あすか(右)「おはよ……リュシーちゃん、その落書きなに?」
リュシー(左)「見て分かんない?スーザン先生よ」
リュシー「特●を大げさに描いたの。みんなが来るのが楽しみだわ」
あすか「すぐ消すんだ。女の人を描く時は美人に描かなきゃダメだよ」
リュシー「どうして?わたしの国の新聞ではそれが面白ければどんなことでもジョークのネタにするわ。先生といえば権力者よ。ジョークの対象だわ」
あすか「ここは日本だ。日本では基本的に人を傷つけるようなことはしちゃいけない。日本の学校に通うからには従ってくれ。きみたちの新聞は、時々よその国の人が大切にしていることを侮辱する。どんなに面白かろうと、他人が嫌がるようなことをするな。きみたちのしていることは表現の自由ではなく表現の暴力だ」
あすか「と、いうわけだから消すよ」
スーザン先生の声「お待ちなさい、あすかさん」
あすか「え?」
スーザン先生「まだ消さないで。たしかに私はノンコ先生のように美しくはないし、あなた方のように若くもないわ」
スーザン先生「だから着任してから今まで、たくさんの生徒が私の顔を壁や黒板に描いてあざ笑った。それはみな、口をへの字に曲げてムスッとしていたり、歯をむき出して怒り狂った顔だったわ」
スーザン先生「でも、この落書きの私は、優しげな微笑みをたたえているわ」
スーザン先生「今までの落書きの中で、私を笑顔で表現したのはあなたひとりよ、リュシーさん。笑顔を描いてくれてありがとう。これはこれまでで一番美しい私の絵よ」
リュシー「せ、先生……」
スーザン先生「スマホのカメラに収めておくわね。この落書きに恥じないよう、いつも笑顔でいることにするわ」
生徒たちが入ってくる。
ウラン「あ、先生の絵だ」
萌花「ほんとだ。なんかかわいい」
キワナ「かわいいね」
あすか「みんな、おはよう」
あすかっちのモノローグ「(それぐらいから、リュシーちゃんはだんだんみんなに馴染んでいきました。自然に掃除に参加するようになり、ヘイトなことも全く言わなくなり、誰とでも分け隔てなく仲良くなりました。浮いていたリュシーちゃんはいつの間にか仲間になっていました)」
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今回は「高峰明日香の明日はどっちだ!」らしくない話が書きたくなり、こうなりました。いつも辛口だから。ただ、ここにたどり着くまでが大変でした。スタッフさんたちのご理解に感謝します。
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