コノエお祖母ちゃん宅にて。
あすか「お祖母ちゃん、あけましておめでとう。去年は個展で世界中回って大変だったね。」
コノエ「明けましておめでとう、あすかちゃん。今年は作家の仲間入り出来てよかったわね。本読んだわよ、とても重かったけど、面白かったわ」
あすか「ありがとう。今日は久美子ちゃんは初詣行っちゃって、お母さんはうちで数学の補習会を開いてる。今年はけっこう生徒が来たよ。お母さんは教えるのがすごく上手いの。受験控えてる子が進学塾の講義を蹴ってお母さんとこに来ちゃうんだよ」
コノエ「まあ、ノンコがねぇ。そのうち塾からヘッドハンティングされるかもね」
あすか「それにしても…留守中ずいぶんホコリが溜まったね。ずっと散らかったままだ」
コノエ「昨日帰ってきたばかりなもんだからソファのホコリを取るだけで精一杯だったの」
あすか「ああ~、いろいろ散乱してるね」
あすか「あとで掃除しよ?」
コノエ「そうね。そうしましょ。」
あすか「もうずーっとお祖母ちゃんに逢ってなかったね」
コノエ「お祖母ちゃんも逢いたかったわ。絵を描いているときも淋しかった。4年間、絵ばかり描き続ける毎日で、絵画教室を開いていた昔が恋しくなったこともあったわ。でもそれでは画家でいられないの。作家も孤独に強くならないとね」
あすか「…肝に銘じておきます」
コノエ「あすかちゃんはファンレターとかもらったの?」
あすか「デビュー作は翻訳されたせいか海外から来ることもあって、それも発展途上国の女性からお手紙来たりして字が読めないの。ネットの翻訳機能じゃ限度があるし。編集部に頼んで読んでもらったら、だいたい『うちも同じような苦労をしました、身につまされました』とかそういう感想が多かったって。びっくり」
コノエ「あらまあ、面白いわね」
あすか「だから受賞後第一作は夢を売ろうと思うって言ったら編集部がファンタジー書いてっていうんでそうしたの。そしたら評論家に『痛烈な風刺作品』って言われた。これってどーいうこと?」
コノエ「周りは自分が見たいように作品を見るものよ。作家がどういう動機でどう書こうとしたかなんて本人にしか分からないことだわ」
あすか「そうだね。人によるよね。伯爵にはファンタジーに向いてるって言われたんだけど」
コノエ「伯爵?」
あすか「猫の頭した…たぶんお笑い芸人じゃないかなと思うんだけど自分では猫頭族って名乗ってて」
コノエ「ああ、そういえば個展でそういう人にお目にかかったわ。絵を何枚かまとめて買ってくれたわね、あすかちゃんの本も読んでくれたのね、ありがたいファンね」
あすか「『紫の薔薇の人』みたいなかんじかな?」
コノエ「…だといいわね」
あすか「じゃ、次もファンタジーでいこうっと」
コノエ「夢を紡げる人こそファンタジーを書けるのよ。しっかりね」
ふたり「じゃ、今年もよろしくね!」
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2017年、あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
皆様にはたくさん幸せが訪れますよう。








