オハナシ。~EULⅡ 69。~ | なるるのゆめ。

オハナシ。~EULⅡ 69。~

獄界へと行く為に

クラムハウンの南の森にある

魔界への門へと

やって来た

解放者達。

 

そこでは

三体の獄族が現れ

解放者達の行く手を

阻みます。

 

そんな獄族を見て

カレンさんが

真っ先に飛び出し

他の数名も続く形で

戦闘が始まりました。

 

そして

辺りには

獄族にやられたと

思われる人達が数名

倒れていました。

 

そんな

倒れた人達を

見回すユニークさん。

 

「…ユニーク?どうしたんだ?

 アンタの仲間…ってのは分かってたが

 まさかアンタが感傷に浸る何て、以外だな。」

ザッツさんは

笑みを浮かべて

ユニークさんに

そう言いました。

 

「感傷、では無い。

 ただ、確認をしていただけだ。」

ユニークさんは

その言葉通り

倒れた人達を

一人一人確認している

様子でした。

 

そして

「殆どが死んで居るな。」

表情一つ変えずに

ただそう一言言った

ユニークさん。

 

その言葉に

少し不快感を覚えた様子の

ザッツさん。

 

一緒に聞いていた

解放者とマーク君は

少し悲しそうな表情に

なりました。

 

するとその時です。

 

「あの、お願いします…!

 じっとして居て…でないと回復が…!」

ロミィさんが

倒れた人に

そんな事を言っているのが

聞こえて来ました。

 

「無事な人も、居るみたいですよ~!」

マーク君は

少し笑顔になり

ザッツさんとユニークさんにそう言うと

ロミィさんの元へと駆け寄ります。

 

そんなマーク君の後を追う

解放者とザッツさん。

 

ユニークさんも

ゆっくりと歩き

ついて来ました。

 

ベルさんとランスさんと

リリィさんとルカさんも

ロミィさんに気付き

戦っていない解放者達は

ロミィさんの元へと

集まります。

 

「私はっ…ここで、死ぬ…!

 見知らぬ者の手を…煩わせるなど…!

 我々の…汚名…私一人…そんな事はっ…!」

ロミィさんの傍で

倒れて居る人が

そんな事を言っていました。

 

その言葉を聞いて

「馬鹿言ってる場合じゃ無いでしょ~?

 何処の人だか知らないけど

 私達は貴方を助けられるの。

 煩わしいだなんて思いもしないし

 助けられるなら助けたいって思うのが当然でしょ。」

リリィさんが

倒れている人に

そんな事を言いました。

 

「…それが…お前達の当然ならば…

 今、私が死ぬ事は…我々にとって…当然だ…!」

倒れている人は

笑みを浮かべて

そんな事を言いました。

 

「…お前等は…俺はお前の考えを知っている。

 けどな、お前等みたいな奴ばかりじゃねぇんだよ。

 瀕死の癖して我が儘言ってんな。黙って助けられとけ。」

ザッツさんが

笑みを浮かべて

倒れている人に

そんな事を言いました。

 

するとその時でした。

 

「好きに死なせてやれば良い。

 最早そいつに、生きる意志は無い。

 生きる意志の無い者は、何れ死ぬ。当然の事だ。」

ユニークさんが

そんな事を言いながら

倒れている人の傍に立ちました。

 

「おいアンタの仲間だろ、コイツは…」

ザッツさんが

ユニークさんを睨み

そう言いました。

 

でも

ユニークさんは

倒れている人を

見下ろしながら

「俺は知らない。

 仲間ではあるようだが。」

無表情で

そう言いました。

 

その言葉に

少し驚く

解放者とマーク君と

ベルさんとロミィさんと

リリィさんとルカさん。

 

ランスさんは

微笑みながら

俯いています。

 

ザッツさんは

ユニークさんの言葉が

癪に障った様子で

「オマエな…」

そう言いながら

ユニークさんに

掴みかかろうとしましたが

次の瞬間です。

 

「貴方は…ゼックス様…ですか…?

 行方不明…なられたと…ご無事で…何よりです…!」

倒れた人は

ユニークさんを見ると

笑みを浮かべて

そんな事を言いました。

 

「無用な心配だな。俺は死なない。死ぬ気が無いからな。」

淡々と

倒れた人に

そんな事を言う

ユニークさん。

 

「…は、はは…この様な…無様な姿…晒し…申し訳…」

笑みを浮かべつつも

申し訳無さそうに

そんな事を言う

倒れている人。

 

すると

「無様な事は無い。

 潔く死ね。それで良い。」

ユニークさんは

そんな事を

言い放ちました。

 

何だか

酷い言葉にも

聞こえましたが

「あ…あぁ…最期に…貴方に会えて…光栄…」

倒れている人は

笑みを浮かべてそう言うと

そのまま動かなくなりました。

 

ユニークさんと

倒れている人の会話を

黙って

そして少し緊張して

聞いていた他の皆は

倒れている人を

助ける事が出来なくて

少し落ち込みます。

 

ザッツさんは

とても納得行かず

ユニークさんに対して

苛ついている様子。

 

そして

「…助けられたのに…

 何で助けてやらねぇんだよ…

 せめて敵討ちでもしてやらねぇと…」

ザッツさんは

ユニークさんを睨みつけ

そんな事を言いました。

 

すると

「敵討ちなど、望んでいないだろう。

 望むまでも、頼み入るまでも無い事だ。」

ユニークさんは

淡々とそんな事を

言いました。

 

さらに

「こいつも、他の奴等も

 死の覚悟はしていた。

 だから死んだ。当然の事だ。

 当然と言うよりかは、必然に近い。」

そんな事を言いながら

他の皆が戦っている

獄族の方へと

向きました。

 

「…私達とは…随分違うみたいね…」

リリィさんは

悲し気な表情を浮かべ

そう呟きました。

 

他の皆も

何だか悲し気な表情を

しています。

 

ユニークさんの

言葉に対して

「…お前等は仲間の死を

 その言葉で納得出来るんだな。」

ザッツさんは

何だか呆れた様子で

そんな事を言いました。

 

すると

「あぁ、そうだ。

 だが、仲間を殺した罪は重い。」

ユニークさんは

そんな事を言うと

何やら右手を

胸の前に構え

獄族と戦っている

皆の方へと

歩き出します。

 

予想外の行動と返答に

ザッツさんは

一瞬固まりました。

 

他の皆も驚き

一瞬固まります。

 

そして皆は

少し混乱しつつ

ユニークさんの後を追います。

 

三体の獄族と

戦っている皆の元へと近付くと

戦っている皆は

苦戦をしている様子でした。

 

そんな

戦っている皆に向けて

ユニークさんは一言

「どけ。」

と伝えました。

 

その言葉に

カレンさん以外は気付き

手を止めて

それぞれ獄族と

距離を取りました。

 

解放者達は皆(一部除く)

不思議そうに

ユニークさんを見ていました。

 

と次の瞬間です。

 

「何故、こんな相手に梃子摺る。

 解放者の存在は、この程度だったか?」

ユニークさんが

ランスさんに

そんな事を聞きました。

 

「…どうでしたかね…?

 それにしても、相変わらずです…」

ランスさんは

微笑みながら

そんな返事をしました。

 

とその時です。

 

「…良かった…本当に…もう問題…無いんだ。」

マリィさんが

そんな事を言いながら

ユニークさんに

近付いて来ました。

 

さらに

「…人が悪いですね…こんな…」

フェルさんは

笑みを浮かべながら

そう言いました。

 

さらにさらに

「良くあの女は、押さえつけられたな。」

ガルスも

そんな事を言いながら

ユニークさんの居る方へ

歩いて来ました。

 

マリィさんとフェルさんとランスさんと

ユニークさんとガルス以外の皆は

何が何だかと

不思議そうにしていました。

 

とその時

「カレンのなのにー!

 よこどり、だめなんだよー!」

カレンさんが

笑顔でユニークさんに向けて

そんな事を叫びました。

 

その言葉で

何かに気付いた

他の皆は

一斉に獄族の方を

見ました。

 

すると

三体の獄族の首が

ほぼ同時に落ち

次の瞬間

三体の獄族は

地面に倒れ

動かなくなってしまいました。

 

「うそ…いつ…」

アスさんは

とても驚いた様子で

そんな事を言い

倒れた獄族を見ていました。

 

「…倒した…のか…?誰…」

獄族を見て

シンさんは驚き

そんな事を言いつつ

ユニークさんを見ます。

 

「わー…もしか、して、ユニークさんが…?」

マーク君は

苦笑いをして

ユニークさんの方を

見ました。

 

「想定外よ…こんなの…

 良かったわ…あの時…」

そんな事を

ぶつぶつ言いながら

フェルさんの近くに寄る

シーラさん。

 

「…何が何だか…

 ほんと…私達とは随分違うみたいね。」

リリィさんは

苦笑いをして

そんな事を言いました。

 

解放者とベルさんと

ロミィさんとルカさんは

言葉が出ないと言った様子で

驚いています。

 

レオさんは

いつもの様に

笑っていました。

 

「…全く憎い事しやがる…

 こー言うの、敵討ちって言うんじゃねぇの?」

ザッツさんは

ユニークさんを

少し見直した様子で

笑みを浮かべながら

ユニークさんに

そう言いました。

 

「仲間を殺した奴を殺しただけだ。

 それは当然の事。

 それに奴等は本当に

 敵討ちなど、望まない。

 何故ならばソレは

 俺達が必ず殺すからだ。

 望むまでも、頼み入るまでも無い事。」

ユニークさんは

淡々と

無表情で

そんな事を言いました。

 

「…だからそれを…いや、ま、それで良い…

 お前等らしいよ…考え方は気に入らねぇけどな…」

ザッツさんは

溜め息を吐くと

笑顔でそう言いました。

 

さらにザッツさんは

「それで…倒れてる仲間はどうするんだ?」

ユニークさんに

そんな事を聞きました。

 

「すぐに回収されるだろう。

 俺には不要だ。放って置いて構わない。」

ユニークさんは

そんな事を返します。

 

「…不要って…まぁ…合わない事もあるか。」

ザッツさんは

笑みを浮かべて

そんな事を言いました。

 

二人のやり取りを

理解している人は居ますが

何を話しているのか

良く分からない人も

居ました。

 

ともあれ

ユニークさんのお陰で

魔界への門の目の前まで来た

解放者達。

 

魔界への門は

とても大きな岩の

岩肌に埋まっている感じで

洞窟の入り口の様にも

見えました。

 

「では、獄界へ行くぞ。

 俺が開ける。少し待っていてくれ。」

ガルスがそう言って

魔界への門の前に

立ちました。

 

いざ

魔界への門の前に立つと

いつもの通り

不安になってくる

解放者。

 

「魔界…じゃなくて、獄界かー…どんな所だろう。」

アスさんは

そんな事を言って

待っていました。

 

「まぁ…良い場所では無さそうだな…」

シンさんは

アスさんに

そんな事を言います。

 

「僕は、どんな所でも、楽しみです!怖いですけど~。」

マーク君は

笑顔でそんな事を言いました。

 

「大した事無さそうだけど、どうだったの?フェル。」

シーラさんは

フェルさんに

そう聞きました。

 

「そうですね…

 空気と言うか雰囲気と言うか

 そう言ったものがとても重いので

 気をしっかり持っていた方が良いです。

 でないと、獄族に心を支配されてしまうかも知れません。」

フェルさんは

笑顔でそんな事を

教えてくれました。

 

「負の感情が力に、とか言ってたっけ。

 そう言うもんで出来てると思うと、やばそうだな。」

ザッツさんは

笑みを浮かべて

そんな事を言います。

 

「…ちょっと、怖い…大丈夫かな…私…」

ベルさんは

苦笑いをしながら

そんな事を言います。

 

「大丈夫ですよ…

 自信を持っていて下さい…

 私達は、解放者とその仲間なのですから…」

ランスさんは

微笑みながら

そう言いました。

 

「前向きで居れば、大丈夫です。」

ロミィさんは

ベルさんに

そんな助言をします。

 

それでも不安そうな

ベルさんですが

レオさんがベルさんを抱き寄せ

笑顔を見せていました。

 

「不安になっても、仕方ないしね。

 私達が選ばれちゃったんだから。」

リリィさんは

笑顔で

そんな事を言いました。

 

「魔界とは…違うと思うけど…

 リリィが一緒なら…わたしはきっと、大丈夫。」

ルカさんは

苦笑いで

そう言います。

 

「強いの、いるかなー!

 たくさん、いるかなー!

 ユニークより強いの、いるかなー!」

カレンさんは

笑顔でわくわくしながら

そんな事を言いました。

 

「残念だな。

 俺より上には会わなかった。

 だが、エリスマーナはどうだろうな。

 奴の本性は、まだ見ていないからな。」

ユニークさんは

カレンさんに

そんな事を言いました。

 

マリィさんは

ユニークさんの傍で

傍に居る事が

嬉しそうな様子で

それ以外はどうでも良さそうでした。

 

そして

皆がそれぞれ

思い思いに感じていると

「さあ、繋がったぞ。

 エリスマーナの獄界へ、行こう。」

ガルスがそう言って

魔界への門を開きました。

 

解放者達は

次々と門を潜り

ついに獄界へと

行く事になります。


 

おしまぃ。(o_ _)o