あすか(右)「今日は『伊勢物語』の中からひとつ、哀しい話をしよう。むかしね、若い男が、可愛くて性格のいい召使いの女に恋しちゃったんだ。だけどその男のはお節介な親がいて、息子と恋仲になったら困ると思って、どうにか追い払おうとするんだよ」
クリスタル(中央)「えー、息子を応援してくれないのぉ」
アンバー(左)「だって召使いじゃつり合わないでしょ」
あすか「でもそれがうまくいかない。男はすねかじりだし、女は身分が低い。お互い愛し合ってても、どうにもならないんだ」
クリスタル「えー、愛があればいいんじゃないのー」
アンバー「今だって難しいわよ」
あすか「ふたりの恋はますます燃え上がり、親は女を追い出すことにした。男は血の涙を流したけど引き留められない。親に命じられた人が女を連れて行った。男はなくなく歌を詠んだ。『出でて去なば誰か別れの難からむありしにまさる今日は悲しも』とね。これは女が自分でていったらならまだしも、同じ家にいて逢えなかった今までより、今日はなんとも悲しいよという意味。驚いたのはここから。男はバッタリ倒れてこときれちゃった」
クリスタル(右)「かわいそう」
アンバー(左)「たったそれだけのことで?ありえなーい」
あすか「うろたえたのは親だ。息子のためを思って女を追い出したのに、その息子がショック死しては何にもならない。願をかけてなんとか生き返らせたよ。大昔の若者は本当に命がけの恋をした。イマドキの年寄り臭い若者はこんな情熱的にはなるまい』おしまい」
クリスタルの声「えー、そのあとのことはないんだね……」
アンバー「それ、テストに出る?」
あすか「『伊勢物語』を出すところがあるかどうか分かんないな」
クリスタル「あすかっちはそういう恋しないの?」
あすか「私、人を好きになったことな……」
了くん「あすかっち、オレの髪伸びてきたから切ってくれない?床屋に行くの面倒くさいんだよ」
アンバー(左)「あ、あすかっち、もしかして?」
クリスタル(中央)「もしかして?義姉弟の禁断の?」
あすか(右)「そ、そんなんじゃないよ!」
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昔はこのように、激しい恋をした若者がいたのですね。
でもその昔にそれをしらけてみていた世代があったということにも要注目です。
「人による」のでしょうけど、昔ならこんなことがあっても不思議じゃない気がしてきました。
ちなみに物語や歌の細かい解釈はいろいろですので、多少の違いは目をつむってください。諸説ありますので。










