ヴィーちゃんは部屋の中で悲しそうに鳴き続け、その哀愁をおびた悲しそうな声を聞くたび良心の呵責に責められ、「外にかえした方が幸せなのかな?」「保護しない方が良かったかな?」自分の心は激しく揺れ動きました。

これは保護猫を迎え入れる人にとって、家に慣れるまでの間に少なからず経験する心の葛藤だと思います。

 

ヴィーちゃんが家に来てから、日々悲しそうに遠吠えを続けるヴィーちゃんに遊び相手がいれば・・・と思い2匹目を迎えようか?

しかし相性が悪かった時のことを考えると・・・2匹目を迎え入れてもうまくいくかどうか・・・それが心配ででした。

動物病院の獣医さんに相談すると「兄妹猫でも一度離れていると、仲良くなるとは限らないよ」

 
退屈させないようになるべく多く遊んであげて、ヴィーちゃんは徐々に落ち着いてきてくれました。居所を見つけ、リラックスしていましたが、時々寂しそうに外を見て鳴いていました。


 

数か月後、メスの兄妹猫がいるという情報があり、一緒に育った兄妹猫なら相性が良く仲良くなる可能性が高いため、お世話している方に保護したいことを伝えると「すばっしこいから捕まらないよ~」

 

別の方が保護に成功し、健康診断→ワクチン→避妊手術まで進んだものの、何度も脱走してしまい、なかなか捕まらず、外猫へと逆戻り。相手はかなり手強そうです。

 

2014年2月、お世話している方が保護に成功!避妊手術をしてくれた保護主さんにローズちゃんを迎え入れたい旨相談し、晴れて我が家に。

 

 

ローズちゃんは、子猫時代体が小さくて弱弱しかったため、「生き延びて欲しい」という思いで「のびちゃん」と呼んでいたそうです。

保護主さんは「ローズちゃん」と命名、病院のカルテもこの名前で登録。

 


 

私は以前から、もし将来猫を飼うとしたら、和風の名前を付けようと思っていました。

お世話してくださった方へ感謝を込めてヴィーちゃんにはお世話していた方がつけた名前「ヴィーナス」を生かし、保護主さんへの感謝を込めて「ローズ」の名を生かし、「のびちゃん」の名はそのままニックネームとして残しました。

ローズちゃんの2つ名は、それぞれ別の方からいただいた名前なのです。

 

外猫が、いくつも名前を持っていることがあります。

名前の数だけ、それぞれヒストリーがあり、ドラマがあります。

名前の数だけ、多くの人から愛情を受けているんだと思います。

 

~その後、ヴィーちゃんとローズちゃんの再会へと続いていきます。そしてうるる猫へ~