モモちゃんとアカネちゃん | 高峰明日香の明日はどっちだ!

高峰明日香の明日はどっちだ!

お人形劇場。永遠の時を生きる「ジルコニア」の少年少女たちの日常と夢と愛と悩みがドールによる劇場で石神井公園・池袋・新宿を舞台に繰り広げられます。闇深いです。コナン時空です。1/6ドール(ジェニー・リカ・バービー・六分の一男子図鑑等)注意:PG12

あすか(右)「でね、2本の木が同じ鉢植えに植わっていたんだけど、両方とも枯れかけてたの。魔女はその木々を引っこ抜いて別々の鉢植えに植えたのね。そしたら片方はすくすく育って、片方はなんと歩き出しちゃったんだよ」

アンバー(左)「そこが分からなかったの。木は歩いたりしないでしょ」

クリスタル(左奥)「でしょ」

 

あすか「もののたとえだよ。この育つ木はママで、歩く木はパパ。歩く木にはヤドリギが生えていた。つまり女がいたんじゃないかな」

 

アンバー「あ~、な~るほど~」

クリスタル「ほど~」

アンバー「それで、ふたりはどうなったの?」

 

あすか(右)「両方とも枯れてしまっては一緒にいられない。ママはモモちゃんとアカネちゃんを連れて出て行ったさ」

アンバー「そんなの、パパが出ていくべきよ!パパが悪い」

あすか「いや、もともとふたりは合わなかったんだ。生き方が違ったんだ。だからママは森の向こうの町へ行ったんだよ。ヤドリギにはなれなかったから」

 

あすか「松谷みよ子という作家はこういうたとえが上手で、日本の童話で一番最初に離婚を書いたといわれている。これは傑作だと思ったね」

アンバー「そうかなー?ハッピーエンドじゃないなんてイヤ」

あすか「ま、それは物語の一部に過ぎないと思ってよ」

アンバー「ぶー」

 

あすか「ふー、子守終わった~。今日は疲れたな。アンバーとクリスタルもどんどん大人になっていくし」

 

ノンコ「あすかちゃん、お疲れ様。今日はお風呂壊れてるの」

あすか「えー、あんまりだ。銭湯に行こう」

ノンコ「銭湯はもうお店たたんじゃったわよ」

 

あすか「あ~、なんてこったい」

スマホの着信音が鳴る。

あすか「はいはいはいはい」

 

あすか「ツヨシくん、ごめん疲れてるんだ、あとで」

ツヨシ「今オーストリア~。Mステは観た?」

あすか「今日はずっと子守でテレビどころじゃなかったんだよ!風呂貸してって言いたいけど海外にいるんじゃどうしようもないね」

ツヨシ「なんで怒ってんの?」

あすか「すべてに!」

 

故・松谷みよ子先生の傑作です。表紙と口絵はお人形とセットが使われています。このお人形が欲しいなあと思いながら読んでました。

 

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