「ポーの一族」青のパンドラ | 高峰明日香の明日はどっちだ!

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SFホームドラマ。永遠の時を生きる「ジルコニア」の少年少女たちの日常と夢と性と悩みがドールによる劇場で石神井公園・池袋・新宿を舞台に繰り広げられます。闇深いです。記事は予約投稿です。

久美子(右)「ふーん、『ポーの一族』って続編まだやってるの」

あすか(左)「掲載は飛び飛びだけど、まだ続いてるよ。画風はすっかり変わっちゃったし、1回のページ数も少なくなったけど、次は初夏にフラワーズに載るよ。今は『青のパンドラ』の章」

 

久美子「どんな話?アランは生き返った?」

 

あすか「アランは生き返ったけど、人間になっちゃった。昔の悪い王も復活して、ポーの一族の村を焼き払ったよ」

久美子「……なにそれ。悪い王様なんていたっけ?」

あすか「1000年以上前に、大老ポーによって地下に封印された美青年の王様がいたんだ」

久美子「美青年の王様!吸血鬼の世界に王様って……」

あすか「その男も吸血鬼なんだけどね、1000年も村のバラに養分を吸われてたんだ」

 

久美子(右)「そんなの想像できないわ。18~19世紀のイギリスの印象が強かったから、いきなり1000年前に封印って言われてもね」

あすか(左)「大老はギリシャ時代から存在していたことになるね。その間、歴史のお勉強になることがたくさん出てくる。ポーの一族の歴史はそのままヨーロッパ史なんだよね」

 

久美子(右)「作者の先生ってもう高齢よね。それ全部描けるのかしらねー」

あすか(左)「ファンとしては読みたいね。でも全部は難しいんじゃないかな?久美子ちゃんも続編を読んでみるといいよ。ポーの村人って老人ばかりでみんなヨロヨロなんだけど、コミカルに描かれてる」

久美子「老人ばかり……ティーンはいないのね」

あすか「若くてもハタチぐらい。エドガーの14歳は例外なんだよ」

 

久美子(右)「エドガーにはメリーベルって妹がいたわね」

あすか(左)「続編では全く出てこないよ。ほぼエドガーとアランの旅で出会った人との出来事を描いてるんだけど、大人のお話だね。中高年のロマンスって面白いよ」

 

あすか「未成年の吸血鬼に後見人がいるとか、村は評議会制だとかいう設定もリアルでいいなと思った。私もリアリズムたっぷりの吸血鬼噺を書きたいな。前に書いたこともあるけど、『ポーの一族』には全然敵わない」

 

久美子「それは当たり前よ。人生経験に半世紀以上差があるんだもの。それより後見人だの評議会だの、現実を見せつけられちゃうと冷めちゃうわよ。アタシは全5巻の本編で充分な気がしてきたわ。あのふわっとした非日常がよかったのに、ガッカリ。アンタ吸血鬼もの書くなら、全然違うタイプのにしてよ」

 

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萩尾望都先生の「ポーの一族」は、ヴァンパイアの少年二人とかれらに出会う人々の物語です。かれらは日光の下でも平気で歩き、にんにくも十字架も特に怖がりません。バラのエナジーを糧として生き、ものを食べることもトイレに行くこともありません。かれらの行くところには常に何かが起きます。

以前に一度完結していましたが、また連載を再開されました。

不定期連載なので、単行本派です。

そろそろ完結を見たいです。続編は内容が深く、これまで分からなかった設定が明らかになっていたりします。