明日、「第七極点」開催です。語られる物語をちょっとだけお見せします。
明日です!(明けて今日ですね笑)
今まで詳細はお伝えしてまいりましたので、もはや多くは語りません。
期待は裏切りませんので、是非、吉祥寺Silver Elephantに足をお運び下さい!!
明日、VERONICAがお届けする物語は2つ。そのうちの一つを記します。
このお話が、はたしてどのように、ステージで表現されるのか・・・。
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VERONICA VERONICOが奏でる、ここではない、どこかの物語------
数ある世界の中で繰り返される出会いと別れ、そしてまた生まれ行く物語----
今宵の一つ目の物語は、たった一つだけ願いをかなえる魔法の言葉を入れた少年のお話・・・
願い事が1つ叶うとすれば・・あなたは何を望みますか・・・
空を飛ぶことを夢見る少年。
空を飛び、退屈なこの町から抜け出し、新しい世界に行きたいといつも夢見ていました。
彼の住む町の工場では、騒々しい音を立てて大きな飛行船が造られていました。
船体には大きく大きく「ZEP. No.4/ロバート」の文字。
「いつかはあの飛行船に乗って、いろんな世界を見に行こう。」
少年はそう夢見ていたのです。
ある日、少年は飛行船を動かすための魔法のコトバを知ります。
それは、試し運転用の特別なキーワード。使えるのは一度だけ。
-サタディ サダンバ ザラザラ-
ある朝、工場に忍び込んだ少年は、迷うことなくたった一度だけの魔法のコトバを唱えます。
運転席に飛び乗り、見る間に小さくなってゆく町や人々に、すがすがしく朝の挨拶を残して
旅立って行きました。新しい世界が自分を待っていると信じて。
静かな空の旅の途中、ふと少年は眼下に町並みが広がっているのを見つけました。
この数日間というもの余りにも平穏無事な空の旅、こころなし寂しさも感じ始めていたときでした。
リンゴーン、リンゴーンと鐘の音が響き、旅立った町にも教会の鐘が鳴っていたことをぼんやりと
思い出し、少年はこの町こそが目的地と決めて、地上に降りることを決めました。
どこか懐かしい町並みをとぼとぼと歩くうち、少年はふと気付きます。
この小路を抜けると広場に出るはず・・・。
果たしてその先は広場。
この角を曲がると、赤い屋根の家があって・・・。
果たして、見つかるのは赤い屋根の家。
この階段を上って振り返ると教会が見えるんじゃ・・・。
そして振り返るとやっぱり教会が目に入ります。
旅立ったあの町にとてもよく似た、いえ、同じ町並み。ただ一つ違うのは町全体が何年も、何十年も前に打ち捨てられたかのようにぼろぼろの廃墟のようになっていたことでした。
そして、もちろん、人っ子一人住んではいないような空気に包まれていたのです。
風に吹かれて、教会の鐘が鳴っています。その鐘の音はどうしても旅立ったあの町のものに聞こえてしまいます。
少年が教会に辿り着き、ほこりまみれの壁をはらうと、そこには
「ZEZE」
と少年の旅立ったあの町の名前が掘り込んであるのでした。
やっと空を飛んで、新しい世界に着いたのに、そこは誰もいない。ただ、目の前の景色だけは、懐かしいあの町を思い出させます。ときおり聴こえる鐘の音も、お父さんやお母さん、町のみんなの声を胸に思い出させるのでした。
途方にくれた少年は、こんなのは思っていたのとは違う、旅立ったあの町に帰りたいと泣き出します。そしてまた空を飛んで帰ろうと思い立ち、あの魔法の言葉を唱えました。
-サタディ サダンバ ザラザラ-
でも魔法のコトバの効き目は一度だけ。
飛行船は二度と動くことはないのでした。
9/24(金)
VERONICA VERONICO Presents~第七極点~
■出演
nap/TILITILI/GANBarBie劇団-テラ壊シ-/VERONICA VERONICO
OPEN 17:30/ START 18:00
TICKET 1,500\(+1drink300\)
今まで詳細はお伝えしてまいりましたので、もはや多くは語りません。
期待は裏切りませんので、是非、吉祥寺Silver Elephantに足をお運び下さい!!
明日、VERONICAがお届けする物語は2つ。そのうちの一つを記します。
このお話が、はたしてどのように、ステージで表現されるのか・・・。
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VERONICA VERONICOが奏でる、ここではない、どこかの物語------
数ある世界の中で繰り返される出会いと別れ、そしてまた生まれ行く物語----
今宵の一つ目の物語は、たった一つだけ願いをかなえる魔法の言葉を入れた少年のお話・・・
願い事が1つ叶うとすれば・・あなたは何を望みますか・・・
空を飛ぶことを夢見る少年。
空を飛び、退屈なこの町から抜け出し、新しい世界に行きたいといつも夢見ていました。
彼の住む町の工場では、騒々しい音を立てて大きな飛行船が造られていました。
船体には大きく大きく「ZEP. No.4/ロバート」の文字。
「いつかはあの飛行船に乗って、いろんな世界を見に行こう。」
少年はそう夢見ていたのです。
ある日、少年は飛行船を動かすための魔法のコトバを知ります。
それは、試し運転用の特別なキーワード。使えるのは一度だけ。
-サタディ サダンバ ザラザラ-
ある朝、工場に忍び込んだ少年は、迷うことなくたった一度だけの魔法のコトバを唱えます。
運転席に飛び乗り、見る間に小さくなってゆく町や人々に、すがすがしく朝の挨拶を残して
旅立って行きました。新しい世界が自分を待っていると信じて。
静かな空の旅の途中、ふと少年は眼下に町並みが広がっているのを見つけました。
この数日間というもの余りにも平穏無事な空の旅、こころなし寂しさも感じ始めていたときでした。
リンゴーン、リンゴーンと鐘の音が響き、旅立った町にも教会の鐘が鳴っていたことをぼんやりと
思い出し、少年はこの町こそが目的地と決めて、地上に降りることを決めました。
どこか懐かしい町並みをとぼとぼと歩くうち、少年はふと気付きます。
この小路を抜けると広場に出るはず・・・。
果たしてその先は広場。
この角を曲がると、赤い屋根の家があって・・・。
果たして、見つかるのは赤い屋根の家。
この階段を上って振り返ると教会が見えるんじゃ・・・。
そして振り返るとやっぱり教会が目に入ります。
旅立ったあの町にとてもよく似た、いえ、同じ町並み。ただ一つ違うのは町全体が何年も、何十年も前に打ち捨てられたかのようにぼろぼろの廃墟のようになっていたことでした。
そして、もちろん、人っ子一人住んではいないような空気に包まれていたのです。
風に吹かれて、教会の鐘が鳴っています。その鐘の音はどうしても旅立ったあの町のものに聞こえてしまいます。
少年が教会に辿り着き、ほこりまみれの壁をはらうと、そこには
「ZEZE」
と少年の旅立ったあの町の名前が掘り込んであるのでした。
やっと空を飛んで、新しい世界に着いたのに、そこは誰もいない。ただ、目の前の景色だけは、懐かしいあの町を思い出させます。ときおり聴こえる鐘の音も、お父さんやお母さん、町のみんなの声を胸に思い出させるのでした。
途方にくれた少年は、こんなのは思っていたのとは違う、旅立ったあの町に帰りたいと泣き出します。そしてまた空を飛んで帰ろうと思い立ち、あの魔法の言葉を唱えました。
-サタディ サダンバ ザラザラ-
でも魔法のコトバの効き目は一度だけ。
飛行船は二度と動くことはないのでした。