一昨日の28日金曜日、沢田研二さんのコンサートがあった。東京公演のチケットを買おうとしたのだが、発売とほぼ同時に完売だった。コンサートの数日前にチェックしたら、何枚かのチケットが出回っていたが、本来8000円のはずが4~5万円にまではねあがっていた。
東京公演は大成功で、演奏も熱気のこもった素晴らしいものだったらしい(また彼は痩せて、素敵になっていたということだ)。タイガーズの面々や、かつての共演者も駆けつけていたとのこと。
このあと名古屋、大阪でもコンサートをするが、いずれも発売するや即完売。73歳でこれだけの人気を保っているのは、やはりすごい。
昨年から、同年代、または少し上の、なじみ深い芸能人が次々と世を去っていく。
コロナ感染で命を落とした志村けんさんは、私と同じ年だが学年は一つ上で、従兄と高校の同級生であった。隣のクラスだったとか。ドリフターズのころはよく見ていたし、彼が40歳前後の「だいじょうぶだあ」も楽しかった。
渡哲也さんも亡くなった。魅力的な俳優だった。年をとってからも、重厚でスマートで素敵だった。
田村正和さんも亡くなった。いろいろな番組に出ていたが、私にとって印象深いのは、宮尾登美子の小説をドラマ化した「序の舞」で演じた、画家高木松渓である。画壇では大物だが、だらしなくて、それでも憎めないという役まわり。ちなみに弟の亮さんは、私の高校の同級生と結婚している。
ジュリーは若いころ、美貌の歌手として、前代未聞といえるほどの人気を誇っていた。じつはそのころ、私はジュリーに関心がなかった。高校時代、グループサウンズにみんなが夢中だったので、アマノジャクの私は距離をおいていたのだ。グループサウンズのブームが去り、ジュリーが独立してからも、あまり興味を持っていなかった(とはいっても彼のヒット曲のいくつかは、フルコーラス覚えているので、いかに大ヒットだったかがわかる)。興味を持ったのは彼が40歳ごろだったか、「ACT」というシリーズを始めてからである。演劇、ミュージカル、オペラ、さまざまな要素をとりまぜて上演する、主に独り舞台といえる作品群だった。ジュリーが歌がうまい!ということを初めて知って、驚いた。今では、当時のグループサウンズの面々が実力者ぞろいであったことを知っている。
ところで。。
池澤夏樹さんの小説に、「スティル・ライフ」という中編がある。彼が芥川賞を受賞した作品である、これがドラマ化されたことがあった。30年以上昔の話だが。池澤さんは私世代に人気のある作家である。お父上は私の大学の仏文科の先生だった(もっとも、池澤さんがまだ赤ちゃんだったころ、ご両親は離婚されたのだそうだが)。池澤さんの文体は水のように透明で、無機質な感じが張りつめている。そこに惹きつけられる。
「スティル・ライフ」の原作は二人の男性が織り成す不思議な話であるが、ドラマでは二人とも女性になっていた。主役は田中裕子さんで、彼女の存在なしには、この小説のこういう雰囲気ー水のように透明で、無機質な世界ーは出せないだろうなあと思った。そうしたら、そのドラマ放映の直後だったか、田中裕子さんはジュリーと結婚した。ほ~!と、びっくりした。でも、その後の「ACT」など、ジュリーの活動の方向性を見ていると、この二人はパートナーとしてほんとうにお似合いなのだ、と感心している。
ジュリーもいつまで元気だか保証はないから、ひさびさのライブに行ってみよう、と思っていたのだ。なにしろコロナが流行し始めてから、彼はひっそりと身をひそめてしまったので、今回のコンサートツァーは、特に熱烈なファンというわけでもない私でも、応援したくなるのだった。チケットは手に入らず残念だったが、東京公演が大成功、ということで、よかったよかった。名古屋も大阪も、無事に、元気に、素晴らしい舞台をつくってほしい。
