HP Pavilion tx2000 を修理してみる。/グラフィックチップ不良編 | 大阪ダイアリー

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 今回修理するのは 「hp Pavilion tx2000 」です。少々古い機種ですがタッチパネル入力ができるので、Windows8環境にすればまだまだ現役で使えるポテンシャルの高い奴です。しかし、当時は悪名高いVista全盛期ってこともあり、当時の環境ではその本領を発揮できなかった残念モデルでした。しかも、この機種は廃熱設計に問題があり故障率が非常に高かったのが一番致命的な点だったと思います。

今回修理するのも,
その廃熱問題でハンダクラックを起こしたものなので、ハンダクラックリペアする上で基本の「リフロー」で修理したいと思います。

 
このチップ不良を起こしている機種は電源は入るが画面に何も表示されないというのが特徴です。それでは修理に取り掛かりたいと思います。
 
裏面にし、HDD・メモリ・無線LANのカバーをすべて外します。
ここで、バッテリーとDVDドライブも外してください。

 
次に赤丸で囲った部分のネジをすべて外して下さい。
合計20カ所です。
 
 
 ネジをすべて外しましたら、次はモニターを開きキーボードを写真の様に手前に持ち上げます。

 
 持ち上げたらキーボードのコネクタを断線しないように取り外してください。

 
  キーボードを取り外したら、画像の様にモニター下部のパネルを回すようにして取り外して下さい。

 
パネルを取り外したら画像の箇所にあるネジ2本とコネクタ2本を取り外して下さい。

 
 次に無線LANカードとケーブルを基盤から取り除いて下さい。
これを忘れてると、マザーボードが取り出せないです。

 
 次にマザーボードを斜め右下に引っ張るようにして取り外して下さい。

 
 さ、ここからがメインの修理箇所になります。
ケーブル一本とネジ4本を取り外します。

 
外れました。
CPUグリスが完全に固着してしまってますね、落とすのが大変です・・・笑

廃熱の問題でこうなってるのでファンのホコリも落として下さい。

 
 これが問題のnvidiaグラフィックチップです。ファンが非力すぎる上に暴熱AMDCPUがこの距離に存在してるので、クラックが起きても全然不思議じゃ無いです。やっぱリコールしとくべきやと思いますけど。HPさん。

 
 で、ハンダクラックを修理する為に使うのがコチラ 「ヒートガン」です。
たしか1500wで550℃まで出せたと思います。一家に一台あるとシュリンクなんかで包装できるし、なにかと便利です。アマゾンで3000円くらいで購入できます。

 
 問題のチップの周りにアルミを巻いてその他のチップを保護します。
私は以前この処置をせずにやったことがあるのですが、ドライヤーみたいなもんなので風でその他のチップが溶けて飛んでいって大変な目に遭ったことがあるので、きちんと処置しましょう笑

 
 この状態で15秒ほど加熱します。
ハンダは180℃くらいから融解し始めるので短くても結構大丈夫です。
長すぎると、チップが破損してしまうので短めで挑戦しましょう。

  
 チップを加熱し十分に熱を逃がしたらCPUグリスと放熱対策を行います。
今回私は、1mmの銅板を2枚重ねると言う方法をとりました。

銅板はホームセンターなんかで購入できます。

 
 で仮組みして正常に動作するかチェックします。

 
 無事に表示されるようになりました!
ただ、長期的に使ってどうなるのかは正直わからないところがあるので
応急処置か壊れたらなんどでもやる位の気合いが必要かも知れない機種です笑

 
 BIOS設定ができるのを確認して依頼者の元へ発送しました。
この修理が必要なtx2000は本当に多いのでもしもの場合に備えてBLOGに置いときます。

最後までお疲れ様でした!