心臓外科医 小坂眞一のブログ

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勝浦の塩田病院の総合診療科・心臓血管外科部長です。現在手術は小切開下肢静脈瘤がメインですが、将来心臓大動脈外科手術を行う予定です。また日本先端心臓血管外科(AHVS)/心拍動下冠動脈バイパス手術(OPCAB)研究会の代表世話人と早稲田大学理工学術院客員教授を務めていす。

 

 
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2018年2月から千葉房総半島の勝浦市の塩田病院に総合診療科・心臓血管外科部長として勤務しています。現在手術は小切開下肢静脈瘤がメインですが、将来は心臓・大動脈外科手術を行う予定です。また20年前に設立された日本日本先端心臓血管外科(AHVS)/心拍出下冠動脈バイパス手術(OPCAB)研究会の代表世話人を務めています。2011年からは早稲田大学理工学術院客員教授を兼任しています。尚、心臓血管外科手術の合間に行った小切開下肢静脈瘤手術はおおよそ1500件に達しています。



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  日本人は事あるごとに、人には優しく自分には厳しくと言います。学校教育やスポーツのトレ一ニング等では正しいでしょう。でも大人になり仕事を持つとストレスも増加し、肉体的にもつらい事が多くなります。 最近は過労死も増えています。仕事は自分を磨く場ではありますが、鍛える場ではありません。完全主義者や超真面目な方は、自分ですべてを背負ってしまう事が多いですよね。人は勘違いもすればミスもします。何で自分はバカなんだ!と思わずに、あれ?やっぱりすこし疲れているんだ…と考えて、自分のミスを恣意的に許すも姿勢も大切です。自分へのハ一ドルを上げて過ぎて、その結果、自分の能力を疑ったり自己嫌悪に陥ってしまうのが、人の弱点であり欠点なのです。
 人にも自分にも優しく寛大になることが、大人として楽に生きて行く秘訣だと思いませんか?
  勿論、命を預かる仕事の方にはミスは禁物ですが、、、。
 


下の本は最近刊行されたばかりの私が編集した心臓外科医のための教科書です。



 さて私が尊敬する外科医は16世紀のフランス🇫🇷のパレです。
 彼は床屋上がりの外科医で、フランス語で外科の教科書を書きました。それまでは学術書はすべてラテン語で書かれていたため、とても難解であったのです。
  また彼は誰に対しても寛大で優しい外科医として知られています。国王に対しても平民に対しても等しく接して治療をしたと言われています。 

  彼の   "我包帯し、神、治し賜う" は
外科医としてとても謙虚で美しい言葉です。

 
              アンブロワ一ズ・パレ (1510〜1590)
ピアニストがコンサートの合間に鍵盤を叩くように
心臓外科医も手術と手術の期間があくと運針の練習をします。心臓外科医は運針にヘガ一ル持針器を使います。この持針器は今から150年前活躍したドイツ産婦人科医のヘガ一ルが考案しています。ハサミのような形をしていますが、先端は針を持つためにラジオペンチのさきのようになっています。また持った針が落ちないように持針器にはロック機構が付いています。

さて針の持ち方には大きく分けて4つの形があります。まず針がへガ一ル持針器の下にくる場合と上に来る場合です。私は前者をGround、後者を Zenith(ゼニス)と呼びます。また針先が左をむけば1、右をむけば2とします。つまり対象物が持針器より下にあり、それを右から左に縫おとすれば針の持ち方Ground1になる訳です。
またそれぞれ針の把持法によって行われる運針をG1.G2.Z1.Z2と呼んいます。




以下の運針法の動画をご覧下さい。



2年越しの心臓と大動脈外科の手術書が完成し7月に
刊行されました。若手の外科医からベテランの指導医まで、役に立つように編集しました。イラストが500点以上掲載されている他、Q&Aも数多く収載されています。心臓外科をまわる外科系の研修医や修練医、心臓外科にたずさわる手洗い看護師、人工心肺技師、心臓麻酔医の方にも大変有用な教科書と思います。