January 04, 2012 03:16:34
萬葉集には「義之」だけでなく、「大王」も「てし」と呼ばれていることにも
気がついた。
これは「王羲之」が「大王」、子の「王献之」が「小王」と呼ばれていたこと
から用いられたそうである。
気になるので他に同じ使われ方の歌がないか調べてみたところ、「義之」
は他に四首、「大王」は三首見つけることができた。
石上 降るとも雨に つつまめや 妹に逢はむと 言ひてしものを
巻四・六六四
石上 零十方雨二 将關哉 妹似相武登 言義之鬼尾
いにしへゆ織りてし服をこの夕衣に縫ひて君待つ我れを
巻十・二〇六四
古 織義之八多乎 此暮 衣縫而 君待吾乎
月日えり逢ひてしあれば別れまく惜しくある君は明日さへもがも
巻十・二〇六六
擇月日 逢義之有者 別乃 惜有君者 明日副裳欲得
朝寝髪我れは梳らじうるはしき君が手枕触れてしものを
巻十一・二五七八
朝宿髪 吾者不梳 愛 君之手枕 觸義之鬼尾
天地と 別れし時ゆ 久方の 天つしるしと 定めてし 天の川原に
あらたまの 月重なりて 妹に逢ふ 時さもらふと 立ち待つに
我が衣手に 秋風の 吹きかへらへば 立ちて居て たどきを知らに
むらきもの 心いさよひ 解き衣の 思ひ乱れて いつしかと
我が待つ今夜 この川の 流れの長く ありこせぬかも 巻十・二〇九二
天地跡 別之時従 久方乃 天驗常 <定>大王 天之河原尓 璞
月累而 妹尓相 時候跡 立待尓 吾衣手尓 秋風之 吹反者 立<座>
多土伎乎不知 村肝 心不欲 解衣 思乱而 何時跡 吾待今夜 此川
行長 有得鴨
黒髪の 白髪までと 結びてし 心ひとつを 今解かめやも
巻十一・二六〇二
黒髪 白髪左右跡 結大王 心一乎 今解目八方
大和の 室生の毛桃 本繁く 言ひてしものを ならずはやまじ
巻十一・二八三四
日本之 室原乃毛桃 本繁 言大王物乎 不成不止