あすかっちの祖母コノエさん(スマイルおばあちゃん)、お部屋にやってくる。
コノエ「おばあちゃんの若い頃もこんなだったわ」
あすか「うん。お母さんの部屋はきちんとかたづいてるからね」
コノエ「おばあちゃん昨日はすごい画家さんとそこのおうちで対談したんだけど、アトリエがすごかったわね-、イーゼルの周りだけ異空間なの。オーラがあって。あとはかたづいていたわ」
コノエ「画家についてのありかたをお話ししたけど、おばあちゃんとは対極ね。彼女は人間としての業をすべて作品に注ぎ込んでいるような気がしたわ。本物の芸術家ね。喜怒哀楽、命、痛み、愛、そういったものを全部よ。だから世俗を超越した尼僧のようだった」
あすか「ふーん。おばあちゃんは絵画教室の先生やら、ポスターやイラストレーションのお仕事やらで、どっちかっていうと在俗だよね」
コノエ「そうね。いつもいろんな人が出入りしていて、おばあちゃんは芸術家というより職業画家なのよね。病院や区役所から依頼を受けて描くこともあるし…」
あすか「でも、その人は違うの?」
コノエ「そういうお仕事はしないみたいね。自分の内面世界を描ききる人。そして彼女の世界観を愛せる人達のためのお仕事。圧倒されたわ。とても志が高いの」
コノエ「おかげでこてんぱんにやられちゃったけどね」
あすか「え?なんで?」
コノエ「彼女からみたら、おばあちゃんは『職業画家』だからよ。高尚なモノを求めていないからって」
あすか「え?それひどくない?私おばあちゃんの絵大好きだよ」
コノエ「ありがと。おばあちゃんも彼女も画家は画家なんだけど、方向性が違うの。それだけで対談がヒートアップすることもあるのよ。対談を雑誌に載せる編集者は大変ねきっと」
あすか「おばあちゃんはつらくはなかったの?」
コノエ「おばあちゃんちょっと落ち込んだけど、今は平気よ。おばあちゃんはおばあちゃん、そのかたはそのかたの理想があるから。そのかたは評論家からいい印象を持たれているのよ」
コノエ「あすかちゃんも作家を目指しているなら、自分の精神を高みに極めたいっていう目的でかかれた小説と、読者に楽しんで読んでもらうための娯楽小説の違いは分かるでしょ?何を書いても売れなくて、編集者に『そろそろ時代劇か官能小説でも書かれては』って言われて書いた時代劇が大当たりしてシリーズになって、テレビドラマの原作に起用された作家さんいたわねえ。逆に有名になってから内面世界を書き込みすぎて、新刊出すたび発行部数がすごく伸びるんだけど誰もその小説の感想が難しくて書けないって人もいるでしょ?あすかちゃんはどんな作家になるかしらねぇ」
あすか「いや、このままだと難しいかも…」
コノエ「あら、壁にぶち当たっちゃった?」
あすか「大衆文学でも純文学でもないの、私の作品。なんか迷ってるの。書いたからにはたくさんの人に面白がって読んでほしいって思うんだけど書き上がるとマイナーなの」
コノエ「あらまあ、面白いわね、そういうのも」
あすか「うーん、どうなのかな。人にもアドヴァイス求めてるんだけど。完結しないこともあるの」
コノエ「一作書き終わるまでね…誰にも見せちゃダメよ。誰の意見も入れないで、まず書き終わったところで誰かに読んでもらって、軌道修正はそれからね」
コノエ「でないと迷っちゃうわよ。本来たくさんの人が関わる、映画撮るのとは違うから。完成させるクセをつけてごらんなさい」
あすか「うん」
(・∀・)(・∀・)(・∀・)(・∀・)(・∀・)(・∀・)
おばあちゃん、新たな創作意欲?
※2018年現在、お祖母ちゃんは展覧会を世界中で開いている芸術家になっています






