安里香(右)「なあ、あすかっち、あんたの義理の弟紹介してくれないか。親御さん、連れ子同士の再婚だったんだろ」
あすか(左)「やけにうちに詳しいな。了くんに興味あるの?」
安里香「そりゃ、ストロベリーブロンドにすみれ色の瞳、ほっそり長身で、憧れない女子はいないだろ」
あすか「少女漫画みたいな表現だな。うちのクラスで彼に懸想する女子はたくさんいて、デートした子もけっこういるけどなぜか2回目はないよ。続かないみたい」
安里香「それでも会ってみたいんだ。デートお膳立てしてくれないか」
了くん「え?オレ今から知らない女とデートすんの?」
あすか「そう、池袋で。サンシャインの展望台と水族館のチケット渡しておくね」
安里香「サンキュー、あすかっち」
了くん「んじゃ行ってくるけど……」
あすか「楽しんできて」
あすか(左)「あれ?もう帰って来ちゃったの?」
了くん(右)「オレはクリオネの生態について話してたんだけど、彼女は星座と血液型と女子向けラノベの話ばかりしていて話がかみ合わないので、サンシャインに置いてきた」
あすか「置いてきた?」
了くん(右)「まずかった?」
あすか(左)「マズいなんてもんじゃない、サイテー男の烙印押されちゃうぞ。っていうか今まで同じ子と2度とデートが続かない理由が分かった。きみはいますぐ彼女のスマホに電話して謝れ。あと、噂が立たないよう私が根回ししておく」
了くん「オレ、スマホ持ってないんだけど」
あすか「私のを使え。いいか、急にもよおしてそのあと迷子になったとか、なんとか言ってひたすら謝れ」
了くん「うーん、気にしなくていいと思うけど。オレ、別に彼女のこと好きじゃないし」
あすか「うーん」
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おデート。常識を知らない了くん、いままでこんなかんじで失敗をしてしまっていたのですね。中学生だからなかなか歩み寄れないんです。ただ、妹尾安里香には友人がいないようです。言いふらそうにも相手がいないので、今回の件、上手く収まるかもしれません。