アインシュタイン先生が遊びに来る。
アインシュタイン「最近、心愛(ここあ)ちゃんという女の子を診てね。なんて読むのか分からなくて。キラキラネームですかって聞いたら母親がカンカンに怒っちゃってね、『うちの子のはちゃんと雑誌で調べたんです!一緒にしないでください』って。もしきみのお友達にそういう名前の子がいたら申し訳ないんだけど、70を過ぎたぼくには心愛(ここあ)ちゃんも永久恋愛(えくれあ)ちゃんもどう違うのか分からないんだよ」
アインシュタイン「ぼくの名前はきのえね(干支のひとつ)にうまれたから甲子男(きねお)とつけられたんだけど、今じゃあんまり聞かないでしょう。よくある名前だったんだよ」
あすか「そうだね。私、SNSサイトのニュースで『森鴎外も娘にアンヌとつけたり息子にオットーとつけたりしたからキラキラネームでもいいんじゃないかって』日記upしたことあるんだけど、限られた人にだけ公開したんじゃなくて全体の人が見るのだったから、その晩からたくさんの人から苦情が来たよ。『鴎外のような立派な人と一緒にするな』『DQNネームはDQNネームなんだよわかんねえのかバカ』から始まってすごいバッシング浴びて、友達にも迷惑かかるといけないからその記事消しちゃったけど、しばらくしてそのSNSで書かれた「ニュース」で『森鴎外から始まったキラキラネームは…』ってあって、それには誰も文句を言わなくて、同じこと言ってるのにどうしてニュースで書かれたモノはよくて私が書いた記事はダメなのか、大衆って恐ろしいと思ったよ。衆愚だね」
アインシュタイン「ああ、それは恐いねえ」
アインシュタイン「大衆による言論の自由の封殺ってよくあるよね」
あすか「集団で来るから。SNSのつぶやきや日記は友人以外非公開にしちゃった」
アインシュタイン「うーん、でもそれじゃあ、作家にはなれないんじゃない?バッシングを乗り越えて座れるキモがないと」
あすか「炎上商法が未成年に有効だとは思えないよ。いまや一億総評論家だから」
あすか「先生、名付けの雑誌買ってきて勉強しなよ。70だから無理ってことないよ、努力しなきゃ患者来ないよ」
アインシュタイン「うん、そうだねえ。きみの名前はノンコさんがつけたの?」
あすか「父がつけたの。和田慎二の「超少女明日香」とEVAのアスカから。母は『中学時代のクラスメイトに智子ちゃんっていう学年トップの子がいたから智子とつけたかった!』って今でも言うけど」
アインシュタイン「え?そんなこと言われたの?気にならない?」
あすか「ならない。どっちの名前でも関係ない。いくら勉強が出来ても出来なくても、20年後、私は母の介護をしていて、私より偏差値が10低い男の子が高給取りの税理士になってるだろうから」
アインシュタイン「あ、そういう発想にいっちゃうのか。作家のほう結局諦めたの?」
あすか「書きながら介護するよ。もう腰が痛いって長距離歩けないからねお母さん」
アインシュタイン「黄熊(ぷう)でも?」
あすか「…ん-、著作権の絡む名前にはなりたくないな。名乗る度に(c)をつけなくちゃいけなくなる」
アインシュタイン「なるほどね。そういやドイツでは現在国内に存在する名前以外つけちゃいけないことになってるんだよ」
あすか「その方が簡単でいいかもね」
アインシュタイン「ぼくは気に入らない名前はどんどん変えられるようになったらいいと思うよ。もちろん犯罪者以外でだけどね。字画ひとつでシアワセになるなら好きなようにしたらいいと思う」
アインシュタイン「ぼくもカッコイイ名前だったらよかったなあ、健さん死んじゃったけど健もよかったなあ」
あすか「健さん本名が剛一だっけ?なかなかコワモテで健さんの本名も悪くないよね」
アインシュタイン「そうだね。ところでノンコさんはあれ本名?あだ名?なんていうのかな」
あすか「ああ、お母さんね…そういえば『暢子』と書いてノンコと呼ぶって気がしたけど」
アインシュタイン「うろ覚え?そ、それで大丈夫かいー?」
あすか「今度ちゃんと聞いてみる」
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今回もアインシュタイン先生はノンコさんに会えませんでした。

