程度しか違いませんが、1年も経つとチワワは約3キロ、グレート・デーンは約70キロになります。この急激な成長の過程で、遺伝子のコピーミスが起こりやすくなるのです。

 

参考引用: 「成犬のグレート・デーンは確かに大きいが、子犬は驚くほど小さい。『生まれたばかりの子犬は、どの犬種でもほとんど同じ大きさです』とウーファー氏は指摘しています。大きくても2倍ほどの差しかありません。」

成犬になると、例えばニューファンドランドは体重68キロにもなり、寿命は9~10年程度です。一方、体重3キロにも満たないチワワは14~16年生きることが多い。このため、大型犬は短期間で急激な成長を遂げる必要があり、その結果、がんのリスクが高くなるのです。

 

 

大型犬を飼っている方やこれから飼おうと考えている方には、このようなリスクがあることをぜひ知っておいてほしいです。

 

 

 

がん治療を受けている子の中には、痩せてくるケースが多く見られます。

中には、しっかり食べていても痩せてしまう子もいます。

 

食事療法を続けていると、体がアルカリ性に傾いてきても痩せていく場合があります。

 

そのような時におすすめしたいのが、オリーブオイルの活用です。

もちろん、与えすぎには注意が必要ですが、まずはティースプーン4分の1程度から、ウンチの様子を見ながら始めてください。

 

【オリーブオイルの特徴】

  • 酸化しにくく、傷みにくい
  • ポリフェノールが豊富
  • 抗酸化作用
  • 抗炎症作用
  • 抗がん作用
  • 特にポリフェノールが豊富で、大腸がんの抑制効果も期待されます

ただし、オリーブオイルは良いと聞いて過剰に与えると、下痢を引き起こす子もいるので、量には十分気をつけてくださいね。

 

参考文献は以下です。

 

 

 

 

 

 

 

2023年時点で犬の飼育頭数は約700万頭とされています。一方、日本の15歳未満の子どもの数は約1400万人です。

現在、犬の数は子どもの数のおよそ半分に達しています。日本には、こんなに多くの犬がいます。

 

そのため「犬のウンチはトイレに流したらダメなの?」という疑問がSNS上で話題になっていると、まいどなニュースは伝えています。

 

獣医師が解説「犬のウンチ」は公園のゴミ箱に捨ててもOK?(石井万寿美) - エキスパート - Yahoo!ニュース

 

昨日の記事は、少し専門的過ぎて多くの人に読んでもらえるか心配でした。

 

【胆のう炎・胆管炎】ずっとステロイド剤を使わないといけないの? #有機ゲルマニウム#胆管炎#胆管 | まねき猫ホスピタル院長 獣医師・石井万寿美 ペットのいる暮らし (ameblo.jp)


しかし、このブログの読者は意識が高く、おかげさまで人気記事にランクインしました。ありがとうございます。

 

私たちは、なるべくステロイド剤を使用しないように心がけています。もちろん、全く使わないわけではありません。

 

【なぜステロイド剤を使わないようにしているのか?】

  • 免疫力の低下:がんや感染症にかかりやすくなる
  • 肝臓への負担:肝機能が悪化しやすくなる
  • 体重増加:食欲が増え、脂肪が蓄積しやすくなる
  • 胃腸障害:胃炎や胃潰瘍を引き起こす可能性
  • 医原性の糖尿病:ステロイド使用による糖尿病発症リスク

【当院での治療】

  • 有機ゲルマニウム療法
  • 高濃度ビタミンC点滴
  • 再生医療

これらの治療法には抗炎症作用があり、ステロイド剤を使わずに改善することが多いです。

 

もふもふちゃんは、15年以上生きる子が増えてきています。飼い主さんが医学的に正しい知識を持てば、高齢期の病気を防ぐことが可能です。

 

情報弱者にならないためにも、しっかりと知識を身につけましょう。

 

 

私たちの動物病院には、慢性胆のう炎、胆管炎の子も来院しています。

 

多くの動物病院では、次の治療が一般的です。

  • ステロイド剤

  • 抗生剤

  • ウルソ
    肝臓でコレステロールの合成を抑え、胆汁中のコレステロールの量を減らし、胆石を溶解する効果があります。肝臓の機能を改善し、胆汁の分泌を促して流れを良くします。

  • スカパール
    胆道の緊張を緩め、胆汁や膵液の流れを改善する働きがあります。お腹(みぞおちや上腹部)の痛みや胃腸の症状を和らげる薬です。

このような治療が一般的ですが、飼い主さんの中には「ステロイド剤と抗生剤を一生飲まなければならない」と言われ、不安を感じて当院に来院されるケースもあります。

 

【当院での治療】

  • 有機ゲルマニウム療法
  • 高濃度ビタミンC点滴
  • アミノ酸の静脈点滴
  • 再生医療

これらの治療を行いながら、以下の対応もしています。

  • WBC(白血球数)や好中球の数を見ながら、抗生剤を中止
  • ステロイド剤を徐々に減量

あるワンコさまでは、

・GOT

・GPT

・ALP

・CRP

・好中球/リンパ球比

 

すべて高値でしたが、上記の治療を行った結果、抗生剤やステロイド剤を使わなくても正常値に戻りました。

 

ステロイド剤を完全に使わないわけではありませんが、できるだけ早めに中止し、他の治療を併用する選択肢もあります。

情報弱者にならないよう、このような治療法があることをぜひ知っておいてください。