働いていた当時
仕事ができる
男性マネージャーに見られた
寸分の隙も許さないという
仕事の仕方にうなり
影響を受けてように思う。
あぁ、あらねばならぬ
と勝手に思っていた。
だから、自分がこう勝ちたいという
ストーリーが思い浮かぶと
1~10までスタッフに要望を出し
それに向かってがっちり指示をして
きっちりと「勝ち」を手にしていた。
まぁそんな業界だった。
私は、ある時から戦い方が変わって
願望10個の内、3つくらいをみんなに
伝えるだけにして、相手に任せた。
そんな風にしてみなさいと
ある人から言われたから
従ってみた。
素直に要望や窮状を伝え
助けてほしいと頭を下げる。
相手の言葉を信じ、託した。
戦い方は変わったけれど
十分に勝てた。
出来る男の代表のような
男性マネージャーの仕事の仕方に
あこがれはもう消えていた。
本当に要望なんて3割で十分だった。
何に例えたらいいんだろう。
10個の願望は集約すると
大体3つくらいで出来ていて
後は枝葉のような7割だと言えばいいか?
あぁオセロゲームのようなもの。
3つも隅をとれば、ゲームに勝てる。
お願いは連鎖するのだから
あとの7割の願望は結果、
パタパタと手中にできるのだと
実感できた。
そう想うと、男の真似をして
あれやこれやと眉間に皺を寄せ
気難しい顔をしていた自分は
急速に過去へと向かい始める。
そんな時、ぞろりと
自分の殻が抜けると言うのか。
「あー女に戻ろう。
私はね、蝶よ花よと、生きてみたいのよ」
そんな風に思って。
確か、残業中、リキシに
メールを送った記憶がある。
女が男を装って生きると言うのは
一時的には成功するけれど
決して長くは続かない。
怒鳴ってばかりなんて
体がむしばまれていく
ような感じ。
「女らしく」とはまた難しい
概念に聞こえるけれど。
でもまぁ、女でいくということ。
ある日、上司に呼ばれて
「部長職に上がるつもりはあるか?」
と聞かれた返事は、そう簡単に
答えが出せなかったけれど
どう生きたいかという答えは
あの時、出たように思う。
「蝶よ花よと、女を生きる」
出世より、愛を手にして
会社を辞める前に
男を演じることを辞めてみた。