あすか「浦沢姫華が新刊出した?」
ナタリーさん「そ。あんたが一方的にライバル視してる中学生作家・浦沢姫華。あんたもそろそろ新刊出さなきゃね。何か目新しい話題ない?」
あすか「台風が一番目新しいと思うけど」
ナタリーさん「取材が大変なのよ。有名でもない中学生作家のために色々準備できないの。何か他にない?」
あすか「あ、900年ぶりに妻帯者のカトリック司祭を認める動きがあるって緑中学で聞いた」
ナタリーさん「そんなの大部分の日本人には関係ないわ。何か思いついたら連絡して」
翌日。
あすか「ただいま。あ、久美子ちゃん?どうしたの?」
久美子「お腹痛い……」
あすか「お医者へ行こう」
アインシュタイン先生「ストレス性の胃炎だね。久美子ちゃん、ずいぶん我慢したんだね。可哀想にね、学校でずっと誰とも口利いてもらえない状態が続いてるって。きみが彼女を無視したグループを成敗したの、意味なかったね。しかし、あのフルールでいじめがあるなんてねぇ。1週間休養の診断書書いておくから、学校に出してあげて」
久美子(左)「あすかっちには気の毒したわね、巻き込んで」
あすか(右)「今更だよ、久美子ちゃん。私が青かったんだよ」
久美子「ネタにしていいよ。浦沢姫華のことで、あすかっちも1本何か書くんでしょ」
あすか「……かたじけない」
あすか「でも、今度のことで、自分は『可愛い我が身がとっても心配』ってヒトと『他人がうらやましくてそれを奪い取ろう』ってヒトが許せないんだって分かった」
久美子「あたし、うらやましがるようなもの何も持ってなかったわよ。みんながお互いの空気を読んだ結果、あたしがいらなくなった。あたしがいなくなればまたたの誰かを空気を読んで無視するだけよ。だからあすかっち、本にすればいいわ」
あすか「気がついてないだけだよ。久美子ちゃんはみんながうらやましがる要素いっぱいあるよ」
翌日。
ナタリーさん「よく書けてるけど、生徒間のいじめネタはもう読者に飽きられてるのよ。これからは教師の悪行を暴く物語のほうがウケるわ。取材もその方がラクだし、生徒より自由に書けるから読者の欲しがってる刺激になるわよ。その路線でよろしく。セクハラパワハラたっぷり入れてね」
あすか「久美子ちゃんの好意も無駄になったか」
あすか「なんか、アハハって笑える温かいお話書かせてもらえるといいのにね。私向けじゃないんだってさ」
久美子「あたしは1週間のお休みを楽しませてもらうことにしたわ。あすかっちも浦沢姫華に対抗すべく、いつものドロドロ小説のアイデア練ってたら?あんただって前は正義感なんてない『物言えば唇寒し』だったじゃないの。いつからいい子ちゃんになったのよ」
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「トラブルはスルー」がモットーだったあすかっち、どうして正義感にとらわれるようになったのでしょうね。
母・ノンコさんの影響なのか、元から眠っていた信念だったのか……。
誰も引き受けたがらないけれど、実は「正義の味方」はどこかにいなければならないのかもしれません。
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