「うちの会社は○○屋である」という発言をよく耳にする。自社の事業分野をみずから限定していまっているのだ。これでは経営環境の変化にとても対応できない。「わが社の商品は○○である」と定義し直して、“本当の商品”を見極めよう。


印刷会社の“本当の商品”は何か

「うちの会社は○○屋である」という発言をよく耳にする。自社の事業分野をみずから限定していまっているのだ。これでは経営環境の変化にとても対応できない。旧態依然とした発想を捨てて「わが社の商品は○○である」と定義し直してみよう。

ソフトバンクを例にあげよう。同社は流通業・出版業→インターネット事業→通信事業というように、つねに成長性のある新しい事業分野にシフトしている。自社の商品は何かと定義して、つねに再定義している。そうした方法でこそ、事業は飛躍的に成長するのだ。

印刷業の人に「あなたの会社の商品は何でしょうか?」と質問したとき、「うちは○○を印刷していて、それが商品です」と答えてきたら、その印刷会社に成長性は期待できない。販促チラシやパンフレットなどは印刷会社にとって、本当の商品ではないのだ。

何が印刷会社における本当の商品なのだろうか。

(1)販促用チラシ→販促効果
スーパーマーケットが特定の印刷会社にチラシ作成を依頼し続けているとしたら、印刷技術に期待しているのではない。チラシによって得られる販促効果に期待しているのだ。つまり本当の商品はチラシではなく、販売促進ノウハウである。
 
そこで販促ノウハウを築くためにどんな投資を実行し、どんな人材を採用するのかを考える。すると、さまざまな業界に販促ノウハウを普及させて、将来的には全国展開も可能になってくる。

(2)会社・入社案内→採用効果
すぐれた人材採用につながるような入社案内とは何か。採用効果こそが商品と考えれば、印刷物だけでなくインターネットや携帯サイトも活用する。そうすれば、ネット広告宣伝の企画販売業への展開も可能になる。

(3)紙箱→持ち運びの便利さ
紙箱の印刷物には広告を刷り込むなどの宣伝効果がある。テイクアウト用の簡易で便利な箱の開発が考えられる。

(4)帳票類→業務の合理化
帳票とはビジネスを進めやすくするためのツールである。セールス効果が出るようなセールス手帳の提供、コンピュータのアウトプットフォーマットを作るなど、業務の合理化をしやすくするツールを開発すれば、手帳作成やパソコン販売という事業の拡大も可能になる。

このように、効果こそが本当の商品である。効果があれば、いつでも他業種への展開が可能であり、成長力が強化されるのである。自社が扱っている商品やサービスそのものではなく、それがもたらす効果・効用にスポットを当てて、本当の商品を見極めよう。

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