ファンタジーキャッスルのほうのあすかっちの家。
ノンコ「あすかちゃん、なんなのこの小説!『惰性時代』こっちでも出版されてるから読んでみたら、残酷で剣振り回して血まみれで鉄砲撃って戦争してる話じゃない!こんなものを書いて、汚らしいと思わないの?」
あすか「今回は前後編で、そういう小説の特集って企画だったんだよ、安心して、次で終わりだよ」
ノンコ「次なんか書かせないわ!なんで引き受けたのよ」
あすか「今の私は、まだ小説家として断れる立場にないんだよ」
ノンコ「あんたはまだ子供だから、出版社にもてあそばれてるのよ。あんたは教師の子よ!枕草子や徒然草の翻訳やオペラの脚本だけしていればいいのよ。恥ずかしくないの?気持ち悪い小説書いて大衆の心を惑わす悪魔に、いつから成り下がったの?子供に優しい夢を売る作家だと思っていたから許してたのよ。こんな汚い話書くなら作家なんてやめてちょうだい」
あすか「私は大人の雑誌に書いてるの。世の中綺麗なことばかりじゃないの。こういうのも需要があるんだよ。お母さん、今、世の中で何が流行ってるか知らないでしょ」
ノンコ「こんなものばかり流行ってないでしょ。心が温かくて優しくなれるものだけ書いてちょうだい」
あすか「お母さん編集部のことなんにも分かってない。この世界は信用で成り立ってるの」
ノンコ「こんなもの書く作家のどこが信用出来るの」
あすか「それじゃ何も話すことないよ。放っておいて」
ノンコ「あんたお母さんに恥をかかせる気?悪いと思わないの」
あすか「私はペットじゃない」
あすか「教師って世界狭いよね」
アインシュタイン先生(右)「ノンコさん、いいじゃないの、作家なんて若いうちは仕事選べないんだから」
ノンコ(左)「私はキレイで正しくて優しいものしか子供に見せたくないわ。気持ち悪いの書くなら作家やめさせるわ」
ノンコ(左)「編集部のナタリーさんに電話して、後編は書かせませんって言うわ」
アインシュタイン先生(右)「それは非常識ですよ」
ノンコ「親として、子供を正しい道を歩ませなければなりませんわ」
アインシュタイン先生「ノンコさん、僕は理性であなたを愛しています。ノンコさんも、理性であすかちゃんを愛せませんか?」
ノンコ「あの子は私の全てよ。娘であり姉妹であり友人だわ」
アインシュタイン先生「あすかちゃんは去り際に『私はペットじゃない』って言っていきましたよ」
アインシュタイン先生「彼女のことは自分に都合のいい面が全てだと思っていませんか?」
ノンコ「私はそういうことはよく分かりませんの。作家やめさせます」
アインシュタイン先生「彼女はもう社会的には一人前です。作家をやめるぐらいならノンコさんを見放してしまうでしょう」
ノンコ「そんなはずありませんわ。あの子がいなくなったら私どうすれば……」
アインシュタイン先生「僕がいますよ、ノンコさん。それでいいじゃないですか」
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出版界のことは何も知らず、正義感だけで作家をやめさせようとするノンコさん。彼女は身体だけでなく心も変化を止めてしまったようです。
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