あすか「お母さん、なんか好きな花とかある?」
ノンコ「なに突然。お花、池坊で習ったけど、ずいぶん昔の話だから、お花の名前忘れてしまったわね。お花といえば菊しか浮かばないわね、お母さんのお友達も花のこと関心無いわねえ」
あすか「そういうんじゃないよ。私だったら一面のひまわり畑とか、水仙とか、あと季節もので青の紫陽花とか」
ノンコ「水仙は便所花っていっておトイレの裏に咲くから持ってこないで。紫陽花はお墓の裏に咲いてるから墓花よ、持ってこないで」
あすか「お母さんいつもお花といえば便所花とか墓花とかそんな言い方しかしないよね。特に私の好きな花いつもそういう風に言うよね。こっちは単にお母さんの好きな花を聞いただけなのに」
ノンコ「強いて言えばバラかしら。バラは気品があって王室・皇室とも縁が深いからだれでも好きなんじゃない?でも高いから要らないわ」
あすか「…」
コノエ「そりゃ、あすかちゃん怒っちゃうでしょ。あんた、数式解く以外なにも興味ない子だったけど、花はトイレかお墓の裏にしか咲いていないと思ってるのは今も変わらないのね。水仙が好きといったら、便所花って切り捨てるんじゃなくて、ギリシャ神話で、ナルキッソスという少年が水に映る自分の姿に見とれて最後は水仙になってしまった美しい花よね、って言ってあげればよかったのに」
ノンコ「私、神話なんか知らないし興味も無いわ」
コノエ「まったくリケジョってのは可愛くないわねえ」
コノエ「あんたそんなだと、花の好きなお友達出来ないでしょうに」
ノンコ「いいのよ。あすかちゃんにあれ好きこれ好きって言うとすぐ買ってきちゃうから、そういうこと言わないようにしてるの」
コノエ「ノンコ、以前は、あすかちゃんに花を綺麗だと思ったことがないって言われてショック受けたって電話してきたでしょ。女の子としておかしいって。もともとノンコも興味ないから自然にそうなったのよ」
ノンコ「お花は習ったから興味ないわけじゃなかったのよ。だけど、花の手入れするヒマあったら寝ていたいわ。私は疲れてるの」
コノエ「じゃ、お互い期待しないことね」
ノンコ「私はただ、あすかちゃんに世間に出て恥ずかしくない普通の女の子になってほしいだけで」
コノエ「普通ってなあに?花の種類も知らないのに好きだって言わせるのが普通?知らないことは知らないでいいのよ」
ノンコ「かあさんまでそういう風に言うの?ひどいわ」
コノエ「ノンコ、バラは誰でも好きだから好きとかいう言い方は、あすかちゃんにはしちゃダメなのよ。子供ってちょっとした言い方でがっかりするもんなの」
あすか「ただいま」
コノエ「まあ、大きなバラね。『スイートアヴァランチェ』だったかしら、スタンダードでかわいいピンク」
あすか「たぶん」
コノエ「ありがとうね、あすかちゃん」
ノンコ「真っ赤なバラ、咲くの楽しみね。あすかちゃん、高かったでしょ」
あすか「いや、そうでもない。普通に大きな赤いバラをくれと言ったらそれになった」
ノンコ「ありがとう、どうしましょ」
あすか「んじゃごゆっくりぃ」
ノンコ「こんな大きなバラ、どうしたらいいか分からないわね」
コノエ「花瓶をプレゼントしてあげるわよ。ノンコ、教職に一生を捧げるのも悪いことじゃないけど、少しゆとりを持ちなさいな」
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私は、バラより梅、桃、桜のほうがいいですね。
花には詳しくないですけど…。
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