ツヨシ「あすかっち、ただいま。ジュリアードの先生達が『もう何も教えることはない』って。留学おしまい」
あすか「え?じゃあこれから中学校に戻るの?」
ツヨシ「それが、パリでコンサートするんだって」
あすか「パリ?『音楽の都』ウィーンがこの場合適当じゃないかい?」
ツヨシ「ぼくもそう思うんだけど、ヨーロッパツアーなんだって。あすかっち1日ぐらい来られない?」
あすか「こっちも〆切りが重なってるからねえ」
ツヨシ「で、そのあと東京でコンサートやるんだ」
あすか「東京なら行けるかもしれないけど…」
ツヨシ「ぜひぜひよろしく」
あすか「私は音楽の良し悪しは分からないんだよ」
ヤスノ「そうね、ヨーロッパでは神童路線、日本ではアイドル路線で売り出したいから…日本では女の子の影はない方がいいわね」
あすか「ツヨシくんとはそういうんじゃないんだけどね、ヤスノ伯母さん。それに真面目に音楽やってた子をアイドル化って冒涜だよ」
ヤスノ「週刊文春あたりで『新進気鋭の天才少年ピアニストにガールフレンド?』なんてやられたら全国の女の子達が怒りまくるでしょうから恋愛は禁止」
ヤスノ「実際忙しくて恋愛どころじゃないでしょうけどね」
あすか「芸術っていろんな体験で表現方法が変わっていくものじゃない?」
ツヨシ「うん。ジュリアードの級友達も普段のぼくを知りたがったよ。今何を趣味にしてるかとか日本で流行っているものはなにかとか」
あすか「なんて答えたの?」
ツヨシ「アイドルの握手会に行くことが趣味で、流行っているものはポケGOって。クレイジーだって言われた」
ヤスノ「それはちょっと困るわね、もうちょっと神秘的なかんじで売りたいのよ。富士山麓でひたすらピアノだけを友として弾き続けてきた牛若丸のような少年が情熱を失いかけていた青年音楽プロデューサーと出会って…みたいにやりたいわ」
あすか「腐女子が喜びそうだね」
ツヨシ「ぼくにはヤスノさんが何言ってるのか全然分かんないんだけど」
あすか「ま、早い話が私は門外漢、と。けっこう」
ツヨシ「えー、そんなこと言わないでくれよ。ぼくこわいよ」
あすか「きみはいつも本番に強いじゃないか。しかも今回はバックアップつき。ヤスノ伯母さんはこうと決めたら引かない人だから、乗っかっちゃいな」
ヤスノ「大変、今メールが来て分かったんだけど、音楽プロデューサーがお金持って失踪しちゃったわ。これじゃすべてがパーよ」
ツヨシ「あー、よかった。ぼくこれからAKBのCD買いに行く~。いない間結構シングル出てるんじゃないかな」
ヤスノ「ダメよ~イメージってものがあるのよ」
あすか「私はチョコアイスモナカ買いに行こうっと」
ツヨシ「この寒いのに?」
あすか「そう、冬のアイスってけっこういけるんだよ」
どうやら恐怖のツアーはナシ?
( ´艸`)( ´艸`)( ´艸`)( ´艸`)( ´艸`)( ´艸`)( ´艸`)( ´艸`)
クラシック音楽をひたすら追究する日本と違って、アメリカでは個人的趣味や世の中のことが語れるようにならなければいけないようです。ツヨシくんはそっちに馴染んじゃったようですね。












