久美子(左)「あすかっち、また小難しい本を読んでるの?プリキュア見た?すっごいイケメンの男の子がプリキュアになったんだよ」
あすか(右)「女性向けのアニメは観ないよ」
久美子「え?なんで?あすかっちヲタクじゃないの?」
あすか「ヲタクだけど腐女子じゃないもの」
久美子「どう違うの?」
あすか「普段、深夜アニメ観ない久美子ちゃんは知らなくていいことだよ」
久美子「えー、なにそれ。中性的容姿の日仏ハーフの若宮アンリくんってフィギュアスケーターがプリキュアになるんだけど、可愛いのよ」
あすか(右)「日本人って日仏ハーフ設定が好きだよね。リカちゃん人形といい滝川クリステルといいアニメの設定といい。フランス語は世界一難しいと思う私にはそんな設定作れない」
久美子(左)「ギリシャとアイルランドの私はクラスのみんなに『ギリシャ?それどこ?』って聞かれて困るわ。若宮アンリは『ハーフでなくてダブル』という表現が好きらしいけどあすかっちどう思う?」
あすか「私は純粋日本人だからそれについて何か意見を言う立場にない」
久美子(左)「どうして?あすかっちはその手の小説は書かないの?」
あすか(右)「そういうのが好きな作家ってレッテル貼られるのイヤだから。そういう仕事はしたくない」
久美子(左)「じゃ、今流行しているLGBTとかに関してはどう思ってるの?」
あすか(右)「私は当事者じゃないから、それについて意見を持つ資格も語る権利もない。自分に関係ないことについてああだこうだ偉そうに言うのはおこがましい。当事者だけが考えることを許されるんだよ」
久美子「一応、作家でしょ?何を言ってもいいんじゃないの?」
あすか(右)「そういうコラムを書かされたことあるけど、その時は私に保守派と海外のゲイカップル両方から殺害予告来たよ。双方正反対の立場からの敵が来てもういやんなった。日本のアニメも大丈夫なのかね」
久美子(左)「なんでそうなるわけ?」
あすか「私達に関係なくても、向こうにはあるんだろ。昨日の常識今日の非常識、その逆もまたしかり」
久美子「作家って物騒な商売なのね。自分の欲望を追求するために作家になったのかと思ってたけど」
あすか「作り出された欲望だよ。読者の欲望が自由すぎれば過ぎるほど作家はどぎついの書かなきゃならなくなるし。かといって狙いすぎると今度は保守から叩かれるし、ストレス溜まるよ」
久美子「だから『関係ないことは書かない』の?」
あすか「そう。『言論の自由』が『人権』に奪われてるの。脊髄反射でかみついてくる人には敵わない。いつか『私は腐女子ではない』と言っただけで『腐女子の人権を侵害した』ってことになる日が来るだろ。そういうのめんどくさいから、もう作家やめてもいいんだけど、他に向いてる仕事もないし、お母さん具合悪いし働かないと」
久美子「夢のある仕事ってないの?」
あすか「ない」
久美子「私中3になっちゃったからアイドルとしてセンターになるにはギリギリだよね。だからジュエリーデザイナーになりたいって思ったんだけど」
あすか「芸能界が一番、夢がないよ。ジュエリーデザイナーは、久美子ちゃんちぐらいお金持ちだったらできるかもね。それ相応の学校行けばいいんじゃないの」
久美子「あすかっち、今日冷た~い」
あすか「期末テストのあとだから、ナタリーさんが仕事持ってきたんでね。今度はゴミ収集車の話を書いてくれってさ。もうじき迎えが来る、取材に行かないと」
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人気の職業は、仕事を基本的に断れないのですが、あすかっちはどこかで断らないと厄介な仕事が来るようです。
当たり障りのないことを書くと売れないし思った通りを書くと恨まれます。
編集者の言うとおり書いたとしても、責任は作家が取らねばなりません。
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