ただいま | 祈るまえに、恋をして。

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2010年3月31日
わたしは会社を退社した。

退社日の朝
円満退社組のわたしは
朝礼という席で
営業フロアの真ん中に立ち
勤続期間中の感謝の気持ちを
のべていた。

業務の引き継ぎは終了しており
午後には各フロアの
スタッフを訪ね
いろいろな話をしながら
別れの時を迎えていた。

夕方17時も回れば
最後のメールをチェックし
PC内のすべてのデータを削除する。
そして総務部へ出向き
PCを、そして
社員証や社章を返却していた。

社員が動けるエリアから
ガラス戸で仕切られた廊下に
出てしまえば、わたしは
社員の集うフロアに
もう戻ることができない。

1年前、3月31日
わたしはそんな風にして
さほど涙を流すでもなく
明るく笑って、握手なんかもして
「じゃあね」と言って
18年間勤めた会社を後にした。

円満な幕引きに
心から安堵し、
感謝していた。
最後の送別会を終え
夜の銀座をひとり汐留に
向かって歩いた時
確かに季節は春に変わっていた
そんな夜。

そして1年後の今日
イタリアから帰国した。

退社したら
娘を連れて海外旅行をしよう。
どうせするなら
歴史の舞台を学ぶ旅にと
イタリアを選んでいた。

この旅の計画は
数カ月前から準備していたが
その途中では、渡航を迷ったりもした。
けれど、わたしは
今こそ、娘に世界を、
世界からみた日本を見せる
意味があると考え決行した。

人生の転機となる
決断だった退社日から
ちょうど1年後
イタリアから帰国する日になるなんて
自分でも想像していなかった。

1年後の自分なんて
どうなっているか
わからないものだなと
ぼんやり考えた
成田からの帰り道。

1年前、この未曾有の
大震災が起こるなんて
想像もできなかったように。

まだこの旅の中で
見たこと、聞いたこと
感じたことを文字に
できないけれど
しばらく留守にしてしまった
このブログ。

ただいま。

画像はローマ
サン・ピエトロ大聖堂。
この場所に立って
日本を想い、
ただただ祈っていた。