久美子(右)「あすかっち、お年玉何に使うの?」
あすか(左)「ビートルズのアルバムセットとベクシンスキーの画集。あとバイクの部品とか。残りは貯金」
久美子「あたしどうしよう。何に使おうかしら」
あすか「使い道ないなら貯金して……あ、お友達にクリスマスプレゼント買ったら?まだあげてないでしょ」
久美子「友達のクリスマスパーティー断ったら、なんだか気まずくなっちゃったの。同じ行動出来ないなら一緒にいられないって。十代はうつらないのにって」
あすか「……十代?今、どんどんうつってるけど。同調圧力か。フルールって思えば世間知らずのお嬢さん多かったな」
久美子(右)「友達ってお金じゃ買えないしさ」
あすか(左)「うん、私もフルール女学院退学と同時にフルールの友達ひとり残らずいなくなったの淋しかった」
久美子「あー、あれねー、あれもあたしのせいだったわね」
あすか「いや、私がバカだったんだよ。あれから悪ふざけやめてまじめにやってるけど、友達はそのあと公立で沢山出来たからいいんだ。ぶっちゃけ今のガッコのほうが授業分かりやすいし面倒見いいよ、中にはしょうもない先生もいるけど」
久美子「ブライスの服の型紙本でも買おうかと思ったけど、アンタの服でも縫おうかしらねえ」
あすか「ハハハ、そこまで気を遣ってくれなくてもいいよ。残ったお金でお祖母ちゃんに金平糖、お母さんにひとくち羊羹、テルコ伯母さんにはミニカステラでも買ってあげよう」
久美子(右)「あんた性格変わったわね……昔のアンタだったら紅白歌合戦を買い取って石川さゆりに『鴎という名の酒場』歌わせるって言いかねなかったから」
あすか(左)「いや、いくら『天城越え』飽きたっていってもそこまでめちゃくちゃじゃないよ私もう」
久美子(右)「じゃあ、あたし今年は真面目に勉強してお母さん喜ばせようかな。あたしの頭でも分かりそうな参考書とか問題集見繕ってくれる?」
あすか(左)「いいよ。やっぱり教育は一生の財産だよねぇ」
どこからともなくひそひそ声。
ひそひそ1「青春ねえ。うらやましいわ」
ひそひそ2「久美子がお勉強だなんて感激だわ」
ひそひそ1「私達も勉強しない?」
ひそひそ2「そうね。芸術に触れましょ。ビートルズとベクシンスキーって露骨に合わない組み合わせだけど、あすかちゃんの中では整合性あるのねきっと」
ノンコ(右下)「母さん、お願い、私達にもお年玉ちょうだい」
テルコ(右上)「有意義なことに使うから!お願い!」
コノエお祖母ちゃん(左)「どうしたのふたりとも、子供に還りたくなっちゃった?」
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ベクシンスキーに合いそうなのはキングクリムゾンの「エピタフ」だと思いますが、あいにくあすかっちがビートルズを熱望しているので私めは何も言いますまい。
それにしてもふたりのお母さん達、有意義なことに使うって、密になる場所へ出掛けていくんじゃないでしょーね?
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ビートルズはあすかっちが欲しいものがまだ決まってないようです。






