あすかっち宅にて。
あすか「え?カツヤくんとアメリカへ?」
志麻子「アメリカで空手道場を開きたいって言うの。だからついていく」
あすか「もうそんなにお金貯まったの?すごいね」
志麻子「それが、そうでもないの。実はカツヤくん、お金全然持ってないの」
あすか「じゃ、どうやって暮らすの?」
志麻子「私が働いて彼の夢を支えるわ!」
あすか「…志麻子ちゃん、騙されてない?」
志麻子「なんてこと言うの?彼とは何年も一緒にいて、愛し合ってきたわ」
あすか「んー、なんつーか…。志麻子ちゃん、カツヤくんと出会ってから別人になっちゃったよね」
志麻子「どういう意味?」
あすか「そんな『尽くす女』じゃなかったし。もっと自由奔放だったと思うんだけど。男が糟糠の妻を大事にすると思う?志麻子ちゃんずっと尽くしてきたけど、カツヤくんからなにかもらったことある?」
志麻子「何もないからここへ来たのよ」
志麻子「あすかっち、作家になって印税入ったでしょ?お願い、お金貸して!200万円でいいから。必ず返すから!」
あすか「印税なんて税金で消えるの。200万なんて大金見たことないよ」
志麻子「お祖母様が世界的画家で200万ぐらい、ないはずないでしょ!」
あすか「きみんちのほうが金持ちだろ。なんで実家に頼まないんだよ」
志麻子「実家にも行ったわ。だけど…」
あすか「実家にもダメだって言われたんだろ。で、うちにお百度を踏んだってわけ。無駄だよ」
志麻子「今、カツヤくんノロウィルス治ったばっかりなの。だからアパートに食べるものもないの。お願い…」
あすか「えー?」
志麻子「あすかっちのお祖父様が亡くなったとき、死亡診断書1万円うちが貸してあげたでしょ。1万円でいいから貸して-!」
あすか「あのね、志麻子ちゃん。もう亡くなったけど、萬屋錦之介って梨園出身の俳優の名前聞いたことあるよね。会社が倒産してすごい借金抱えて、病気になって働けなくなった時、奥さんの淡路恵子がバーのママになって借金返したんだけど、錦之介は梨園出身の自分の妻が水商売をしたなどということは恥だって言って、女作って出ていっちゃったの。その女ってのが淡路恵子の親友だったの」
志麻子「やめてー!なんでそんな話するのよ。カツヤくんはそんな人じゃないわ」
あすか「だったら、どうして実家がお金出してくれないの?」
志麻子「…」
ノンコさん現る。
ノンコ「志麻子ちゃん、お久しぶりね。ご両親お元気?」
志麻子「はい、おかげさまで」
ノンコ「今日はご実家へ、もうお帰りなさい。うちではどうにもできないわ」
志麻子「1万円でいいんです」
ノンコ「志麻子ちゃん、そろそろ目を覚ましたら?アパートに帰ってごらんなさい、お金何に遣われたか分かるわよ」
志麻子「ひどいわ、ふたりして。もうこんな不人情なところには来ません、さよなら!」
ノンコ「ご実家に連絡しておくわね」
ノンコ「だから、お友達は選びなさいっていつも言ってるでしょ」
あすか「あー、はいはい」
志麻子ちゃんがアパートへ帰ってみると部屋はもぬけの殻で、金目のものはすべてなくなっており、見知らぬ口紅が1本落ちていました。志麻子ちゃんの恋の遍歴が再び始まります。
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※職業に貴賤はありません。











