真実の愛を求めたかぐや姫 | 高峰明日香の明日はどっちだ!

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1/6のSFホームドラマお人形劇場やってます。PCオススメ。
ジェニフレ・バービー・12インチフィギュア達で構成されてます。
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私が監督でドールは役者です。記事は予約投稿です。

あすか(右)「2人とも、かぐや姫について知ってるかな?」

アンバー&クリスタル「知ってる~竹から生まれて月の都に帰った宇宙人でしょ」

あすか「よく知ってるね。もともと『竹取物語』っていって日本最古の物語だったんだ。『竹』は求婚を断り続ける女、『取』を生き物の『鳥』に変えると女を求め続ける男という意味になる。つまりこの話は男女の物語なんだよ。真面目に竹を取って生活している竹取の翁を見た天人が、この男になら姫を任せられると思って、翁に姫を見つけさせたのさ」

 

クリスタル(右)「輝く竹の中に、お姫様がいたからかぐや姫なのよね」

アンバー(左)「なよ竹のかぐや姫っていうのは、なよなよしてるってこと?」

あすか「なよ竹というのは、しなやかなという意味だよ。竹には自立するという意味もあるから『竹のようにしなやかに生きる』と考えてもいい」

 

あすか「かぐや姫は翁に発見された時、3寸という大きさだったけど、3ヶ月で成人になった。この『3』という数字は天から来たとか神とかいう意味があるんだ。そして、あまりに美しいので、噂を聞いてあちこちから求婚の歌や手紙が殺到した。でも、かぐや姫は誰にも返事を書かない」

 

アンバー(左)「それは、かぐや姫がいつか月の都に帰らなきゃいけなかったからでしょ?」

あすか(右)「そうだね。でもそれ以上に、かぐや姫にはある意志があった。自分を育ててくれた翁は山で竹の中からたくさんの金を発見して金持ちになったから、贅沢な生活をしていた。求婚者はそれにつり合う身分や富に恵まれていたけれど、他に奥さんや子供がいて、自分を一時愛してくれても、また別の女のところへ走るだろうと思っていたんだ。かぐや姫は誠実に自分だけを愛してくれる心が欲しかった。だから、好色で知られる5人の求婚者達に無理難題を言って、自分を諦めさせようとした」

 

あすか「『仏の御石の鉢』『蓬莱の玉の枝』『火鼠の皮衣』『龍の首の珠』『燕の子安貝』これら伝説上の宝物を持ってくることが5人に課された課題だったんだけど、宝探しにほんとうに出掛けていったために亡くなった人もいた。とんでもない女だと逃げた人もいた。蓬莱の玉の枝はわざわざ作らせた人のところへ報酬を求めてきた職人のためにバレてしまい、火鼠は火をつけたら燃えてしまったのでこれも偽物、子安貝は、貝だと思ったらツバメの糞だった。こうして求婚者達は退けられた」

 

クリスタル(右)「ざ~んねんね~。で、とうとう帝がかぐや姫に興味持ったのよね」

アンバー(左)「で、月から迎えが来るって断るんでしょ」

 

あすか「実は、帝はかぐや姫の顔を見てしまうんだ。自分で直接会いに行くんだよ。ところがかぐや姫は帝の目の前で消えてしまう。もしかしたら当時、光学迷彩があったのかもしれない。帝は慌てて、もう顔を見ようなんてことしないから、元に戻ってくれと言うんだ。それから2人は文通をすることになる」

アンバー「え?ほんと?」

クリスタル「それは知らなかった」

あすか「2人は熱く恋を語るのではなく、日常のとりとめのないことを文章にして交しあった。誰それがこう言ったああ言った、今日こんな可笑しい出来事があった、と、ごく普通の手紙や歌を書いた。そして3年経って、かぐや姫は自分が帝に恋をしていることに気づく。また神の数字『3』だ」

 

あすか「それからかぐや姫は、月を見ては嘆くようになった。翁に自分は実は罪を犯した月の都の人間で、罪を償うために地上へ降りてきた。8月15日に月から迎えが来る。そうしたらお別れですと告白する。さて、ここでかぐや姫はどんな罪を犯したか、それは前世で結ばれた男に不死の薬を渡さなかったことにある。彼女は前世で巫女だった。ここからはある一説から引用するけど、『古事記』に出てくる瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が天孫降臨の際に、木花咲耶姫に恋してそのお父さんに結婚の許可をもらう際、姉の岩長姫もともに妻として迎えるようにと言われた話を覚えてる?」

 

クリスタル(右)「覚えてる。岩長姫は美人じゃなかったから追い返されたのよね」

アンバー(左)「ルッキズムおそるべしだわ」

あすか「うん。古事記ではそうなっているね。でも、実は岩長姫は美人だったんだよ。瓊瓊杵尊に追い返されたのではなく、彼女は瓊瓊杵尊を振ったんだ。木花咲耶姫は花のような栄えを、岩長姫は永遠の命を授けてくれる存在で、2人ひと組で尊に力を与えてくれるはずだったんだけど、岩長姫は簡単に不死の力を尊に授ける気になれなかった。尊から、心を得られないと思ったんだね。本当はそうではなかったのに。岩長姫は結婚前は巫女のような存在だったんだ。心から愛してくれる人でなければダメだという意志(=石)が強かった。だから尊の前に現れなかった。その罪のため、彼女は転生してかぐや姫となった。今度こそ本当に愛した男に不死の薬を与えるために。そういう考察もあるんだ」

 

あすか「そして、8月15日、帝は2千人の兵をかぐや姫の家に送ったが、月の都の天人の力の前にはなすすべもなかった。帝は人の生き死にの場に立ち会えない決まりだから、かぐや姫のもとへ行くことが出来ない。かぐや姫は箱の中から羽衣と薬壺を出してきて、手紙と共に不死の薬を帝に送ることにした。翁や媼にも手紙を渡した。翁達との日々を思い返し悲しむが、天人はかぐや姫に羽衣を着せる。途端にかぐや姫はこれまでの記憶を失い、天人らと共に地上を去るんだ」

 

アンバー(左)「全然知らなかったわ、そんな話」

クリスタル(中央)「かぐや姫が岩長姫の生まれ変わりだったなんて……」

あすか(右)「これは、そういう説もあるってコトだよ。でも、そんな気もするでしょ?かぐや姫は帝に不死の薬を渡したが、帝は『生まれ変わったらまた会えるのだから、不死など意味はない。天にお返ししよう、天に近い山は富士山だから、富士でこれを焼こう』と、不死の薬を焼いてしまうんだ」

 

あすか「さて、竹取物語は書かれた年も書いた人も分かっていない。紀貫之や菅原道真が候補に挙がっているんだけど、空海ではないかと言っている人もいる。本当のことは分からない」

 

あすか(右)「今、話した説がどこまで本当か分からないけれど、いろんな解釈があるんだよね」

クリスタル(左)「読んだ人の数だけ真実がありそうね」

 

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この解釈があることを知らせてくれたのは、レイちゃんとユウト01さんです。ユウトさんありがとうございました。竹取物語にこんなに面白い解釈があるとは知らなかったのでドキドキしました。