言葉と想像力


指導者は常に言葉で選手に伝える。

時に実演もする。

それはケースバイケースだ。

でも、基本的には言葉で伝える。

最近、とある指導者の方のスクールに足を運ぶ。

理由はその指導者の方が、トレーニングに対してどういった言葉を使っているかを学ぶ為に。

その指導者の方はパスを電車に例えてた。

子供でも理解出来る言葉だ。

もちろん実演で電車を使い分け伝えていた。

ちょっとした事かもしれない。

でも、そのちょっとした言葉が選手の理解度を上げる。

最近はヴェントのコーチにもトレーニングについて質問を受ける。

週末にこういったトレーニングを行った。

でも、ここでグチャっとなって思ってたトレーニングが出来ないと

話を聞くと、そのトレーニングには様々な細かな内容が存在し、選手が何を1番に意識しないといけないかわかりにくい。

また、トレーニングの完成形の状態から(オフェンス・ディフェンスの人数)スタートしてる。

何故トレーニングが上手くいかないか?

一つ目の理由として固定観念がある。

日本の指導者に多く見受けられる光景だ。

サッカーは常に相手がいて、ポジションは決まっているがピッチの中で動いてはいけない場所は存在しない。

だから、トラップ一つにしても状況によって使い分けなければいけない。

二つ目の理由として想像力が足らない。

こうしたらグチャっとなるといった現象に対する想像がなく、グチャっとなってからどうやったらグチャっとならないかを考える。

トレーニングは、例えると家を作るのと同じだと思う。

土台を作り、骨組みを作り、壁を立て、屋根を作り、水道やガスや電気を通し、部屋組を作り、ドアをつけ、壁紙を張り、と言えばきりが無いが、それと同様に細かな事の積み重ねだと思う。

見た目だけの家は早く作れるがすぐ壊れる。

トレーニングも見た目だけ形になっても、一つずつのポイントが欠けていると何も身についていない。

指導者は一つのトレーニングに対し、選手(子供)が何をするか、どうなるかを想像しないといけない。

想像してれば現象が起きる事をフリにし、より説明しやすくなる。

選手にも伝わりやすい。

ただ最近海外の講習を多く受け感じる事は、そのフリの時間さえはぶき、現象が起こらないルール作りをした上でトレーニングを行う。

選手(子供)の考えを理解・分析してないと出来ない事だ。

海外の選手(子供)と日本の選手(子供)のやる事に大差は無いと言う。

まだ日本の選手(子供)の方が柔軟性があるという。

だとしたら、原因は選手(子供)ではなく指導者(伝える側)にあると感じる。

そのコーチに上記の様な事を伝えると、少しずつ頭が整理されてくると言った。

そのコーチはまだ若い。

でも、自分がまだ指導者としての能力が足りてない事をちゃんと認識している。

最近は本当によく色々な事を聞いて学ぼうとする。

真剣には真剣に応えなければいけない。

そういった若いコーチの思ってる事を引き出し、解決させていく事もまた指導者の役割だと思う。

また否定と取られるかもしれないが、現実問題として協会で行われる指導者講習では、大人が大人に指導し、そのトレーニングの完成形を伝えるが、選手(子供)への落とし込み方(伝え方)やどういった現象が起こりやすいか?また、こういった現象が起こるからこうしようと、いった事は伝えられない。

要は自分で考えろって事?

結局、どうしたらいい?

と、思う人が多い。

また、質問をしてもリアルな返答が返ってこない。

何となくの答え。

もちろん選手(子供)も多数いるので、一概にこれ!といった事はないが、大体の想像はつくと思う。

また、わかったフリをしてる指導者も多い。

チームでこういった講習があるから行ってと言われ、来て何となくその場にいて帰る。

学ぶ気がないなら、適当な理由でも付けて来なければいいのにと正直思う。

トレーニングや指導者講習などに何が欠けているか?

それはリアリティだと思う。

より実戦を想像したトレーニングや講習が行われない限り、指導者の全体のレベルは上がらない。

=選手(子供)のレベルも上がらない。

若いコーチを育てていかないと、日本のサッカーの未来はない。

若いコーチには現場で技術などを魅せる力はあると思う。

情熱もあると思う。

ただ、選手(子供)がどういった考えをするか?どういった行動をするか?どこまで考える力があるか?などは、わかっていない。

チームで担当コーチになるのはいいが、上手く選手(子供)に伝えられず保護者に愚痴を言われたりする若いコーチが多い。

その愚痴を言う大半の保護者は、その若いコーチが『子供』とは?を理解せず話をしたり伝え様しているからだと言う。

選手(子供)にはルールや規律・人間性が大事と言うが、同じ指導者(コーチ)間では曖昧になっている。

学校の先生ほど『子供』と長時間接しているわけでない。

あくまでサッカーという専門分野の中で『子供』と接する若いコーチにとって、1番の悩みは『伝え方』だと思う。

そこは、『子供』を育てた事のある指導者(大人)でしかわからない事だ。

知らない事は考えられない。

人の受売りだか、人が成長する順番として

1.知る

2.覚える

3.動く

4.考える

知覚動考(ともかくうごこう)

僕の考えだが、その通りだと思っている。

選手(子供)にも若いコーチにも、1.は指導者(大人)が伝えるべき事だ。

言葉や行動と同じで、一言・一手間を加える事が出来るかが、指導者としての『能力と質』の差だと思う。

ヴェントのコーチには、『学ぶ』姿勢のコーチが多数いる。

それは自分の事でもあり、選手(子供)の事も考えている上での姿勢だと思っている。

ヴェント生の為にも、その想いの火が消えない様コーチと話し伝えていきたいと思います。