【慢性下痢】は、本当にIBD、リンパ腫なのか? #IBD#慢性下痢#リンパ腫 | まねき猫ホスピタル院長 獣医師・石井万寿美 ペットのいる暮らし

まねき猫ホスピタル院長 獣医師・石井万寿美 ペットのいる暮らし

小動物臨床をしている獣医師です。書くことが好きで本も書いています。自分の勉強したことを伝えて、少しでも世の中に還元できれば、こんな嬉しいことはありません。

 

他府県から、犬ーがやってきました。

もう何年もウンチが安定しない、ということでした。

いいウンチをあまりしないと。

 

何軒もの動物病院を回られたそうです。

ご紹介で来院でした。

 

●私たちがしたこと

①過去の血液検査を送ってもらう。

②下痢パネルをされていたので、それを送ってもらう。

③いままでの治療された薬、注射を教えてもらう。

④いままでのサプリメントを教えてもらう。

 

これを来院前に送ってもらい、私たちは、何故、治らないのか? 推理小説を読む解くように、送らせてきたものから、考えました。

 

この場合、犯人は下痢の原因です。

 

 

飼い主さんは、

①IBD

②リンパ腫

などの疑いがあるので、内視鏡検査を進められて、その前に、私たちのところに来られたわけです。

 

●慢性下痢の腸内細菌叢

①下痢が続いているということは、腸内細菌叢がよくない状態

②腸内細菌叢には、善玉菌、日和見菌、悪玉菌がいて、この場合は悪玉菌が増えている。

 

これを慢性の子にいえることです。

もちろん、IBDやリンパ腫が絶対にないといえないけれど。

 

まずは、これを治療

 

●私たちの治療

①悪玉菌用の抗生剤の皮下点滴

  下痢などで、腸内細菌叢がよくないときに、抗生剤の内服はしない。

②腸まで、届く動物用善玉菌のサプリメント

 冷蔵で保管のもの。

③グレーインフリーの処方食

 

 

これだけしただけですが、この子の場合は(全部のもふもふちゃんを治せるわけではないです)、次の日から、いいウンチになりました。

(飼い主さんの斜面でウンチしたら、コロコロと転がる、って嬉しい、という内容のお知らせをいただき、それを読んで、泣きそうになりました。健康なウンチの子は、そんなこと辺り前なのにね。)

 

●飼い主さんに知って欲しいこと

 ①慢性下痢の子は、悪玉菌が増えているので、その対処の治療をしてもらっている。

 ②腸まで届く、善玉菌のサプリメントを。

 

これだか知識として知ってっもらうと、慢性下痢の子はかなり違ってくると思います。

医学、獣医師学は、進歩しています。飼い主さんが科学的な知識を持って、もふもふちゃんの病気を治してあげましようね。