雅やん(左)「おれ、バイトを馘になりそうなんだよね。会社の方針が変わって、来月から社内の公用語が英語になるのと、正社員は理系のみってことになるんだ。芸術系のおれは退場するしかなさそう。営業まで理系にやらせるんだって。むちゃくちゃだよな」
あすか(右)「理系の日本だからねえ」
あすか「私、どうあがいても文系だけど、英語はあんまり…これからそういう会社増えるのかな?」
雅やん「分からない。おれも油絵科じゃなくてデザインなら残れたかもしれない」
あすか「残念だねえ」
雅やん「ま、『藝大は就職したら負け組』なんでね、また次のバイト探すけど。あすかっちのお祖母ちゃんの鞄持ちとか何かない?」
雅やん「そっか…。あすかっちも作家だけで食べていく自信がなかったら大学は経済学部とかにしておいたほうがいいかもな」
ノンコ「まさかうちで雇ってあげるなんて言わなかったでしょうね」
あすか「…力にはなれないって言ったけど」
ノンコ「それでいいのよ」
ノンコ「ああいう人は最後、必ず『お金貸してくれ』って言ってきて、返さないまま消えちゃうんだからね」
あすか「雅やんに限ってそんなことはないと思うけど…あと、私、大学、経済学部にしようかな」
ノンコ「それも雅やんに入れ知恵されたの?あすかちゃんは自分の嫌いなことは出来ない子だから、文学部でいいのよ。ヘンに就職のためとかで無理すると中退することになっちゃうわよ」
あすか「うーん…」
ノンコ「もう雅やんを家に上げるのよしなさい。ろくなこと言わないわ」
アルフレッド「奥様も悪気があっておっしゃってるわけではないですよ。牧村様はたしかにお祖母様と同じく芸術家ではありますが、芸術家は若いうちは貧乏で、たくさんの人に迷惑をかけることもあります。ま、全部そうとは申し上げませんがね」
あすか「…うん。私の好きなジャン・レノも若い頃はたくさんの女性のヒモだった」
ノンコ「…作家の夢、諦めないでね」
あすか「うん」
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数学と英語が受験を制する時代になってからもう20年ぐらい経っちゃいましたね。
どっちも苦手だったので、国語力だけなら上智や青山を狙えると言われたのがくやしかったです。
女子美卒の私の小説を、出版社が読んでくれるとは思っていなかったので、漫画家を目指していましたが漫画家といえば武蔵美。当時は私の絵柄は流行のものでなかったのでこれも諦めました(今なら私みたいな絵描く人いっぱいいるんですけどね)。就職氷河期で就活は苦しく、バイト先で「あんたのかわりなんていくらでもいるのよ」と罵声を浴び、会社という組織をかなり恨みました。
無理して身体を壊して、婚期も逃して随分経ちます。
あすかっちの夢は叶えてあげたいです。



