小さき頃の 記憶
とーさんのとーさんはとうさんで
逢えるのはお盆かお正月か
庭に大きな木があって
あった?
ずらっと並んだ活版と
インクのにおい
が懐かしい
テーブルの上の
甘納豆
ストーブの上の
豆餅
大きなお寺さんの
大きな広間で
お経を聴きすぎて
立ち上がれずに
すっ飛んだ あの日
記憶はあいまいで
暑い日に思いだせば
夏だったような気がするし
寒いときに思いだせば
冬だったような気もする
この曖昧さは
食べ物の記憶と結びついていないからだ
お空を見上げて
甘納豆でも食そうかな